2003年11月

11月15日(土)番犬敬白

中井英夫没後十年虚無への供物

 本日開幕いたしますが、

 ──その人々に

 とのみ記して紹介に代えさせていただきます。詳細は関係各位に大目に見ていただけるものと盲信して掲載いたしました「ミステリー文学資料館ニュース」第8号でご覧いただきたく存じます。

中井英夫没後十年『虚無への供物』展
 会期11月15日−2004年1月31日
 会場ミステリー文学資料館


2003年10月

10月2日(木)番犬敬白

江戸川乱歩の世界

 大乱歩の百九回目のお誕生日にあたる10月21日、豪華講師陣による連続講座「江戸川乱歩の世界」が、なじかは知らねど東京都江東区でスタートいたします。「江戸川乱歩の人となりや彼の作品世界を、様々な角度から検証していきます」(リーフレットより)とのことでございます。

江戸川乱歩の世界
 日時10月21日−2004年1月13日/隔週火曜全六回
 会場江東区森下文化センター
 主催江東区地域振興会、江東区森下文化センター
 料金五〇〇〇円
 内容第一回/10月21日「江戸川乱歩の生涯」 山前譲
    第二回/11月4日「江戸川乱歩と東京」松山巌
    第三回/11月18日「探偵小説の創始者として」山前譲
    第四回/12月2日「少年探偵団の世界−1」戸川安宣
    第五回/12月16日「少年探偵団の世界−2」堀江あき子
    第六回/1月13日「祖父・江戸川乱歩の思い出」平井憲太郎

江戸川乱歩の世界 

リーフレット 




10月1日(水)番犬敬白

第一回みそ煮込み南湖

 上方講談界の赤星憲広と異名を取る探偵講談の若き雄、旭堂南湖先生の名古屋公演が決定いたしました。二度と機会はないかもしれません。お近くの方は万障くりあわせてお運びくださいますよう、よろしくお願い申しあげます。

第一回『みそ煮込み南湖』〜上方講談ニューウェーブ〜
 大阪舞台芸術新人賞受賞記念名古屋公演
 日時11月16日(日)午後2時開演(午後1時30分開場)
 会場お食事処「」(地下鉄中村日赤駅・中村区役所駅徒歩10分)
 料金インターネット特別前売二二〇〇円/当日二五〇〇円
 演目旭堂南湖「探偵講談・魔術師」(原作・江戸川乱歩)
        「古典講談・太閤記より長短槍試合」
    水谷ミミ「真柄のお秀」
    旭堂南湖・芦辺拓「対談・大阪あれこれ」
 予約お名前とチケット枚数を明記のうえ「11/16」というタイトルの
    メールにて旭堂南湖先生へお申し込みください
大宴会終演後午後4時45分ごろから予算五〇〇〇円程度で開催されます
    参加ご希望の方はメールに「大宴会参加希望」と書いてお申し込みください
    締切は11月10日となっております

正直南湖 


2003年9月

9月30日(火)番犬敬白

徳島県読書振興大会

 「検証・戦後出版界──大衆文学と子どもの本」をテーマとした平成15年度徳島県読書振興大会のお知らせでございます。メイン行事の講演会は豪華二本立て、「六十年近く最前線で奮闘する二人の出版人が今その半生を語る。全読書人注目の講演会」(リーフレットより)となっております。

徳島県読書振興大会講演会
  日時10月16日(木)午後1時−3時50分
  会場北島町立図書館・創世ホール
     徳島県板野郡北島町(北島町役場隣)
     電話088・698・1100
  主催徳島県読書振興協議会、北島町教育委員会、北島町立図書館・創世ホール
 入場料無料
 講演1日本文芸の大転換期──戦後というとてつもない時代
     原田裕(出版芸術社社長)
 講演2ポプラ社経営五十七年
     田中治男(ポプラ社会長)

