読売新聞

大正14・1925年

一日一傑 大衆作家列伝 第八回
江戸川乱歩──平井太郎
 出生地は三重県、本年三十二歳ですが年に似合はぬハゲ頭が特徴です(筆者曰く同様の傾向を持つといふ理由ではなしに宇野浩二氏は江戸川乱歩を称してポーより出でゝポーよりあをしテナ推賞の辞を呈してゐる)◇大正五年早稲田政治科卒業、商店の番頭会社員、お役人、新聞記者、化粧品製造業、古本屋、新聞社の広告取り、チヤルメラを吹いて売り歩く支那ソバヤなど一年平均二つ位の高速度で転々何をやつても長続きがしないが私が人一倍飽き性なのか、元来この世の中が面白くない様に出来てゐるのか、どちらかです。
初出・底本:読売新聞 大正14・1925年5月10日
掲載:2009/02/14

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