2008年2月上旬
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はやいもので、あたふたしているあいだに立春を迎えてしまいました。 もう三、四年ほども前のことになるでしょうか、恥ずかしながら自己破産した年がめでたく暮れようとしていたころのこと、例年のごとく年賀状の用意をしようとして、私はちょっとした気がかりをおぼえてしまいました。自己破産した人間が新年をことほいでいいものかどうか。年賀状を送ったりするのは先様への礼を失した行為になるのではないか。 それでその年、といいますかその年が明けた新年、それは酉年のお正月でしたが、そのお正月には年賀状を出さず、かわりに2月4日の立春を期して新年の挨拶状を発送いたしました。これはその後も習いとなって、先日もあるところでお会いした方から、そろそろ立春のはがきが届くころだな、と声をかけていただいたりしたのですが、きょうが立春だというのにまあ、なんか困ったことですけどまだできあがっておりません。印刷屋さんに発注した立春の挨拶状、立春だというのにまだ届いてまいりません。注文したのは2月1日のことですから、そんなに早く届くわけがありません。 今年は春のおとずれが多少遅いのかな、みたいな感じになっております。 挨拶状のかわりに届いたのがこれ、とかなり強引な展開でお知らせに突入いたしますが、『夜の演出』という少部数の出版物をお送りいただきました。「鮎川哲也未収録推理小説集」と銘打たれております。 喜国雅彦さんの表紙画に飾られたこの一冊は、在野のミステリマニア(ミステリマニアに在野とかそんなのは関係ないと思いますけど)でいらっしゃる須川毅さんの編集発行による個人出版。「これまで鮎川哲也名義の刊行本になぜか収録されなかった可哀想な作品」(巻末の「編者贅言」から引用)を限定二百部、百六十ページの本に集成したものです。 収録作品と初出を掲げておきましょう。
価格は千円(送料別)、2月1日に受付開始とのことで、詳細はこのアドレスへのメールで須川さんにお問い合わせください。 それでは本日はこのへんで。 |
めずらしく二日連続の更新となります。 きのうお知らせいたしました『夜の演出』、須川毅さんの編集発行による鮎川哲也の未収録推理小説集の件ですが、なにしろ二百部の少部数出版、圧倒的な人気を集めてすでに残部は僅少だそうです。僅少も僅少、あと十部ほどしか残ってないみたいですから、購入ご希望の方は弾よりも速くこのアドレスへのメールでお申し込みください。 次はウェブニュース。ニュースったって一か月ほど前のものですけど、新刊の紹介です。新刊ったって去年の11月に出た本ですけど、とにかく引用。
去年の11月に出た本ですが、なぜか当地の書店には回ってきませんでしたので、12月に足を運んだ京都の本屋さんで購入いたしました。で、「RAMPO Up-To-Date」に記載するのはきょうのこととなりました。遅ッ、遅すぎッ、とは思いますけどどうか大目に見てください。
厳密にいえば第二回だけは乱歩との関係が稀薄な内容となっているのですが、こまかいこといわないで一冊まるごと関連書籍として扱いました。嬉しいのはおまけのCD-ROM、乱歩の声や歌を聴くことができます。 さて、きょうもきょうとてとある親戚筋から、立春の挨拶状がまだ到着せんのだがちゃんと投函したのであろうな、と確認の電話が一本。いやまだ印刷が、といいわけ並べた次第ではあったのですが、さっき印刷屋さんが超高速で仕上げて届けてくれましたので、そろそろ発送作業に入れるものと思います。しかしそれにしても、去年まで差出人のところに書いてあった犬の名前が消えているのがなんだかなあ。 |
きのうから北村薫さんつながり。2004年に出た『ミステリ十二か月』が中公文庫になりました。帯には「ミステリを読み始めた若い読者のための道案内」とあります。
単行本でご購入の読者諸兄姉も少なからずおいでだろうと拝察いたしますが、「『少年探偵団』の不思議な別世界」から一段落。
さてところで、一か月近くも更新をサボっておまえはいったい何をしていたのか、とお思いの方もおありかもしれません。からだでも壊したのではないかと電話やメールをくださった方もあり、まことにかたじけなく思う次第です。とくにたいしたこともしていなかったのですが、しいていうならあれでしょうか、自分さがしの旅ってやつでしょうか。いやいや実際に旅行をしたわけではありませんけど、まあ自分さがしの旅であったということにしておいて、ところが自分なんてものはそう簡単に見つかるものではないようです。 つれづれなるままに YouTube を眺めてみても、自分なんてどこにも見つからなかったそのかわり、滝沢乃南ちゃんがなぜか、ほんとにこれはなぜかというしかないのですが、なぜか「残酷な天使のテーゼ」を歌っている動画を発見してしまい、自分は見つからなかったけどこれが見つかったんだからまあいいかと、できるだけ前向きに考えることにいたしました。 動画はこれ。興味のない方はあっさりスルーでお願いします。 きょうの本題は滝沢乃南ちゃんではむろんなく、YouTube に投稿されていたアニメ版「赤い部屋」です。たしかなことはもうひとつよくわからないのですが、1986年の4月から12月まで日本テレビで毎週金曜午後7時から7時30分まで放送されていた「青春アニメ全集」の一篇だと判断されます。ややくわしいことは Wikipedia の「青春アニメ全集」でどうぞ。 さっそくごらんいただきましょう。三分割で掲載されております。ストーリーは原作にかなり忠実なのですが、さすがに按摩さんは登場せず、おしまいのあたりで妙に説教くさくなってきたなと思っているうち、おやおやそういうことかいなという結末を迎えます。
