第十五話 |
一寸法師【七巻】
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マキノプロダクション東京派作品 大阪/東京/朝日新聞所載 原作 江戸川乱歩 ──配 役── ──梗 概── 1 北島春雄が早朝浅草公園で、奇怪な一寸法師が、生々しい女の片腕を持つてうろついてゐるのを見た。 2 明智は山野夫人から頼まれて家宅捜索をすると、ピアノの中から、カンザシを見つけた。 3 明智は更に、家の者全部集めて訊問したが、何うしても、たしかな手がかりは得なかつた。 4 明智の探偵は、そのころ方針が定まつた様子である。 5 山野夫人のなやみは、いよいよ深くそれからそれとつづいた。 6 一寸法師が、安川といふ人形師の手先となつて盗みを働いてゐた。 7 北島は恋人小松を失つて、やはり探索してゐた。 8 一寸法師は頼まれてその小松の死体を墓地に埋葬することになつたが、彼は美しい女の姿をみると………。 9 それを知つた明智は、人形師安川の家を訪れた。三千子はある嫉妬から小松を殺して、小松に自ら変装してゐるのであつた。 10 すべてが明かになつた。泣き悲しむ三千子を、夫はかき抱いた。 |
【番犬追記】
誌面のコピーは藤原正明さんから頂戴いたしました。誌面は7段組みで、見開き2ページの最上段と最下段、あわせて4段をつかって「一寸法師」の映画紹介が掲載されています。いかにも怪しいスチール写真全10点、画質は良くありませんがお楽しみいただければと存じます。映画「一寸法師」はこの年3月25日に公開されましたが、それにしても、探偵映画の紹介でここまでネタを割ってしまっては……。 |
掲載●1999年12月16日
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初出・底本●昭和2年(1927)/「週刊朝日」4月3日号(11巻16号)/p.8−9 |
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