リーフレットA面 

リーフレットB面 




9月13日(土)番犬敬白

戸田勝久展

 名張市立図書館の江戸川乱歩リファレンスブックを美麗このうえない装幀で飾ってくださっている神戸市在住の画家、戸田勝久さんの個展が本日京都で開幕いたします。サブタイトルは「宮沢賢治『風の又三郎』より」。爽涼の季にふさわしい絵画展かと存じます。

戸田勝久展──9月の風と透明な魂
 日程9月13日(土)−22日(月)/会期中無休
 会場蔵丘洞画廊(本能寺文化会館一階)
    京都市中京区御池通河原町西入ル(地下鉄東西線市役所前駅)
 時間午前10時30分−午後6時30分

戸田勝久展案内 

蔵丘洞画廊 


2003年6月

6月21日(土)番犬敬白

乱歩が蒐めた書物展

 東京古書会館落成記念イベントのひとつとして、展示会「乱歩が蒐めた書物展」が開催されます。乱歩がコレクションした書物の数々から、「乱歩と明治文献」「乱歩と周辺の作家たち」のふたつのテーマで約百八十点を展示する催し。乱歩ファンならびに古書マニアのみなさまは、どうぞお見逃しのございませんように。こんなことばかり申しておりますが。

乱歩が蒐めた書物展──江戸川乱歩蔵書より
 日程7月13日(日)−7月19日(土)
 会場東京古書会館 地下一階
 主催東京都古書籍商業協同組合
 入場料無料

古本拡張計画▼乱歩が蒐めた書物展 

 7月11日には「詠み聞かせ『怪人二十面相』」なるライブも催されるそうでございますが、一般の入場は不可となっております。

古本拡張計画▼詠み聞かせ「怪人二十面相」 




6月20日(金)番犬敬白

人形芝居押絵と旅する男前売り開始

 辻村寿三郎先生の脚本、演出、人形遣いによります「押絵と旅する男」公演、いよいよ前売り券の発売が開始されました。チケットは電話予約可、実費負担すれば郵送も可、とのことでございます。としま・コミュニティ・チケットセンターは、土・日も休まず午後8時まで。どちらさまもお見逃しございませんように。

江戸川乱歩原作「押絵と旅する男」──池袋演劇祭15周年記念特別公演
 日時9月6日(土)・7日(日)/開演は午後2時と4時6時30分
 会場東京芸術劇場/小ホール1
 入場料前売り3800円、当日4000円(全席指定)
 出演辻村寿三郎、阿部寿美子、三遊亭円窓、林千枝、川崎員奥
 チケット取り扱いとしま・コミュニティ・チケットセンター
          豊島区東池袋1-20-10/豊島区民センター二階
          電話 03-3590-5321

豊島区コミュニティ振興公社芸術・文化事業案内 

 【2003年8月21日追記】
 開演時間は午後2時ならびに6時30分となっております。当初の予定が変更されたもののようです。どうもご迷惑をおかけいたしました。


2003年5月

5月29日(木)番犬敬白 

寿三郎 乱歩に挑む

 人形師の辻村寿三郎先生が乱歩の「押絵と旅する男」を人形芝居で上演なさいます、との記事が5月25日付「日本経済新聞」に掲載されました、とのお知らせをやよい様から頂戴いたしました。田村雅弘記者のご執筆による記事をかいつまんでご紹介申しあげる次第でございます。
 なにしろ人形芝居、八百屋お七の人形が登場するのは当然でございますが、「人形だけでは乱歩の半分も表現できない」とのお考えから、押絵になった男の弟と原作には出てこない老婆という生身の人間を出演させるのが寿三郎先生のご発明。ほかにも、美術や照明で会場全体を竜宮城の内部と錯覚させる仕掛けや、流行歌からクラシック、シャンソン、物売りの声までさまざまな効果音、さらには押絵のなかでお七の放った火が現実にまで燃え広がり、覗きからくりの小屋を焼き尽くしてしまう展開など、妙案奇手を駆使しながら原作を大胆に書き替えて、寿三郎先生独自の幻惑的世界がくりひろげられるとのことでございます。
 寿三郎先生が十三年ぶりに脚本から演出、人形遣いまでを一人で手がけられます「押絵と旅する男」、東京は池袋の東京芸術劇場で9月6、7両日の公演となっております。今秋七十歳をお迎えになる寿三郎先生は、「押絵とは誰もが持っている、かなえたい夢を象徴したもの」「乱歩は夢に入る決心があるかどうか、人々に問いかけているようにも思える」と述べていらっしゃいます。どうぞお見逃しありませんように。

