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弥生美術館で「谷根千文学」挿絵展-漱石や乱歩作品などの挿絵展示
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弥生美術館で「谷根千文学」挿絵展-漱石や乱歩作品などの挿絵展示

(2010年03月30日)

江戸川乱歩「怪人二十面相」の挿絵。

 弥生美術館(文京区弥生2、TEL 03-3812-0012)で4月2日から、同館周辺を舞台にした文学作品に焦点を当てた「谷根千界隈(かいわい)の文学と挿絵展」が開催される。

 同展では、地域にゆかりのある文学作品の挿絵など約350点を展示する。江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」(千駄木・団子坂)や、三遊亭円朝の「牡丹灯籠」(千駄木・三崎町)、夏目漱石の「我が輩は猫である」(谷中)など、著名な近代文学の舞台としても登場する谷根千地域。

 同館の中村さんは「大正期の2大出版社として知られる講談社や博文館などが近くにあった関係で、谷根千地域には川端康成や高村光太郎、夏目漱石、森鴎外など、多くの文人たちが住んでいた。文人の多さでは都内一の地域だったのでは」と話す。ほかにも森鴎外の「青年」や、幸田露伴の「五重塔」、樋口一葉の「十三夜」など、近代文学の金字塔ともいえる作品の挿絵が並ぶ。

 「近年では谷根千地域の散策客がとても多くなっている」という中村さん。「この展示を見て、ただブラブラするだけの散策から、一歩踏み込んで街を見てもらえれば」と期待を込める。散策客用に「牡丹灯籠」「十三夜」「我輩は猫である」など6作品の舞台を物語ごとに記したマップ(120円)も販売する。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、一般=900円、大学生・高校生=800円、小・中学生=400円。6月27日まで。

 
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掲載 2010年8月5日 (木)