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番犬敬白 1999年10月21日

 このページでは、平井隆太郎先生と故中島河太郎先生のご監修をいただいて名張市立図書館が発行した江戸川乱歩リファレンスブック2『江戸川乱歩執筆年譜』に準じ、乱歩の執筆作品を「小説」と「非小説」に大別、発表順に目録としてまとめております。不備や遺漏のご教示をいただければ、たいへんありがたく存じます。
 記載スタイルの概略はご覧いただくだけでほぼおわかり願えるものと思いますが、詳細につきましては下の「凡例」をご参照ください。

凡例

 データは表にまとめ、左の欄に小説、右の欄に非小説を、月ごとに対照させながら記載した。

 小説、非小説とも、最初に作品のタイトルを記し、次の行に掲載紙誌、発行日を示した。書籍の場合は『 』で著書名、さらに発行所と発行日を記した。発行日が不明の場合は「?日」、記載されていない場合は「──」とした。

 連載には(  )で連載回数を附した。新聞連載は月ごとに一括し、長期にわたる場合は発行日を「」として連載の継続を示した。
 タイトルに添えた[  ]は、その作品を含む企画、特集、コラムの総題、〈  〉はコラムないしは連載のタイトルを示している。タイトル横の▲は無題の文章に便宜的につけたタイトルであること、*はそのタイトルのもとに複数の筆者が執筆し、個々の作品は無題であることを示している。

 非小説では、無署名で雑誌に掲載された作品はタイトルのあとに(無)と記し、署名が「乱歩」「江戸川生」などとある場合はそれを示した。文末の附記の類はおおむね無署名だが、これらに(無)と表記することはせず、「乱歩」などの署名があればそれを記した。

 小説は初出のみを記載したが、非小説は初出か再録かを判じがたい場合があるため、雑誌などへの再録やアンソロジー収録、それに伴うヴァリアントも記載の対象とした。ただし附記や註は初出だけを記載し、版が変わったあとに引き継がれた序文や、複数の執筆者による新聞連載が一巻に編まれて刊行された場合なども記載対象としなかった。

 作品タイトルはこの色で示し、連載の二回目以降と非小説の再録はこの色とした。非小説の附記などの場合、本文よりも大きい活字でタイトルとして組まれたものはこの色で、本文と同サイズの活字で冒頭に置かれたものと無題のものはこの色とし、無題の場合は▲を附した。附記にはそれが附された作品のタイトルを〔 〕で併記した。

 同一の雑誌、書籍に収められたものは行をあけずに列記し、掲載紙誌などは最初の作品のみに記した。

 つづいて作品ごとのデータを記した。
 使用した記号は次のとおり。

 には注記を記した。

 では、期間や回数など連載のデータを示した。

 には作品の章題を掲げた。雑誌連載は発行のたびに記載したが、新聞連載の章題は最初にすべてを列記した。書き下ろし長篇も代作を含め章題を掲げたが、少年ものの代作は章題を割愛した。「▼…」という表記は、最初の章題の前に文章が置かれていることを示している。章題に階層性がある場合は、[  ]と〔  〕によってそれを示した。非小説の場合、目録類の章題は省いた。段落冒頭に本文と同サイズのゴシック体で掲げられたものなど、小見出しと呼ぶほうが相応しいものもすべて章題として扱っている。

 は作品の初出時、末尾に( )で記された執筆ないしは脱稿の日付を示している。このほか乱歩は、大正14年の『心理試験』と翌15年の『屋根裏の散歩者』の収録作品末尾にも( )によって、また昭和7年の「探偵小説十年」では作品ごとに、それぞれ執筆の年月を明示している。初出に日付がない場合はこれらのデータから執筆時期を拾い、( )内に典拠を示した。典拠によって異同のある場合は双方を併記した。分載された作品では( )による日付表記は最終回の掲載となるが、他のデータを併記する必要から第一回の時点で記すことにした。

 には、改題があった場合のタイトルを掲げた。「二癈人」がローマ字本で「夢の殺人」とされるなどの一時的な改題や、乱歩没後に刊行された書き替え作品の改題も記した。章題の改題は拾っていないが、非小説の場合、「鬼の言葉」第一回が『海外探偵小説作家と作品』で「フィルポッツ(イーデン)」とされたり、第二回連載分が「探偵小説と芸術的なるもの」と題されて『鬼の言葉』に収録され、さらに『随筆探偵小説』では「探偵小説と文芸的なるもの」に改題されたりといった、のちに独立の作品として扱われた章題の推移は記載した。記載方法は、のあとに改題後のタイトルを記し、〔← 〕で改題以前の章題を示した。新聞に発表された随筆は、見出しではなく[ ]や〈 〉のタイトルで書籍に収録される場合があるため、これらも改題と見做した。なお新聞の見出しは、同じ新聞でも各紙の発行本社によって異なる場合がある。

 には作品の枚数を記載した。昭和31年に乱歩が作成した手書き目録の数字をそのまま写したものだが、全面的な信は置きかねるだろう。たとえば「黄金仮面」は四百二十八枚とされているが、連載時の梗概が含まれた数字かどうかは不明だし、戦後の少年ものの長篇がいずれも二百枚とされている点などは信じがたい。しかし作家本人による記録であることから、「?」の記号なども含めすべて記載した。タイトルが挙げられて枚数が書かれていない場合は、「枚数記載なし」とした。の記載は小説だけとし、非小説は省略した。乱歩の手書き目録からは戦前の主要な随筆、評論が省かれているため、記載のあるものを記すのでは書誌としてのバランスを失することになるうえ、戦後の片々たる随筆の枚数を記すことにはさしたる意味が認められないからである。

掲載1999年10月21日