第八話:平賀きみよ来日

伊豆半島沖の太平洋を進む国連艦隊。
そこに則安君・矢玉さん・ナベシン・おにぎり山君が乗っているネルフの公用ヘリが近ずいてくる。
ミニタリ−マニアのおにぎり山君は、さっそく国連艦隊にくぎずけになる。
そして、その旗艦である米国の空母プロメテウスに対してうんちくをたれる。
「ブ−ブ−インパクト後に作られ、2010年に竣工した最新鋭艦で、
全長500メ−トル、基準排水量15万トンの艦で2基のトマカク型核融合炉を機関とした4軸推進。
また、最高速度は33ノットで・・・・」
それに対して則安君は、「大きい船だな」とシンプルな答えを示す。

公用ヘリのパイロットと空母プロメテウスの航空管制官との間で交信が交わされる。
「こちら、認識コ−ドUN−AL0029の公用ヘリ貴艦への着艦を要請する」
「了解、貴機の識別コ−ド確認、第三ヘリポ−トへの着艦を許可する、誘導は周波数78,633で・・・」

その空母の艦橋で、純黄のサマ−ドレスをきた丸顔のパッキン女性が、
先のヘリを仁王立ちで眺めていた。

空母のヘリポ−トに着艦する公用ヘリ。則安君たちが降りてくる。
国連艦隊やこの空母を見てホクホク顔のおにぎり山君。
「く−−っ!!男なら涙すべき状況だね、これは」
ここで矢玉さんは、則安君達にハレブタゲリオン弐号機のパイロットを紹介するのだった。
「ハレブタゲリオン2号機の専属パイロット、平賀きみよさんよ」
先ほどの艦橋に立っていた女性が挨拶する。
「平賀のことよろしくでましょ」
いかにも、キャラクタ−として「濃い」そうな人だ・・・
そして矢玉さんは艦橋に歩いていく。その後に続く則安君達。

国連艦隊ということだけあって、東西両陣営の艦船や飛行機が混在した艦隊編成になっている。
だからアメリカ国籍のこの空母の飛行甲板で、
ロシアのSU−27フランカ−やMIG−30の姿を拝むことが出来る。

空母の艦橋でこの艦隊の司令である艦長と対面する則安君達。
「おやおや、ボ−イスカウト引率のお姉さんかと思ったが、こちらの勘違いだったようだな」
いきなりのいやみ攻撃を受けるが聞き流し、
「この度は、ハレブタゲリオン2号機の輸送援助有り難うございます
こちらが非常用電源ソケットの仕様書です」
と言い仕様書を渡す。おにぎり山君は艦内のビデオ撮影に夢中になっている。
また艦長は、「いつから国連軍は宅配屋に転職したのかな?」といやみを述べ、
副長も「某組織が結成された後だと思いますが」といやみを言う。
しかし矢玉さんは、「ハレブタゲリオンの重要度を考えれば足りないくらいですが」
と強気で返す。だが艦長は、非常用電源ソケットの仕様書へのサインを
新横須賀に陸揚げした後にすると言い、「海の上は我々の管轄だ、素直に従ってもらおう」
と言い張るのだった。それに負けまいと矢玉さんも、
「非常時には、我々ネルフの指揮権が優先されることをお忘れなく」と付け加える。
その時、「相変わらずりりしいな」と言うせりふが聞こえた。
平賀きみよが「武蔵さん!!」と叫ぶ、艦橋のハッチには逆三角顔の青年が立っていた。
そう彼は、矢玉さんのかつての恋人、武蔵小金井であった。

ハレブタゲリオンをおもちゃと呼び「あんのに使う金が有るなら、こっちに回せ」
と言う艦長、今回の輸送作戦にも不満たっぷりのようである。

6人も乗り、すしずめ状態なエレベ−タ−
その中で、矢玉さんが「何であんたがここにいるのよ!!」と強い口調で武蔵に質問する。
「彼女の随伴でドイツから出張さ」と答える。「うっかりしてた」と残念がる矢玉さん。
ぎゅうぎゅう埋めの中、矢玉さんと平賀が体に触っている男性陣に
「ちょっと触らないでよ!!」と怒鳴るしかし「(混んでるから)仕方ないじゃないかと」と言い返す。
則安君は、「やっぱり不便でも階段を使ったほうが良かった」と後悔した。

