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2003年11月
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●11月1日(土) 11月になりました。月が変わってもやってることには変わりがありません。例の掲示板はこんな感じになっております。
いまから追加することが可能なのであれば、「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業のプランのひとつとして「伊賀モンキーセンター」の開設を提案したいところなのですが。きゃっきゃっきゃ。 |
●11月2日(日)
アーイアイ、アーイアイ、おッさーるさーんだよーッ、と口ずさむことの多いきのうきょうですが、お猿さんのお相手もほんとにあほらしくなってまいりました。例の掲示板、本日のところはこんな具合になってるわけですが。
ちなみに講師料は交通費込み一万円であると承っております。みなさんじつはあんまり太っ腹じゃないのかもしれません。 |
●11月4日(火)
乱歩の関連ページ三点をリンク集「うつし世リンク」に追加したのですが、ついでにチェックしてみるとアドレスの変更されたサイトが結構多かったので少々びっくりいたしました。検索しても見つからぬゆえ閉鎖されたかと思われるサイトもあるのですが、記録に残す意味でリンク先不明のままサイト名を掲載しておくことにしました次第。 うたた感慨に堪えません。 |
●11月5日(水)
思い起こせば10月24日、「仔細はまたあした、というきのうのお約束は簡単に反故にして」と予定の航路をあっさり外れてそれ以来、あっというまに十日あまりが経過してしまいました。お約束は反故のままとなっております。 何の仔細がまたあしただったのかと申しますと、前日に「名張市が乱歩のことに税金を一円もつかわない日の到来が、徐々に近づいてきたように思われます。仔細はまたあした」と記しましたその仔細です。 とにかく税金の無駄づかいはいけません。 私はこの十日あまり、二〇〇四伊賀びと委員会のオフィシャルサイトで「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業の問題点をあれこれ指摘し、迷える子羊のごとき委員会各位に正しい道を指し示してさしあげることを重ねてきた次第ですが、これは本年6月以来しつこくつづけている「じゃーん。しょうもないことに税金つかうのはやめましょうキャンペーン」の一環にほかなりません。 わかっておるのかおまえたち。これこれ。これそこなお猿さんのようにも見えるストレイシープたちよ。
そしてこのキャンペーンが終わったら(いつ終わるのでしょうか。12月末に開催される事業推進委員会にお邪魔し、委員会の会長でいらっしゃる野呂昭彦知事を思いきり難詰面罵して終わりということになるのでしょうか。私にもさっぱりわからんわけですが)いよいよ、「じゃーん。名張市は乱歩から手を引けキャンペーン」が華々しくスタートすることになるのですが、じつはこのキャンペーン、当初は名張市教育委員会の教育長に文書を提出することから始めるつもりでおりました。 ちなみに教育長というのは、「教育委員会事務局の長。都道府県および政令指定都市については文部大臣の、市町村については都道府県教育委員会の承認を得て各教育委員会が任命する」(goo 辞書/大辞林第二版)てなもんであって、かく申す私は名張市教育委員会の雇われカリスマですから、まず教育長に狙いを定めてキャンペーンの幕を開けようと考えていた次第です。 ところが思いがけず10月22日、名張市立図書館長の肝煎りで「江戸川乱歩著書目録発刊慰労会」を開催していただき、市長、教育委員長、教育長をはじめとしたお歴々から拝眉の機を頂戴しましたので、いささか唐突ではあったのですが、その席で名張市立図書館江戸川乱歩コーナーの閉鎖構想をはじめとした愚見をつらつらつらつら申し述べ、「じゃーん。