ムラダチ谷、ビシャグラ谷、カマ谷、アサマタ谷、梅ヶ谷
台高北股川支流のいくつかの谷で またまたスローライフ '04.12
 12月に入ってもなかなか雪が来ない。しばらくは水の少ない谷へでも行くか、ということで、「北股川の流域は、この季節にはヒルは出ないし、三之公の他にもいくつかの面白い谷がある。北股川でたき火もできるしな」というK仙人に、ゆるゆると引率されて見に行くことになった。柏原谷は以前たどったことがあるが、中程の10mほどの滝を除いてはあまり面白い谷とは思わなかったので、これ以外の谷を登るらしい ...とは なんて無責任な(^^;
北股川支流概念図
ムラダチ谷中流部をゆるりと行く
中流部の滝は右岸をよろよろと捲く
ムラダチ谷 ('04.12.11、メンバー:K、N、Tの3名)

 柏原谷出合をすぎ、しばらく進んだ林道脇に置車。谷は対岸にあるので、伐採跡を下り、しばらく本流を遡って入る。入り口からやたら急な谷で、先の想像ができないが、すぐゴルジュとなって登れない滝がある。ここは右岸を捲くことになるが、岩まじりで木の根っこに助けられてヒヤヒヤものの高捲き。谷から30mほどよじ登ると、何やら切れ切れの古い道跡に出てゴルジュを越える。この先、谷は傾斜がなくなり、おっとりした冬の谷が続く。滝は少ないが大きなものが多く、直登は無理。コーヒーなどを沸かしながら、頻繁にたき火しつつ静かな谷を楽しむ。大きな高捲きを再度すると、谷が突き当たりのようになって、左へ曲る。行く手には見上げるような40mの直瀑。K仙人によれば、この滝場は右岸を複雑に捲くそうだが、下降も空中懸垂をまじえて面白いらしい。出発が遅かったので、今日の所は話を聞いただけで、本流での宴会に戻ることにする。入り口のゴルジュは右岸高くを捲き下るがルート探しが難しかった。前回は懸垂して下ったそうだ。

ムラダチ谷直瀑大滝
ビシャグラ谷はのっけから急登
どんどん岩が続く
ビシャグラ谷 (12.12、メンバー:K、N、Tの3名)

 ムラダチ谷の置車地点400mほど先に置車。のっけから急なルンゼ状だが、岩は順層で快適に登る。すぐに岩がなくなるだろうという予想が嬉しく外れ、どんどん息つく間もない登りが続く。これは儲けものの谷だ。200mほどルンゼ登りを続けると、5mの狭い滝があり、水流脇をロープで登る。この先で傾斜がやや緩み、やがて植林帯になる。滝がなくなったので、しつこいたき火一発のあと、右岸の植林帯の仕事道をたどって、出合いの下流100mほどのところへ下る。

カマ谷 (12.18、メンバー:K、H、Tの3名)--写真なし

 入り口から滝場が続くが、直登は難しいので、右岸を捲く。この辺り、尾根までの距離の割には、不思議に流れが堂々としている。いくつかの滝を越えるとあっさり凡流になり、右岸の仕事道を伝って林道へ下る。カマ谷の名の由来は、入り口近くにいくつか立派な「釜」を連ねていることによるようだ。

まだまだ登って行くよ
冬のシャワーはたくさんだ
アサマタ谷をのんびりと
アサマタ谷 (12.19、メンバー:K、H、N、Y、+ゲストの奈良のS氏、Tの6名)

 南股出合からさらに奥へ進み、本流を飛び石で渡って入る。出合からおだやかな流れで、のんびり遡る。中流を越えたあたりから大きな滝がいくつかあるが、いづれもしっかりした捲き道がある。最後の25m直瀑あたりは、岩場がぐるりと取り囲んで、なかなかの景観。景色眺めつつ、懲りずにたき火! ゲストのS氏が”あまりのゆるさ”に呆れ返っている。緩さも「芸」のウチ、...なんちゃって。 直瀑の上は昔、伐採の飯場があったようで、広々した笹原になっていた。この上で水が途切れるので、登りのコースを下る。

アサマタ中間部の滝
最後の滝は岩の要塞
アサマタ最後の滝落ち口
梅ヶ谷 (12.23、メンバー:K、Tの2名)

 テント場にしていた奥玉谷出合の柏原辻側になんだか細い滝が落ち合っている。水流も少なく、上は期待できそうもないが、しばらくは楽しめそうなので入る。出合は林道対岸になるので、長靴を履いて徒渉する。出合から岩が続く。50mも登れば水がなくなる、と思いきやなんのなんの、ビシャグラ以上のナメ状の滝が続く。中間部に1本直登できない10m滝があった他は、全部直登できる素晴らしいルンゼ状の谷。源流まで一様の傾斜で突き上げていて、飽きさせない。北股川右岸では最も楽しめる谷と言っていい。詰めで小春日和のなか、とどめのたき火納め!
 下りは柏原辻から南東に延びる尾根を下る。上部は大迫ダムを見下ろす歩きやすい尾根だが、だんだん急になり、登りよりもヒヤヒヤしながら奥玉谷目指して下り、谷入り口すぐ下流に下り着く。最後まで愉快な谷だったが、下りではブッシュに縋り付かされっぱなしで、翌日腕が筋肉痛に見舞われた。残念!

梅ヶ谷出合はしょぼい
しかし、奥はなかなか
中間部の出口が被った滝
中流になっても滝が次々
詰めでもまだまだ
水が切れかかってもまだ滝が