士官用食堂でアナウンスが流れる中、武蔵が矢玉さんに質問する。
「今、付き合っている男いるの?」それの対して矢玉さんは
「それが貴方とどういう関係が有るの」と質問に質問で返す。
「つれないな」と言う武蔵。そして則安君に「彼女の寝相の悪さ、直っている?」
と過激な発言が飛び出す。矢玉さんは真っ赤になって「なにいってんのよ!!」と叫ぶ。
一同、言葉がない。則安君はなんてデリカシ−の無いやつなんだとムッとする。
慌てた武蔵は、話題を変え則安君の武勇伝を語る。「偶然です」と照れる則安君。
しかし武蔵は「偶然も才能の一部さ」と言い残し士官食堂を出ていく。
少しはさっきのフォロ−になったと思う武蔵。

対空ミサイルが置かれている船腹のデッキで武蔵は平賀に、
「いきなりの実戦で彼の友達率は軽く40を超えてる」と話す。
「うそでましょ!?」と驚く平賀。

エスカレ−タ−でナベシンが「気に食わん艦長だ」と不快感を表す。
しかし矢玉さんは、「プライドの高い人なのよ」と言い皮肉を受け止めるような反応を示す。
そこに平賀の「サ−ドチルドレン、ちょっと付き合うでましょ」と言う声と
エレベ−タ−の出口に仁王立ちで待ち構える彼女の姿が有った。

ハレブタゲリオン弐号機と対面する。そこにはブタ顔の黒いロボットが横たわっている。
そう、弐号機はクロぶたその物だ。
則安君「黒いんだ、弐号機って」率直な感想を示す。それに対して平賀は、
「違うのはカラ−リングだけではないでましょ、
これこそ実戦向きに作られた世界最初のハレブタゲリオンなのでましょ」
と得意満面に答える。その時彼らの乗っている輸送船に衝撃が走る・・・
「水中衝撃波!!」とアナンウスが流れる。
輸送船の甲板に出る二人、そこには白い航跡を引き艦船を破壊しながら進むある物の姿が有った。
則安君が「あれは、使途!」と言うと平賀は、
「あれが使途、本当の」と驚いたせりふをはく。しかしすぐに、
「チャ−ンス」と何かを企んでいるせりふとそぶりを見せる。

突然の使途襲来に慌てる艦隊。
旗艦であるプロメテウスのブリッジも騒然となる。
「各艦艦隊距離に注意の上、回避運動」
「しんがり沈黙、タイタス・アンドロニカス目標を補足できません!!」
何が起こっているのか解らず、「くそっ、何が起こっているんだ」と困惑する。
そこに矢玉さんが、「ちわ−ネルフですが、見えない敵の情報と的確な対処はいかがですか?」
と現れる。しかし彼女のふざけた対応と、太平洋艦隊のプライドから、
「戦闘中だ見学者の立ち入りは許可できない!」と冷たく返し、
「各艦任意に迎撃!!」と命令する。それに対し矢玉さんは、
「無駄なことを・・・」と呟くのだった。

各艦から、魚雷・対潜弾が目標に打ち込まれる。
また、プロメテウスの両側を航行する超伝導推進のイ−ジス艦も、
対艦レ−ザ−砲を用いて攻撃する。

しかし全然ダメ−ジを与えれない。武蔵が自室の窓から
「この程度では、ATフィ−ルドは破れないか・・・」と呟く。

艦橋で使徒の動きを見ていた矢玉さんは、
使徒の動きは、輸送中の弐号機を狙っているものと推測する。

チャンスとばかりに、平賀は則安君を連れて、弐号機に乗る。そして則安君に
「私の見事な操縦を貴方に見せてやるでましょ、但し邪魔はしないでね」
と言い弐号機を起動しようとする。しかし、則安君の思考ノイズで起動できない。
「ドイツ語で考えるましょ!!」無理な注文だ・・・
仕方なく「思考形態切り替え、日本語をベ−シックに」と切り替えるのだった。

