ゼーゲル式って何?


 やきものの性質を、原料割合の大小で考えることが難しいことに気づいたドイツ人のゼーゲルは、やきものの成分を塩基性酸化物(アルカリとアルカリ土類)、中性酸化物(アルミナ)、酸性酸化物(シリカ)の三つに分類し、その三つの酸化物の割合が釉や素地の溶け方や焼き締りに大きく影響することを発見しました。さらに、それぞれの酸化物をモル比(原子の数)で表す式を考案しています。それが“ゼーゲル式”です。
 やきものがうまく焼けているかを窯の外から眺めてわかるように考案された“ゼーゲルコーン”は、このような考えに基づいてつくられたものです。

 ●ゼーゲル式の表し方
 塩基性成分 :  k2O,Na2O,CaO,MgO,Bao,ZnOなど  
 中 性 成 分  :  Al2O3
 酸 性 成 分  :  SiO2

塩基性成分

中性成分

酸性成分

X ・・・KNaO
Y・・・・・CaO
Z・・・・・MgO

m・・・・ Al2O3

n ・・・・SiO2

X +Y+Z =1 , KNaO=k2O+Na2O

X,Y.Z,M.Nはそれぞれの酸化物のモル数



ゼーゲル式で、釉の大まかな性質がわかります。
例えば、アルカリの種類や量は、釉の解け方、結晶の種類、着色剤の色の質などに大きな影響を与えます。
アルミナは、シリカは艶、乳濁、透明感などの釉の表情に大きく関係します。