名張市は乱歩から手を引けキャンペーン」をいきなりおっ始めてしまう仕儀となりました。 さてその首尾はと申しますと、23日付伝言にも記しましたとおり、愚見に対して「一応みなさんの同意をいただけたように思います。と申しますか、一度みんなで検討してみましょうとのお答えをいただいた次第なのですが、私としてはこれで了解をいただけたなという感触です」といった塩梅。 さてこのあと、「じゃーん。名張市は乱歩から手を引けキャンペーン」はいったいどういった展開を見せることでしょうか。好評実施中の「じゃーん。しょうもないことに税金つかうのはやめましょうキャンペーン」もよろしくね。 |
●11月6日(木)
したがいましてこの「じゃーん。名張市は乱歩から手を引けキャンペーン」、当初予定していた教育長への文書の提出という手順が必要なくなりまして、清風亭で催していただいた慰労会の席上、直接口頭で愚見を具申することができました。私が申しあげたのは10月15日から16日にかけての伝言に記したようなことでしたが、とくに強調したのは「いまならすんなり手が引けます」という点でした。 えー本日はお忙しいなか、また日本シリーズ第三戦が非常に気にかかりますなか、わざわざお集まりいただきまして、慰労会を開いていただきまして、大変ありがたいことだと思っております。しかし私なんかまあ毎晩慰労会やってるようなもんでして、いやほんまもう毎晩べろべろでして、ですからきょうは私の慰労というよりもせっかくの機会ですから、名張市がこれから乱歩のことをどうしていけばいいのかみたいなことを話題にしていただきたいなということで、それであの少し私のほうからお話しいたしますと、あそこに三冊並んでる江戸川乱歩リファレンスブックですけど、あれは何かと申しますと、私まあ図書館が乱歩に関して何をしたらええのかようわかりませんゆうようなことで、それやったらこういうことをしなさいゆうことで、あの本、目録なんですけど、書誌を三冊つくりまして、ほかにもまだまだ手つかずのとこはあるんですけど、まあ最低限あの三冊、あの本の方向で乱歩のことやっていったら、名張市立図書館はええんです。全国の乱歩の読者とか研究者に喜んでもらえますし、喜んでもらえるゆうか重宝してもらえますし、市民にも誇りをもってもらえる図書館になるんです。これはもう間違いのないとこなんです。ですから私も一応のお役目はなんとか果たせまして、一応これでお役ご免みたいなことでして、あとは図書館が自分でちゃんとやっていくと、これで絶対間違いないゆう方向がですね、あの三冊で示されてるわけですから、図書館が何をしたらええのかわかってもらえたわけですから、あとはこの線で十年二十年三十年、ずーっとやっていってもろたらええわけです。あ。お姉さんすまんな。 このお姉さんというのは清風亭の仲居さんで、お酌をしてくれましたので軽くお礼を申しあげました。 それからついでにゆうときますとですね、きょうびのことですからやっぱりこの名張の図書館が乱歩に関するデータをですね、インターネットで広く提供するゆうようなこともしていかなあかんわけです。それでまあちょっと前のことですけど、図書館がホームページ開いて乱歩のデータを載せていくべきやと、その予算を要求したんですけどそのときはあっさり蹴られまして、それやったら自分でやらなしゃあないなゆうことで、私ホームページつくりまして、まあやってるんですけど、やっぱりあれだけの書誌をつくった図書館がインターネット全然ですねんゆうのはですね、つまり名張の図書館がホームページ開設しましたゆうたら、やっぱり乱歩のデータベースがあるのやろなと、いろいろ乱歩のことが検索できるのやろなと、そう思う人もいるわけですから、やっぱりやっていかなあきませんねん。きょうなんか国立国会図書館から連絡ありまして、いま国立国会図書館がいろいろなデータベースのリンク集みたいなんつくってるんですけど、そこに私のホームページのデータを登録してくれたゆうことなんですけど、こんなんやっぱり個人やのうて名張の図書館のホームページに乱歩のデータベースがあると、そやないとちょっとおかしいわけです。 このまま言文一致でたらたら進めていいものかどうか、いささか心配になってきた次第ですが、とりあえずつづきはあしたということで。 |