この「青春アニメ全集」ではほかに「屋根裏の散歩者」と「心理試験」もアニメ化されていて、キャラクターデザインは三作品とも石ノ森章太郎が手がけたそうです。 さて、そろそろ立春の挨拶状に宛名を書き込まねばならんところなのですが、まああしたからでいいとして、きょうのところはお酒を飲むことにしてしまいます。自分さがしの旅が始まる。 |
YouTube の乱歩、本日はテレビのバラエティ番組でご機嫌をうかがいます。番組のなかではとくに乱歩作品と関連づけられてはいないのですが、球体の鏡のなかに入ったら何が見えるのか、というまるっきり「鏡地獄」な実験に挑んだ番組があったようです。検索して調べてみましたところ、2007年10月11日午後7時から8時54分まで日本テレビ系列で放送されたバラエティ特番「驚きの嵐!世紀の実験 学者も予測不可能 SP」の第三回がそれだったらしく、ややくわしいことは Wikipedia の「驚きの嵐!世紀の実験 学者も予測不可能 SP」でどうぞ。 「球体の鏡の中に入ったら人はどう映るのか?」という設問に対して、三人の学者の先生が実験に先がけて結果を予測します。ひとりは「拡大されて超巨大な姿が映る」、もうひとりは「光が反射しあって真っ白になる」、残るひとりは「どこを見ても自分の目が映る」と三者三様の答えが提示されたあと、いよいよ嵐の櫻井翔君が球体の鏡に閉じ込められます。 ところで、ついでに Wikipedia を検索して知ったのですが、櫻井翔君の翔という名前は、翔君のお母さんが柴田翔さんをお好きだったことから名づけられたとのことです。そうかそうか。翔君のお母さんはそういうお母さんだったのか。一度、三者懇談か何かでお目にかかりたいものである。とはいえ私は、少し前に文春文庫の『されどわれらが日々──』とか新潮文庫の『贈る言葉』とか、新装版が踵を接するようにして出てましたけど、なんか意地になって絶対に買ってやらなかったからなあ。 お次はウェブニュース。鳥羽みなとまち文学館の話題です。
鳥羽の市街地もなんだか大変みたいで、乱歩とは関係のない記事ですけど、きのうの朝日新聞からコラムを引いておきましょう。
いやー、名張の市街地のほうがもっともっと大変だぞ。 |
YouTube の乱歩、本日はインディペンデント系といいますか、脱力系といいますか、素人衆がビデオで撮影した人間椅子 vs 妖人ゴングの一騎打ち、テレビの特撮ものふうにアレンジされた作品が投稿されております。なんともくだらなくって笑えます。気持ちが悪くなったりするような内容ではありませんから、どうぞ安んじてごらんください。 無邪気に笑っていただきましたあとは、きょうもウェブニュースを一本。去年もお知らせしましたけれど、柳家喬太郎さんの新作落語の話題です。
さて、遅ればせながら宛名を書き終え、何か記念切手をと思って名張郵便局に行ってみたのだけれどそれしかなかった通常切手もようやく貼り終えたというのに、昼過ぎからの本格的な雪に降り籠められて外出もままならぬまま夕暮れを迎えてしまいました。立春の挨拶状、投函はあしたということになります。今年はほんとに春の訪れが遅いようです。 |
YouTube の乱歩、三連休でも休まずまいります。本日はよくこんなのが見つかったなと思われる掘り出しもの。1969年公開の東映映画「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の予告篇です。石井輝男監督をはじめとしたスタッフとキャストは日本映画データベースの「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」でご確認ください。 ただしこの予告篇、人によっては気味がわるいとか気色がわるいとか、不快感や嫌悪感を感じる場合があるだろうと思われます。どうかご注意ください。また、吉田輝雄さん扮する人見広介が「私はきちがいじゃない」「俺はきちがいじゃない」と狂おしく連呼しておりますので、いわゆる差別用語に敏感な方も要注意かもしれません。 つづきましては赤面ものといいますか、あるいは冷や汗ものといいますか、関係各位にお詫びを申しあげつつウェブニュース一本。1月5日からきょうまで、まさしくきょう2月10日まで徳島県立文学書道館で開かれていた「日本 SF の父・海野十三展」のニュースです。自分さがしの旅にかまけていたせいでこの企画展、お知らせするのをすっかり失念しておりました。いやもう赤面ものといいますか冷や汗ものといいますか。伊勢の名物赤福なみに平身低頭しております。
それでは本日はこのへんで。 |