政策レポート−名張市長 亀井利克

日本創生新都 〜未来を拓く三重・畿央〜
三重・畿央新都構想

平成12年10月
三重県・滋賀県・京都府・奈良県
imageはじめに

 首都機能移転は、地方分権や行財政改革など国政全般の改革の契機となる歴史的・国家的プロジェクトです。東京一極集中の弊害を是正し、国土の均衡ある発展を図るためには東京圏以外への速やかな移転が必要です。

 平成11年12月には国会等移転審議会の答申において、「三重・畿央地域」は「他の地域にはない特徴を有する」と評価され、首都機能の移転先候補地の一つに選ばれました。

 この「三重・畿央新都構想」は、当地域ならではの特徴やポテンシャルを充分に活かした、新世紀にふさわしい都市像を広く提案・アピールするためにとりまとめたものです。


I三重・畿央地域の資源・特性

日本の中央かつ関西圏・中京圏の結節点
 三重・畿央地域は国土の中央に位置し、全国からの均等なアクセスが可能です。
 関西圏と中京圏の結節点に位置し、両圏域から独自性を保ちながら連携して首都機能を担うことが可能です。

最先端の学術研究機能などの知的資源の集積
 関西文化学術研究都市に代表される高等学術研究機関が数多く集積しています。
 知的資源や人的資源の蓄積を活かし、政策形成に寄与することができます。

世界的に誇る歴史文化資源の蓄積
 京都・奈良・近江など、わが国固有の歴史・文化を創造・継承している地域に囲まれています。
 歴史・文化資源を活かし、新たな日本のアイデンティティを確立することが可能です。

国際的な交流基盤の蓄積
 アジアとの長い交流の歴史を有し、現在でも数多くの国際会議の開催実績があります。
 国際会議場や二つの国際空港などを活用することにより、さらに活発な国際交流が展開可能です。

多様で魅力ある自然環境などの存在
 多くの国立公園・国定公園など、うみから山に至る多様で魅力ある自然環境や景観を有しています。
 自然環境と調和のとれたゆとりある空間の中での都市づくりが可能です。
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II三重・畿央新都の基本理念

わが国の歴史・文化や原風景の香りを感じとれる三重・畿央から、未来日本のかたちとこころを創生します。

均衡ある国土構造を形成する都市
 政治・経済機能が東に偏らない均衡ある国土構造を形成するとともに、既存大都市圏から適切な距離を保つことで新たな集中都市圏の形成を回避します。

高度な政策立案機能を実現する都市
 高度な知的資源や歴史文化資源の集積を背景に、日本や世界の将来ビジョンを先導する新たな社会システムを構築し、高度な政策立案機能を実現します。

伝統文化を継承し、新たな文化を創造する都市
 わが国を代表する伝統文化・技術を活かしながら、新たな文化を創造することにより、わが国のアイデンティティを発信し、新たなライフスタイルを実現します。

グローバルな交流を拡大する都市
 アジア・世界と多様な交流の経験を活かしながら、さらなる国際交流の展開を図り、国際政治文化交流の新たな拠点として新しい日本の姿をアピールします。

多様な機能に支えられた環境と共生する都市
 関西圏・中京圏の既存都市機能を活用し、新都の開発規模を小さくすることで環境への影響を最小限にするとともに、日本の原風景とも言える豊かな自然の中に、環境と調和のとれた新たな都市モデルを構築し、世界を先導します。


III三重・畿央新都建設の基本方針

ネットワークの連携強化
 関西圏・中京圏の都市機能を活用し、これらと連携して首都機能を担うために、新都と関西圏・中京圏との情報・交通ネットワークの充実・強化を図ります。

クラスター方式の採用
 自然環境との調和、ゆとりある生活確保の観点から、クラスター方式を採用し、移転の熟度に応じた段階的整備を行い、効率性・経済性に配慮したこんぱくとな都市づくりを行います。
注)クラスター方式とは、「ぶどうの房」のように小さな都市を分散していくつか建設し、それらを相互にネットワークすることにより、全体として機能させる方式

環境共生・資源循環の重視
 自然環境との共生を図り、環境負荷の低減を実現した省資源・資源循環型都市を形成するとともに、豊かな緑を保つ里山など日本の原風景を活かした景観形成をすすめます。

世界・国民に開かれた基盤の整備
 国籍や年齢によらす、誰にでもやさしいユニバーサルデザインを採用したまちづくりを進めるとともに、IT革命に対応した最先端の情報通信基盤を整備し、世界・国民に開かれた都市を構築します。
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IV 交通網整備のあり方

1.高速交通網
 国会等移転審議会で指摘された高速交通網整備の課題に対応し、首都機能を担うために「東京・全国とのアクセス」、「関西国際空港・中部国際空港とのアクセス」、「関西圏・中京圏の大都市とのアクセス」をさらに充実することが必要です。  当地域では、既存の新幹線、高速道路、JR在来線・私鉄線に加えて、第二名神高速道路の整備が進められており、中央新幹線の整備も見込まれるなど、非常に高い水準に高速交通 体系が構築される予定です。

image

image 1)高速交通網の整備方策
新都市の街開きまでに、以下の整備を行うことが適切です。

高速交通網の軸となる中央新幹線の整備について名古屋〜大阪間の先行整備
東海道新幹線と草津線の交差部に既に整備構想のある(仮)びわこ栗東駅を設置し、(仮)びわこ栗東駅から新都市に新幹線(約25?)を整備