●11月7日(金)
それで図書館が乱歩のことやっていくために何が必要かゆうたら、これは誰が考えても答えは一緒や思いますけど、まず専門職員を養成することなんです。乱歩のことをちゃんとわかってる人間がおらんことには話になりません。けどそんなことできますか。できませんやろ。日本のお役所ゆうのはとにかく職員の専門性を抑圧してしまうとこですから、図書館が乱歩の専門職員養成するゆうたかてそんなん最初から無理やと、できない相談やと、それはもう明らかなことなんです。けどそれをせなあかんわけです。していかなあかんわけです。なんでかゆうたらあの本三冊つくりましたからね。あれはきょうびの言葉でゆうたらマニフェストみたいなもんでして、あの本出したことで名張市立図書館はこれから十年二十年三十年、こないな感じで乱歩のデータベースつくって広く提供するサービスをつづけてまいりますゆうて公約したことになりますからね。 手法としては久生十蘭の「姦」あたりを狙っているのですが、仕上がりとしては松竹新喜劇でしょうか。まあもう少しつづけましょう。 せやからつまり、図書館がやっていかなあかんことははっきりしてるわけですけど、それが無理やゆうこともはっきりしてまして、これはちょっと困ったことなんですけど、ただ、いまやったら図書館は乱歩のことから普通に手を引けるんです。これはもうチャンスです。手前どもには能力がございませんのでみたいなこといちいち公表することもいりません。普通に手ェ引けますねんいまやったら。つまり立教大学が乱歩の遺産を継承したわけですから、名張の図書館がやってきたことはこれからは立教大学がやるべきことなんです。たとえばあの乱歩の著書目録にしたかてですね、立教大学は乱歩の著書もすべて遺族から譲渡を受けてるわけですから、それを目録にして公開する、乱歩の遺産をデータ化して社会還元するゆうよなことは当然考えていかなあかんわけです。それが遺産継承者の責務なんです。 お酒の席の話です。このあたりになると厳密な言文一致になり得ているのかどうか、じつは少々怪しくなっているようだということを告白しておかなければなりませんが、主旨は間違いなくこのとおりであったと附記しておく次第です。 せやから名張市立図書館としてはですね、乱歩に関してこれまで微力を尽くしてまいりましたが、今後はそちらにお任せいたしますゆうて、なにとぞよろしくお願いいたしますゆうて、立教大学へ行って挨拶してくるだけでよろしねん。どーんと丸投げしたらよろしねん。一般の乱歩ファンにしたかてですよ、これはやっぱり地方図書館よりは大学のほうを信用しますからね。図書館は貸本屋さんですけど大学ゆうたら研究機関なんですから、図書館から大学に丸投げするのはむしろ当たり前のことです。恥ずかしいことも何もありません。ただ立教側にしても、名張の図書館がやってきたことといいますか、これは私がホームページでやってるようなことも含めてですけども、乱歩に関する業務、いや業務ゆうたらおかしいですけど、けどまあ業務ですね、たとえば乱歩の関連文献を集めて閲覧できるようにするとか、それをホームページで公開するとか、そうゆうことを実際にどうしていくのか、具体的な線はまだ出てないんやないかと思います。それやったらそれで、ゆうてもこっちは乱歩に関しては立教の先輩にあたるわけですから、これこれこんなことしたらどうですかゆうていろいろアドバイスをしていったらええんです。 なかなか終わりになりません。なにしろ酔っ払いの繰り言です。あしたもおつきあいいただきましょうか。 |
●11月8日(土)
