素地の石英とクリストバライトについて


1.素地の石英とクリストバライトの熱膨張
 焼成した素地中には、石英やクリストバライトが存在しており、α(低温型)-β(高温型)転移により素地の熱膨張特性に大きな影響を与える。石英もクリストバライトもSiO2て゜ある。
・石英のα(低温型)-β(高温型)転移------------573℃
・クリストバライトのα(低温型)-β(高温型)転移----230℃付近

**焼成において注意すべきこと**
・石英の多い素地は、昇温過程の573℃付近で、素地が「あぶり割れ」を起こしやすいことから、この温度付近をゆっくりと昇温させる。
・石英の多い素地は、冷却過程の573℃、クリストラバライトが多く存在するときは、220℃付近で「さめ割れ」を起こしやすいので、ゆっくり冷却させる。


2.クリストバライトの生成と消滅
 クリストバライトは、石英の加熱により生成するもの、カオリナイトなどの熱分解により生成するものがある。
@石英の加熱により生成するクリストバライト
●生成を助長する条件
  ・石英が細かい場合
  ・Fe2O3(酸化第二鉄)、 TiO2(酸化チタン)などの触媒物質が存在する場合
  ・鉄の多い素地を還元焼成した場合
●生成を抑制する条件
  ・粗い石英を使う
  ・Fe2O3(酸化第二鉄)、 TiO2(酸化チタン)などの少ない素地にする
  ・長石を多く添加し、生成したクリストバライトを消滅させる
Aカオリナイトの熱分解により生成するクリストバライトについて
 堆積鉱床、風化鉱床に比べ熱水鉱床のカオリナイトは、クリストバライトになりやすいとの結果もあるが、
未だ解明されていない部分が多い。