【わ】

和漢三才図会

百科全書 正徳2年(1712)成立 寺島良安編 百五巻

 巻第七十一
  伊賀

 一の宮 敢国大明神  東海道
 四郡 高九万九千五百五十四石

 阿拝〔府〕  山田  名張〔本は隠の一字を用いる〕  伊賀

 △思うに、伊賀は五瀬の上にある。それで五上と名づける。今は伊賀の字を用いる。また、天武天皇が吉野を出て伊勢に赴く時、夜半に隠郡に至られたという。今は名張の二字を用いる。桓武天皇が都を平安城に移された。その前は大和国にあったので、畿内の外は伊賀を東海道の最初とする。

  • 底本 『和漢三才図会 11』東洋文庫494 昭和63年(1988)11月、平凡社、訳注=島田勇雄、竹島淳夫、樋口元巳/p.268
  • 採録 1999年10月21日

 ●略解

 和漢三才図会は寺島良安の編んだ百科全書。百五巻。正徳二年(1712)は自序の日付。
 底本テキストのうち訳注者の注記は省いた。ルビは、「敢国=あえくに」、「阿拝=あえ」、「名張=なばり」、「五瀬の上=いせ(の)かみ」、「五上=いか」。
 引用箇所以降の記述項目は、「当国の神社仏閣名所」「伊賀より大和に至る道〔冑越という〕」。


掲載 1999年10月21日  最終更新 2002年 9月 20日 (金)