これは地の文です。 結局のところ、私としてはまあどっちでもいいんです。 名張市立図書館であろうと立教大学であろうと、乱歩の著作や関連文献を集め、それをデータベースとして公開してゆく機関が日本にひとつあってくれればそれでいいと。 ただしそれならば、ろくに人材も見当たらぬ名張あたりの公立図書館が手がけるよりは、乱歩の遺産を継承したという正統性から考えても、これはやはり立教大学にやっていただかなければならぬことであろうなと愚考しております。 そうなれば、少なくとも名張市立図書館は完全に乱歩から手を引くことが可能です。乱歩に関して一円の税金もつかわなくて済むようになります。 名張市はほんとにお金がないらしく、先日など来年度から水道料金を平均一九・三七%も値上げするという方針が公表されておりました。水道料値上げは二十一年ぶりとのことで、よほど台所事情が苦しいのだろうと推測されます。 名張市がいま乱歩から手を引くということは、黙っていても全国に通用する名張市最強のカードを手放してしまうということであり、じつはそこまで徹底して税金の使途を見直さなければならぬ時期にさしかかっているのだということを、平然と税金の無駄づかいに勤しんでいらっしゃる名張市役所のみなさんに一度実感していただいたほうがいいのではないかと私は思っている次第です。 いや無理か。 甘いか。 私にはどうも阿呆を見切るに際してやや甘いところがあるようで、こいつらこっちが思っていた以上にあほではないか、みたいな驚きを少なからず経験してきているのですが、その経験に立って判断いたしますならば、乱歩に関する名張市の予算をいったん全部切ってみたところで、ひらひらと糠に釘、ふらふらと豆腐にかすがい、へらへらと暖簾に腕押し、要するに馬の耳に念仏換言すれば蛙の面に小便ってことに落ち着くしかないのかもしれません。 以上、地の文でした。 せやからとにかくいっぺん立教大学にお邪魔せなあきませんねん。こっちから足を運んで向こうの意向ゆうもんをお聞きしてみんことには、名張でいくらああでもないこうでもないゆうてゆうてたかて話はいっこも進みません。あ。お姉さんお銚子からっぽ。 |
●11月9日(日)
昨8日、名張市が日本推理作家協会の協力を得て主催するミステリ講演会「なぞがたりなばり」が開催されました。講師は高村薫さん。きょうの中日新聞に掲載された伊東浩一記者の記事から、講演要旨を引用します。
いろいろ異論がおありの方もいらっしゃるかもしれませんが、私はと申しますとほぼ同時刻、上野市内の会場で二〇〇四伊賀びと委員会が主催する伊賀学講座の講師を務めておりました。内容その他に関しては久しぶりで例の掲示板に投稿いたしましたので、それを転載しておきます。
わざわざ東大阪市から近鉄電車を乗り継いで足を運んでくださった方もあり、私はおおきに恐縮いたしました。じつにこっ恥ずかしい話です。 |
●11月10日(月)
終わってみれば勝者なき戦いであったといったようなところでしょうか。きのうの総選挙の話です。 伊賀地域が含まれる小選挙区三重県一区では、 乱歩の恩人川崎克の孫に当たる川崎二郎先生(自民)が当選を果たされ、次点にとどまった慶應義塾大学推理小説同好会OB会メンバー中井洽先生(民主)も比例区で当選なさいました。伊賀地域選出のお二人が揃って再選を果たされたのはおめでたいかぎりです。
ゆうべのテレビで選挙速報を見ていたからというわけでもないのですが、私もひとつ立候補してみようかなと、ふらふらそんな気になってしまいましたので、例の掲示板でさっそく立候補を宣言してきた次第です。
清き一票をお願いしたいところなのですが、いったい誰にお願いすればいいのやら。 |
●11月11日(火)
きょうもきょうとて例の掲示板にお邪魔してきた次第です。ちょっとした選挙運動ですか。
さ。選挙だ選挙だ。現職になんか負けてられるかってんだ。 |
●11月12日(水)
11月も中旬に入り、例の掲示板では選挙戦もいまやたけなわ。投票日がいつなんだかよくわからないのがつらいところですが、細かいことは気にせずばんばんかましたいと思っております。
しかしほんとはこんなことやってる暇はないみたいなのですが。 |
●11月13日(木)
おかげさまで『江戸川乱歩著書目録』、つくり直した函に入ったのが名張市立図書館に到着しているそうです。 そうですってのも無責任な話ですが、このところ図書館に顔を出すいとまがありませんので、いまだ現物は確認できていない状態です。 いやこんなことではいかんぞ実際とは思いつつ、例の掲示板はこんな次第になっております。
