RAMPO Entry 2010
名張人外境 Home > RAMPO Entry File 2010 > 01-20
2010年2月10日(水)

書籍
自分だけの一冊 北村薫のアンソロジー教室 北村薫
1月20日 新潮社 新潮新書345
新書判 カバー 189ページ 本体680円
著:北村薫
関連箇所
第一回 アンソロジーは選者そのもの(p11−67)
お前は乱歩か(p26−30)

自分だけの一冊 北村薫のアンソロジー教室

北村薫  

 第一回 アンソロジーは選者そのもの

  お前は乱歩か

 ところが一方、《これらの作品群はすべてに接してほしい》などというところは、読者を想定した書き振りになっている。笑っちゃいますね。《読まなくて結構ということはできぬ》とか、まるで大家のように書いています。──これは、いうまでもなく江戸川乱歩の真似です。
 その頃、乱歩の手になるミステリ入門書として、現代教養文庫の『探偵小説の「謎」』が入手しやすく面白かった。これを読んで、『幻影城』『続・幻影城』という評論集が欲しくて欲しくてたまらなくなった。神田を歩いて『続』の方は、割合簡単に見つけられました。ところが『幻影城』がなくてねえ。ある古本屋さんの、棚の高いところにあるのを見つけた時には、本当に嬉しかったですよ。
 置いてある位置と同じく、値段も高かった。だけど、少しも迷わなかった。それこそ、胸に抱くようにして帰って来ました。

 
 新潮社:自分だけの一冊−北村薫のアンソロジー教室−