第参話:鳴らない電話

あれから数週間、
則安君はネルフや第三新東京市での暮らしにも慣れて来つつあった。
ハレブタゲリオンの構造・システム、
兵装ビルの配置等をみっちり勉強させられる。
ハレブタゲリオンは有線からの電力供給が切れると、
困ったことに、五分以内しか活動ができない
いくら予算が足りなかったとはいえ、これじゃあんまりだ。
こんなんでどうやって、未知の生命体である使徒を倒せというんだろう?
それに単調な実戦訓練は、彼を退屈させた。

通い始めた学校では、
ハレブタゲリオンのパイロットであることが知られて彼は一躍有名人。
教室の隅では、あのハレブタゲリオンの暴走のせいで自分の家を潰された
ナベシンことワタナベシンイチ君がムスッとした様子で彼を見ていた。

授業中なのにみんな彼の所に集まってくる。
「どうやって選ばれたの?」「訓練とか有ったの?」
「一体どんな武器を使って戦うの?」「怖くなかった?」
等と、質問責めでタジタジの則安君。
しかし、山崎委員長の鶴の一声でみんな渋々席に着く。
こんな騒ぎの中、先生は一人淡々とブ−ブ−インパクトの思い出話をしていた。

休み時間、則安君はナベシンに殴られる。
しかし、逆ギレした彼は彼と喧嘩を始めてしまう。
そして、その喧嘩を通じて、彼等には友情が芽生えるのだった。
そこに玉ちゃんがきて非常召集を伝える、使徒が来たのだ。

「ただ今、東海地方を中心とした関東中部の全域に
特別非常事態宣言が発令されました。
速やかに指定のシェルタ−に避難して下さい。繰り返しお伝えします・・・」
緊急放送が鳴り響く。

ネルフ本部で戦闘配置が進み、アナウンスが流れる。
「目標を光学で捕捉、領海内に進入しました」
「総員第一種戦闘配置」副司令の声が司令室に響く。
「了解、対空迎撃戦用意」「第三新東京市戦闘形態に移行します」
「了解中央ブロック収容開始」
街の中央ブロックにある高層ビル群が地下に収容される。
そして、対空ミサイルを格納したビル群が第三新東京市の各所に展開する。
「中央ブロック・第一から第七管区までの収容完了」
「政府・関係各省への通達終了」
矢玉さんは民間人等の避難が気になりオペレ−タ−に訪ねる。
「非戦闘員及び民間人は?」
すると「すでに退避完了とのことです」と言う答えが返ってホッとする。

シェルタ−に避難してる一般人・非戦闘員
その中に、先程の中学校の生徒もいる。
ナベシンの横でTVチュ−ナ−付きのビデオカメラを見る太った少年がいる。
彼のビデオカメラのファインダ−の中には、
報道管制を示す映像が流れる。
「こんなビッグイベントだってのに」と悔しがるおにぎり山君
そう、彼はおにぎり山君と呼ばれているみたいだ。

今度の使徒は亀田のえびっぷりに出て来るイカ君にそっくりだ。

シェルタ−の中のトイレで、おにぎり山君がナベシンに、
「外のドンパチを見たい、ロックを外すのを手伝ってくれ」と言う。
ナベシンは半分あきれたが、好奇心がわいてきて彼に付いていく。

則安君の乗った初号機が出撃する。使徒に対してパレットガン攻撃。
しかし爆煙で視界が遮れマイナスに働いてしまう。
そして初号機は使徒のイカ足に捕まり、放り投げられてしまう。
放り投げられ落ちた地点は、この戦いを観戦していたナベシン達のすぐ近く。
和子博士は、なぜ一般人が戦闘エリアにいるのかと驚く。
それも、則安君のクラスメイトであることを知り、二度ビックリ。
矢玉さんは、応援団として彼等を初号機に乗せることを提案
しかし後ろでやたらと騒ぐので、友達率が低下してしまう。
「やはりエントリ−プラグに、異物を入れるべきではない」
と和子博士は認識する。

則安君にいったん撤退を命じる矢玉さん。
しかし即安君はまた逆ギレを起こし、プログナイフを持ち使徒に特攻する。
そして何とか、使徒のコアにそれを突き刺し。活動限界ぎりぎりで殲滅する。
その時、イカ君の使徒は次の様に言い残した。
「ただ今いかっぷりシリ−ズは10パ−セント増量サ−ビス実施中〜!!」

エントリ−プラグの中で、三人は勝利を喜ぶ。
しかしこの後三人には、命令違反の則安君を含めて、
きつ−いお説教が待っているのだった。

第四話へつづく