【発行所】講談社　【刊行時期】昭和四十四年四月−四十五年六月
【巻数】十五巻　【判型】Ｂ６判　【外装】函　【定価】六九〇円
【装幀】伊藤憲治　【附録】江戸川乱歩全集月報（八頁）
【備考】当初は十二巻を予定、好評により三巻増巻

第一巻　屋根裏の散歩者
●昭和四十四年四月一日　四〇九頁　別丁六丁　挿絵：横尾忠則
内容	二銭銅貨／一枚の切符／恐ろしき錯誤／二癈人／双生児／Ｄ坂の殺人事件／心理試験／黒手組／赤い部屋／算盤が恋を語る話／日記帳／幽霊／盗難／白昼夢／指環／夢遊病者の死／屋根裏の散歩者／百面相役者／一人二役／火縄銃／闇に蠢く 　江戸川乱歩に捧げる：有馬頼義／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報1 　初対面の乱歩さん：横溝正史／茶目っ気もあった乱歩氏：川崎秀二／乱歩先生のこと：仁木悦子／巨大だった乱歩先生：佐々木久子

第二巻　パノラマ島奇談
●昭和四十四年五月十二日　四一三頁　別丁五丁　挿絵：古沢岩美
内容	人間椅子／疑惑／接吻／湖畔亭事件／踊る一寸法師／毒草／覆面の舞踏者／灰神楽／火星の運河／モノグラム／お勢登場／人でなしの恋／パノラマ島奇談／鏡地獄／一寸法師 　乱歩文学の本質──玩具愛好とユートピア：澁澤龍彦／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報2 　巨人の半面：山岡荘八／乱歩先生の思い出：高木彬光／乱歩旋風のころ：萱原宏一／「二銭銅貨」以来：戸塚文子

第三巻　孤島の鬼
●昭和四十四年六月十日　四三〇頁　別丁五丁　挿絵：永田力
内容	木馬は廻る／陰獣／芋虫／孤島の鬼／蜘蛛男 　乱歩の作品、乱歩さんの思い出：福永武彦／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報3 　乱歩さんと法医学：古畑種基／探偵小説食傷：海音寺潮五郎／江戸川乱歩先生の思い出：大塚勘治／江戸川乱歩と僕：木々高太郎

第四巻　猟奇の果
●昭和四十四年七月十日　四一一頁　別丁五丁　挿絵：横尾忠則
内容	虫／押絵と旅する男／猟奇の果／魔術師／盲獣 　乱歩文学の魅力：原卓也／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報4 　初会見の記：水谷準／乱歩小説と私：植草甚一／子供の頃の思い出：横尾忠則／乱歩乱記：徳川夢声

第五巻　吸血鬼
●昭和四十四年八月十日　三八九頁　別丁五丁　挿絵：古沢岩美
内容	何者／黄金仮面／吸血鬼 　江戸川乱歩について：荒正人／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報5 　江戸川さんとわたし：村上元三／その遊び：城昌幸／乱歩先生と私：戸川昌子／心のやさしい乱歩先生：吉田千代

第六巻　妖虫
●昭和四十四年九月十日　三八三頁　別丁五丁　挿絵：永田力
内容	白髪鬼／目羅博士／恐怖王／地獄風景／妖虫 　旅順海戦館と江戸川乱歩：稲垣足穂／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報6 　乱歩素描：白井喬二／追想三景：山田風太郎／“悪書”とゲイバー：永田力／夫の魔力：平井隆

第七巻　黒蜥蜴
●昭和四十四年十月十一日　四〇四頁　別丁五丁　挿絵：横尾忠則
内容	鬼／悪霊／黒蜥蜴／人間豹／石榴 　浅草趣味／乱歩打明け話／槐多「二少年図」／群集の中のロビンソン／幻影の城主 　巨人の輪郭：小松左京／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報7 　自他に対する興味：戸板康二／乱歩先生のあの夜あの時：福田蘭童／「黒蜥蜴」と私：丸山明宏／巨人の最期：渡辺剣次

第八巻　大暗室
●昭和四十四年十一月十日　三九〇頁　別丁五丁　挿絵：古沢岩美
内容	緑衣の鬼／大暗室 　彼／スリルの説／残虐への郷愁 　乱歩文学の一側面：野坂昭如／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報8 　乱歩雑感：大井廣介／乱歩さん：生島治郎／乱歩先生の半面：山村正夫／乱歩先生の「少年もの」：須藤憲三