辻村寿三郎公式ホームページ 




5月2日(金)番犬敬白 

「『新青年趣味第10号

 海野十三先生を特集した第9号からほぼ一年。『新青年』研究会の会誌「『新青年』趣味」第10号が発行されました。特集は「医学と探偵/横溝正史」の二本立て。B5判、170ページに論考、インタビュー、レポートなどをてんこ盛りした充実の一冊となっております。
 江戸川乱歩先生の関連では、山下真司様の「『孤島の鬼』論」をはじめ、ユアサ シェルティ リリー様(わおお〜〜ん)の弥生美術館参観記と末永昭二様の探偵講談見聞録をお読みいただけます。阿部崇様の編によります資料「『マイクロフォン』インデックス」にも乱歩先生の名前が登場いたしますが、主人は「こーりゃまいった。乱歩の名から知らず視線がそれてゆく」と訳のわからないことを申しております。
 頒価一〇〇〇円、送料三〇〇円。購入方法などの詳細は『新青年』研究会のオフィシャルサイトでご覧ください。

「『新青年』趣味」第10号 

『新青年』研究会 Official Home Page 


2003年4月

4月20日(日)番犬敬白 

海野十三忌2003

 ごめんくださりませ。番犬でござりやす。人外のお庄屋さんのところへ、もどってまいりました。なにぶん可愛がってやってつかあさい。
 横溝正史先生のご生誕百年は去年のことであったと申しますのに、何の因果でこのようなご挨拶を申しあげねばならぬのでしょうか。浦島太郎さんにでもなったような心許なさを覚える次第でございますが、みなさまには十か月余にわたるご無沙汰の儀、平にご容赦いただきますようお願いを申しあげまして、さっそく本日のご案内でございます。
 …………徳島が生んだ日本SFの父・海野十三は、一九四九年五月十七日に五十一歳で亡くなりました。海野十三の会は彼の業績を偲び五月に追悼イベントを催しています。今年は話題沸騰の探偵講談です !! …………
 とのメッセージを添えて、阿波の鳴門の向こうから今年も海野十三忌のお知らせを頂戴いたしました。お近くの方もご遠方の方も、お誘い合わせてなにぶん徳島へ足を運んでやってつかあさい。

旭堂南湖探偵講談◎海野十三一代記、蝿男
 日時5月11日(日)午後1時30分開場/2時開演
 会場徳島県立文学書道館 一階ギャラリー
    徳島市中前川町2-22-1 TEL.088-625-7485
 入場料100円(資料代)
 演目旭堂南湖「新作講談 海野十三一代記」(作・芦辺拓)
    旭堂南湖「探偵講談 蝿男」(原作・海野十三)
    旭堂南湖×芦辺拓「海野十三と探偵講談」(特別対談)
 主催海野十三の会
 共催徳島県立文学書道館
 特別協力小松島語り部協会・御伽衆
 後援『新青年』研究会、名張人外境

リーフレットA面 

リーフレットB面 

徳島県立文学書道館 

 【2003年4月21日追記】
 徳島県立文学書道館には海野十三コーナーが常設され、江戸川乱歩先生直筆の「海野十三葬儀に際しての弔辞」が展示されております。海野十三先生のコーナーは観覧料300円。書道館においでの方はぜひぜひご覧いただきますように。