どうして私がこんな低能の相手をしなければならぬのか、なにゆえ神はこれほどの試練を次から次へ私にお与えになるのか、と恨みがましい気分に陥ってしまいますが、単にいろいろな意味で罰が当たっているだけの話なのかもしれません。 ともあれお仕事お仕事。 |
●11月14日(金)
三重県議会事務局議事課からのメールで中川正美県議会議長の回答を頂戴いたしましたので、同課宛メールで中川さんへの再質問をお送りいたしました。
一部始終をお目にかけます。
つづきましては例の掲示板。きょうのところはこんなんどっせ。
はいおしまい。 |
●11月15日(土)
11月も15日を迎えました。
東京では中井英夫没後十年「虚無への供物」展が開幕いたします。「番犬情報」をご覧ください。 伊賀地域は相変わらずで、例の掲示板は本日かようなことになっとりますばい。
それではまたあしたー。 |
●11月16日(日)
中井英夫没後十年「虚無への供物」展が開幕した翌日にこんなこと記すのもどうかと思いますが、前回配本までは当地の新刊書店にも身を隠すような印象で、それでも文庫本二冊分ほどの幅を取って並んでいた創元ライブラリの中井英夫全集、最新刊の『月蝕領崩壊』はとうとうどこの本屋さんでも発見できませんでした。いかんなこれは。まあそんなもんか、とも思いますが。 本屋さんで目についたものといえば、光文社文庫の江戸川乱歩全集『幻影城』と甦る推理雑誌『「別冊宝石」傑作選』、洋泉社のムック『ミステリー迷宮読本』、それから角川書店の雑誌「野性時代」の新創刊号というのが出ていて、「対決! 盤上の乱歩」という座談会が掲載されていたのでふらふら買ってしまいました。北村薫さんがホスト役を務め、乱歩と宇陀児の棋譜をネタにしてお話が進んでいます。興味のある方は立ち読みしてみてください。 本日はまあこういったところで。 |
●11月17日(月)
本日もごく短めで失礼いたします。「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき事業紹介【001】江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集刊行事業」はちょこっと更新いたしました。ご支援ご協力をお願い申しあげます。 |
●11月18日(火)
おやびんコイヘルペスってしってっかー。 んなことくれーしってらばーか。 あのヘルペスはがいこくからにほんへスパイがもちこんだんだじょー。 なんでんなことがわかんだばーか。 おはよーヘルペスくん、だじょー。 本日は小咄だけで失礼いたします。キャラクターの片割れがハタ坊化してしまう懸念も出てきたわけですが。 |
●11月19日(水)
いやどうもきょうは小咄かましてる時間もありません。早々に失礼いたします。 |
●11月20日(木)
毎日適当なこと書き散らかしてると、たまに冷や汗をかく仕儀となります。 五か月ほど前、「男色」という言葉の読みに関して岩田準一の関係者の方からご連絡をいただいたときも驚きましたが、きのうは中井英夫の関係者の方からお電話を頂戴してしまいました。 16日付伝言の「創元ライブラリの中井英夫全集、最新刊の『月蝕領崩壊』はとうとうどこの本屋さんでも発見できませんでした」というくだりをお読みいただいたそうで、『月蝕領崩壊』を送ってやるからとのありがたいお言葉をたまわったのですが、いやもう本屋さんに注文してありますからご放念ください、今回は結構ですから今度また何かいいものください、とお願いを申しあげました。いったい何をいただけるのでしょうか。 それから昨日、藤田知浩さんの編による『外地探偵小説集 満洲篇』(2003年11月10日第一刷、せらび書房、本体二四〇〇円)をご恵投たまわりました。取り急ぎこの伝言板でお知らせする次第ですが、帯には「忘れられた外地を舞台にした、忘れられた日本の探偵小説を集めるシリーズ」と記され、次巻は上海篇とのこと。