季刊金つなぎ 金つなぎ

医療コラム

がんを明るく前向きに語る「金つなぎの会」1995年(平成7年)秋季号

国立がんセンタ-
総長 阿部 薫

 今春、 新聞の連載記事 ( 「金(きん)つなぎの茶碗」=産経新聞大阪版) から、 がん闘病者と家族たちの会が発足した。 連載の筆者で会の代表、 広野光子さんは、 「私たちは、 お互いひびの入った茶碗。そんな体を、 壊れないようにつないで下さる医師、 看護婦、 友人・知人、 そして家族は、 私たちの素敵な“金”です」 と語る。 金でつないでもらったおかげで命を永らえた、 という広野さんと会員たちは、 「つねに明るく前向きに生きよう」 と誓い合っている。
 現在、 日本においては年間二十四万人の方が“がん”で亡くなられています。 これは亡くなる方のほぼ四人に一人が“がん”であることを示しています。
 しかし、 がんの研究も進歩し、 がんのほぼ50%は治るという時代になっていることも事実です。
 このような現状において、 患者の広野光子さんのように自分のがんを知り、 これと正面から立ち向かうことが重要だと思われます。
 患者さんにこの様な姿勢があればこそ、 私達医療側も患者さんと共に、 最善の治療が行えるのではないでしょうか。



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