新都市の成熟段階では、中央新幹線が全線整備されることにより、東京・全国との交通利便性が飛躍的に向上することから、これを軸としてより水準の高い高速交通体系が構築されます。

2)高速交通網整備の効果
新都市の街開き段階では以下の効果を得ることができます。

東京に日帰り可能で、全国からもアクセスしやすくなります
 経済の中心である東京への複数のルートで余裕を持って日帰り可能となります。(中央新幹線ルートで106分、東海道新幹線ルートで135分)
2つの24時間国際空港が利用しやすくなります
 24時間運用の関西国際空港、中部国際空港へ、中央新幹線を利用して東京〜成田空港間よりも格段に短い所要時間(50分前後)で結ばれます。
関西圏、中京圏の大都市がさらに近くなります
 高次都市機能が集積し、ともに首都機能を支える大阪、京都、奈良、名古屋に複数のルートにより10〜40分で結ばれます。

新都市の成熟段階では、中央新幹線の全線整備によって、東京をはじめとする国内主要都市や両国際空港への時間は大幅に短縮され、また、東京〜新都市〜大阪間の高速交通網の二重化によってリダンダンシーが確保されます。

2.域内交通網

 高速交通網との接続強化、周辺の中小都市の機能の活用などの観点から、鉄道系では草津線や関西本線等、既存鉄道の整備の高度化を図るとともに、国会が配置されるクラスターとびわこ空港及び各クラスターを結ぶ新線の整備を行い、また道路系では各クラスターやびわこ空港等を結ぶ連絡道路を整備するとともに、第二名神高速道路、名阪自動車道を活用したクラスター間や周辺地域を循環する高速バス路線を整備することが適切です。

 さらにクラスター内では、利便性が高く、環境に配慮した公共交通中心の交通体系を構築するため、交通需要マネジメントの考え方の導入、ITSや高齢者・障害者にも配慮したLRT、コミュニティバスの整備、カーシェアリング等の導入を図ります。
注)ITS(Intelligent Transport System) 自動車などに渋滞や交通規制の情報を提供したり、安全運転の支援を行う次世代交通システム

LRT
  高齢者に配慮した低床化を行うなど、総合的な交通システムとして整備された高性能の路面電車

コミュニティバス
  一定の地域内を地域住民の足として車両や運行形態、運賃を工夫し、利便性を高めたバス

カーシェアリング
  個人ではなく共同で自動車を所有し必要に応じて使用することにより自動車所有の費用を節約し不要不急の交通量を抑制するシステム
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V 新都構成の基本的考え方

1.機能配置の方針

 国会等移転審議会の答申では、地形、土地利用状、現存又は計画中の交通施設等に配慮しつつ、一団の開発適地としての条件を有する土地として、6つの検討地域が示されました。

 本構想では、検討地域の抽出基準は普遍性のある内容と考えられることから、これら6つの検討地域を対象とし、「クラスター方式を採用したコンパクトな都市づくリ」を実現するために、新都の機能や地域特性等を勘案しながらそれぞれの検討地域に機能を分散配置します

2.導入機能の設定

 三重・畿央新都に導入する機能は、首都機能の中枢を担う「首都中枢機能」とそれを支援する「首都支援機能」の2つに大別します。それぞれの内容は、下表に示したとおりです。

三重・畿央新都の機能 一体となって新都の 機能を担う 既存施設・周辺施設
首都中枢
機能
立法関係機能 国立国会図書館関西館
行政関係機能  
司法関係機能  
外交関係機能 京都迎賓館 国立京都国際会議場
首都支援
機能
新しい政治行政機能 首都機能を支える
民間市民セクター機能
周辺都市
情報機能 周辺都市
文化交流機能 国立博物館 (京都、奈良)
日本の進路を創造する機能 新世紀に適合したライ フスタイルの創造・発 信により国際貢献を果 たす機能  
産業に関わる伝統・技 術を継承・創造し国際 貢献を果たす機能 周辺に位置する大学 等関西文化学術研究 都市
その他の 支援機能 サービス機能  
住居機能  

3.立法関係機能の立地選定

●立法関係機能
 国権の最高機関であり、わが国唯一の立法機関である国会を中心とした立法関係機能は、以下に示す要件をすべて満たすことから、「畿央2」(下図参照)に配置することを想定します。

  • 大規模で、形状に優れた土地の取得が容易であること。
  • 東京や全国からのアクセス時間が改善できること。
  • 関西圏と中京圏の高次都市機能等を効果的に連携・活用できる交通条件の整った位 置にあること。
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(平成12年10月現在における構想として三重・畿央地域首都機能移転連絡会議がとりまとめたパンフレットより文章を主に抜粋したものです。)


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