21世紀初頭という新たなナショナリズムの時代にこそ編まれるべきシリーズ、などというのは不粋に過ぎる評言ですが、本邦探偵小説史のあまり知られていなかった側面を窺うことのできる、と申しますか、はっきりいえば乱歩の手になる本邦探偵小説史「探偵小説四十年」からごっそり抜け落ちていた領域を補完してくれる好企画だと申しあげておきましょう。中身にはこれから眼を通すわけですが。 そういえば一足早く、論創社という聞いたこともなかった出版社から論創ミステリ叢書というシリーズの配本も始まりました。出版界の片隅で探偵小説をめぐる地殻変動のようなものが起きているのかなとうっかり思ってしまいそうですが、ともあれ双方とも、その門出を祝福し前途におおいに期待したいシリーズ。ご祝儀の意味もこめてどうぞお買い求めください。 |
●11月21日(金)
うっかり寝過ごしてしまいましたのでこれで失礼いたしますが、この伝言板では中井英夫の話題はなぜかしら二日つづいてしまうものらしく、「人形+写真」作家の石塚公昭さんからお知らせいただいた中井英夫ギャラリーをちょこっとご紹介申しあげておく次第です。 |
●11月22日(土)
けさは久しぶりに例の掲示板で莫迦をからかってまいりました。
それにしても寒くなってきました。当地では莫迦は風邪を引かぬなどと伝えられておりますが、二〇〇四伊賀びと委員会のみなさんはお元気でいらっしゃるんでしょうか。 |
●11月23日(日)
ここはイラクかとさえ疑われる例の掲示板、本日も下記のとおり連続爆撃してまいりました。
山下二等兵、報告終わります。 |
●11月24日(月)
山下二等兵(ところであなたは山下敬太郎をご存じでしょうか。柳家金語楼をご存じでしょうか)、本日も例の掲示板において下記のごとき戦果を挙げてまいりました。
もしもし知事よ知事さんよ。のろのろしてんじゃありません。 |
●11月25日(火)
きーたーかぜふきぬくー、さむいーあさもー、例の掲示板でばっこんばっこんやってる私です。
相も変わらぬばっこんばっこんなわけですが、この「じゃーん。しょうもないことに税金つかうのはやめましょうキャンペーン」につづいてはいよいよ「じゃーん。名張市は乱歩から手を引けキャンペーン」が始まります。名張市民のみなさん、どうぞご期待ください。 |
●11月26日(水)
例の掲示板に市町村合併の話題を投稿しようと思って舞文曲筆えっさっさに及んだのですが、合併問題はあの掲示板には無関係か、いや本当は関係があるのだが、あそこで合併をネタに地域住民をいいようにおちょくってやったらまた管理担当者の気苦労が増えるか、と考えて投稿は差し控えました。 伊賀地区市町村合併協議会のオフィシャルサイトにある「ご意見紹介」のページを眺めてみますと、市町村合併によって発足する新しい市の名称をめぐり、伝統的にお互いの足を引っ張り合うことの大好きな伊賀地域住民がここへ来て壮絶なバトルをくりひろげていることが知られます。 こちらに「上野市民は怒っています。この怒りを無視して伊賀市を推し進めるならば市長のリコール運動が起こることでしょう。その気配が出ています。絶対白紙に戻すべきです」(2003.11.5)と憤懣やるかたなき人があるかと思えば、あちらには「伊賀は1つで伊賀市だと納得がいきますが、名張が住民投票の結果、7割の人民が反対をされ、その時点で伊賀は1つではないのです。上野市の人口が6万に対し、他は3万で常識的に考えても上野を中心に新市名を公募するなり、住民投票するべきです。市長は上野市民の代表でしょう。市民の怒りがわかりますか?」(2003.11.6)と怒髪天を衝いてる人がいるといった塩梅で、ああそうですか名張市民は「人民」ですか、などと幼稚な揚げ足取りも憚られる次第なのですが、これでは上野市民が嫌われるのも致し方のないところだなと妙に納得されぬでもなく、それにしてもリコールとはまた穏やかではありません。 ここはやっぱり私の出番か。伊賀を代表する知性が決然と火に油を注いでやらねば収まらぬか。しかし上野あたりの莫迦を相手にするのはそれこそ莫迦らしいことですし。 |
