第二十回 |
市長選挙近づく
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鈴木宗男先生に捧ぐ
「あんな嘘がようつけたもんですね」 |
隣室の患者(承前) 「いい薬」に安心したのでない。人工気胸の注射針から解放される嬉しさであった。 |
『結核は働きながらなおす』という本
自覚的には何の症候もないからだを一日中病床に横たえているのは、そうとう退屈であった。看護婦が来ないのを見すまして、枕元の戸棚から灰皿と煙草を取り出し、一ぷくつけるのが何よりの退屈しのぎであった。 |
知事選挙
昭和三十年五月、県畜産課長をしていた辻本郁郎君が、北田市長の懇請に応じ、名張市の助役に就任してきた。このことが私を“市史”へとかりたてるきっかけとなったのだが、辻本君の来任を語るには、この前に行われた知事選挙にふれねばならない。 |
知事選挙(続) つぎは事務局の編成である。松本一郎氏は県農業共済組合連合会長をしていたので、共済組合の職員は公然と選挙運動に没入できた。選挙運動をやらされたといった方が適切である。農共連の名賀支所長は箕曲中村の中村貞利君、職員は松本氏の秘書でもあった阿保の坂本金弥君、そこへ県農協へ名張からかよっていた東充君、そこへ私の四人で事務局の形をととのえた。 (次号につづく) |
名張市選挙管理委員会に捧ぐ 「君、びっくりしませんでしたか」 (名張市立図書館嘱託) |
掲載●2002年3月24日
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初出●「四季どんぶらこ」第22号(2002年3月21日発行) |