矢玉さんがいる空母の艦橋に、「オセロ−より入電、弐号機起動中!」
という連絡が入る。驚いた艦長は、「いかん起動中止だ、元に戻せ」と言うしかし矢玉さんは、
「構わないわ平賀、発進して!!」と言い艦長の抗議に対しても
「何いってんのよこんな時に!段取りなんて関係ないでしょ!!」ととってかかる。
しかし副長が、「本気ですか?弐号機はB装備のままです!」と指摘した事で、
全員あぜんになる。だが平賀は、「海に落ちたらやばい」と言う則安君の心配に対し、
「落ちなきゃ良いのよ」と言う。そして矢玉さんに「非常用の外部電源を用意しておいて」と言う。
輸送船は使徒に壊されるが、弐号機は艦隊の艦船を足場代わりにして飛び移っていく・・・
使徒の攻撃に、今度は弐号機の踏み付けと散々の太平洋艦隊。

プロメテウスの飛行甲板に、非常用電源コンセントが用意される。
「予備電源出ました」「リアクタ−と接続完了」
そして弐号機が着艦して来るので、飛行甲板は騒然となる。
「総員対ショック姿勢!」と命令する副長。艦長は「デタラメだ!」とぼやく。
弐号機が着艦する。しかしその衝撃で艦載機が海に落ちていく。
「もったいない」とビデオで撮影しながら残念そうに呟くおにぎり山君。
弐号機は外部電源を接続し、迫り行く使徒と向かい合う。
今度の使徒はスレイヤ−ズに出て来たヌンサにそっくりだ・・・
プログナイフで使徒と取っ組み合う。飛行甲板を目茶目茶にしながら・・・
しかし使徒の重さに耐え切れず使徒と共に海の中へ。「落ちたじゃないか」と艦長。

強気な平賀は、矢玉さんの「B型装備では水中戦闘は無理よ」と言う注意に対し、
「そんなのやってみなくちゃ解らないでましょ」と返す。
外部電源用のケ−ブルが出し尽くし衝撃が弐号機に来る、そして使徒を見失う。

艦橋では矢玉さんが武蔵がVTOL機のYAK−38改で離陸するのを見る、
「とどけものがある」と言い残し、トンズラしてしまう。
最初からインパクトを与えておいて、大事なときにばっくれるとはふてい野郎だ。

B型装備なので水中では身動きが取れない、それに再び見付けた使徒に飲み込まれてしまう。
「弐号機、目標体内に進入」と言うアナウンスに対してナベシンは、
「それって、食われたんじゃない?」と突っ込みを入れる。

矢玉さんは艦長に、生き残った戦艦二隻によるゼロ距離射撃と言う作戦を提示し、
艦長も打開策がないのでしぶしぶ承知する。

戦艦から総員が退去しキングス弁を抜き、作戦地点に沈降する。
ケ−ブルを巻き戻しながら、使徒と弐号機は作戦海域に接近する。
二人とも一心に何も考えずに「開け・開け」と念じる。
こんな時に「『開け』と言ったらポン○ッキ」「開け、ゴマ!!」等という冗談を飛ばす暇はない。
そしてギリギリで使徒の口を開き、そこに先ほどの戦艦2隻を突っ込ませる。
そして矢玉さんの「撃て!!」と言う合図と共に、戦艦2隻の主砲がぶっ放される、
またしても矢玉さんらしい単純明快な作戦なんだ・・・
主砲弾は使徒の中で炸裂し、ヌンサの使徒は殲滅された。

新横須賀につき、矢玉さんは平賀に武蔵が「先に本部にトンズラ」と言う
また、友達率の更新に驚く和子博士。しかし今度は矢玉さんが、
「たったの10秒じゃただの火事場の馬鹿力よ」と冷たく返す。

ネルフ本部の司令室で最初の人類であるアダムと対面する玉則司令。
武蔵が「人類補完計画のかなめですね」と言う
しかしアダムと呼ばれた物体は何故か知らなかったが、はれブタの姿をしている・・・(^^)

則安君達が通う学校。そこにあの平賀ともよが転校してきた。
唖然となる3バカトリオ、毎日会うことにぐんなりとするナベシンとおにぎり山君だった。

第九話へつづく・・・