●11月27日(木)
たまには心を洗われるような話題を綴りましょうか。
春日の森にいや茂る 杉は心の鑑とて という校歌でおなじみの名張市立名張小学校の五年生たちが昨26日、名張市総合福祉センターふれあいで「名張フェアー」を催しました。 五年生の良い子たちから届いた案内状には「私たち名張小学校5年生は総合の時間に名張のいい所をいっぱい見つけて調べました。そこで学んだことや考えたことを町のみなさんに伝えたいと思い、『名張フェアー』を開くことにしました。名張のことがよーく分かるので、ぜひ見に来て下さいよっ!」と書かれていました。 先週のある日、私は同校の教頭先生から電話でご依頼をいただいて久しぶりに母校を訪れ、江戸川乱歩のことを調べている良い子たち七人のグループを相手に出張講師を務めました。場所はなぜか校長室で、壁には歴代校長の写真が掲出されていましたので、「あ。これは私が入学した当時の道浦先生。あ。この米谷先生のあだ名はムーミンパパ」とかなんとかご機嫌を伺い、放課後には良い子たちの一部を和菓子製造販売の山本松寿堂まで連れ出して、二銭銅貨煎餅をただでせしめるというゆすり同然の真似までしてしまいました。 その良い子たちの本番が、この「名張フェアー」という発表会です。最近の私と来た日には伊賀地域一円において中井英夫の最晩年もかくやとばかりどなたからも忌み嫌われ、来るな寄るな近づくな、しっしっしっ、と石もて追われているような明け暮れで、どこかへ招かれたり誘われたりといった心躍ることは久しく経験しておりませんので、良い子たちの案内状片手にスキップ気分で会場へ赴いた次第です。 会場には、校区内で調査したことが模造紙(なんか懐かしい言葉です)に大書して展示され、良い子たちによる説明のライブもあって、変声期前の男の子の声を聞いているうちにマイケル・ジャクソンみたいな怪しくも物狂おしい気分になってしまったことを告白しておきます。江戸川乱歩グループの展示スペースはこの盗撮写真でご覧いただけます。 乱歩のほかにも、名人職人、まちかど博物館、かたやき、名張まんじゅう、ひやわい、名張駅、秋祭り、稲森宗太郎、藤堂家など、いろいろなテーマの調査結果が展示されていました。 名張のまちを流れる城下川という水路を扱ったスペースでは、良い子たちが出題するクイズに挑戦してみました。情け容赦もなく全問正解をかましてやるつもりだったのですが、これ間違ってますと情け容赦のない指摘を受け、伊賀を代表する知性が小学生の前でとんだ赤っ恥をかいてしまいました。 クイズのあと、「名張川について知っていることを書いてください」とメモ用紙を手渡されましたので、少し考えてから次のように記しました。 名張川には昔、バキュームカーがうんことおしっこを流していた。18へぇ。 良い子たちは変質者を見るような目で私を見ていました。 心を洗われるような話題のあとは例の掲示板ですが、本日の投稿は次のとおりです。
どうかぼこぼこにされて帰ってくることだけはありませんように。 |
●11月28日(金)
本日は三重県伊賀県民局にお邪魔することになっておりますので、例の掲示板ではかようなご挨拶を申しあげました。
さ。手土産に名張饅頭でも買ってこようっと。 |
●11月29日(土)
昨日、上野市四十九町にある三重県伊賀県民局にお邪魔してまいりました。報告は例の掲示板に下記のとおり投稿いたしました。
きょうもちゃかぽこあしたもちゃかぽこ。 |
●11月30日(日)
莫迦なことばかりやってるあいだに11月もきょうでおしまいです。 本日は例の掲示板での嫌がらせも中止して(いくら嫌がらせをしたところで蛙の面に小便なわけではあるのですが)、静かにしていることにいたしましょう。 しかしもう師走か。中井英夫の命日が近づいてくるとなんとなく心が塞がれてしまう年来の習いも、もう十年近く重ねられたことになります。 まいったまいった。なんか知らんがとにかくまいった。 |
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