第九巻　幽霊塔
●昭和四十四年十二月十日　三九五頁　別丁五丁　挿絵：永田力
内容	幽霊塔／悪魔の紋章 　少年ルヴェル／人形／ホイットマンの話／郷愁としてのグロテスク／レンズ嗜好症／もくず塚／活字と僕と／書斎の旅 　幼児性の噴出と童話性：なだいなだ／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報9 　早稲田との触れあい：鈴木幸夫／乱歩先生のこと：佐賀潜／乱歩先生と海外作家：都筑道夫／温情乱歩先生：高森栄次

第十巻　暗黒星
●昭和四十五年一月十日　三八四頁　別丁五丁　挿絵：横尾忠則
内容	暗黒星／地獄の道化師／幽鬼の塔／偉大なる夢 　初心の人乱歩：吉行淳之介／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報10 　鬼・乱歩：長沼弘毅／江戸川先生のこと：鮎川哲也／乱歩文章の親切さ：山本直一／乱歩サンとのおつきあい：坂口三千代

第十一巻　化人幻戯
●昭和四十五年二月十日　三八七頁　別丁五丁　挿絵：古沢岩美
内容	断崖／三角館の恐怖／畸形の天女／兇器／化人幻戯／月と手袋 　同性愛文学史／私の読書遍歴／ふるさと発見記 　乱歩文学の全体像：尾崎秀樹／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報11 　乱歩先生と私：田辺茂一／紫綬褒章のころ：陳舜臣／世話好きの乱歩さん：津川溶々／出版部Ｋ嬢へ：筒井康隆

第十二巻　影男
●昭和四十五年三月十日　四〇二頁　別丁五丁　挿絵：永田力
内容	影男／防空壕／十字路／堀越捜査一課長殿／妻に失恋した男／ぺてん師と空気男／指 　解説：松本清張／作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報12 　江戸川先生のこと：佐野洋／涙ぐましい双面：高橋鐵／乱歩先生の想い出：大藪春彦／乱歩氏追想：松野一夫

第十三巻　探偵小説四十年（上）
●昭和四十五年四月十日　三七三頁　別丁六丁　写真レイアウト：村山豊夫
内容	自序：江戸川乱歩 　処女作発表まで／余技時代／探偵作家専業となる／東京に転宅／放浪の年／「陰獣」を書く／生きるとは妥協すること／虚名大いにあがる／最初の「江戸川乱歩全集」／二回目の休筆宣言／精神分析研究会／小栗、木々の登場／甲賀・木々論争
附録	江戸川乱歩全集月報13 　初対面の乱歩：川口松太郎／乱歩さんの原稿用紙：多岐川恭／乱歩さんと初対面のころ：双葉十三郎／思いは遠き幻影城：武田武彦

第十四巻　探偵小説四十年（下）
●昭和四十五年五月十二日　三六七頁　別丁六丁　写真レイアウト：村山豊夫
内容	隠栖を決意す／末端の協力／愈々協力に励む／戦災記／探偵小説復活の昂奮／探偵作家クラブ結成／探偵小説第三の山／「幻影城」出版と文士劇／涙香祭と還暦祝い／小説を書いた一年／英訳短篇集の出版／追記 　付録　江戸川乱歩著書目録〔江戸川乱歩作品と著書年度別目録／江戸川乱歩既刊随筆評論集目録〕 　作品解題：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報14 　やわらかい掌：瀬戸内晴美／乱歩さんの温情：本位田準一／巨人の余沢：三好徹／乱歩大人寸描：黒部竜二

第十五巻　幻影城（正・続）
●昭和四十五年六月十日　四三四頁　別丁一丁　カラー年譜：江戸川乱歩
内容	幻影城　再版に際して：江戸川乱歩／自序：江戸川乱歩／探偵小説の定義と類別／二つの比較論／倒叙探偵小説／倒叙探偵小説再説／英米探偵小説界の展望／イギリス新本格派の諸作／英米探偵小説評論界の現状／英米短篇ベスト集と「奇妙な味」／探偵作家としてのエドガー・ポー／一般文壇と探偵小説／続・一般文壇と探偵小説／探偵小説純文学論を評す／怪談入門／「猫町」／［附録］二つの会則／内外探偵小説研究文献／ポーより現代までの路標的名作90冊／欧米長篇探偵小説ベスト集／欧米短篇探偵小説ベスト集／探偵小説叢書目録／探偵小説雑誌目録 　続・幻影城　序：江戸川乱歩／［第一部］英米の短篇探偵小説吟味／探偵小説に描かれた異様な犯罪動機／類別トリック集成／［第二部］最近の英米探偵小説／科学小説の鬼／日本探偵小説の系譜／明治の指紋小説 　作品解題：中島河太郎／江戸川乱歩年譜：中島河太郎
附録	江戸川乱歩全集月報15 　ある解説文から：田村隆一／江戸川先生断想：中島河太郎／江戸川先生：新章文子／亡父の一面：平井隆太郎