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エッセイ集
交通事故は地雷と同じ

 この問題を放置すると国が崩壊します!

現在世界の紛争地帯には数億人を殺傷するといわれる多数の対人地雷が埋まっています。そしてその数は今も増え続けています。

タイトルの意味ですが、交通事故と地雷との共通点を挙げますと、

1) いつ遭遇するか分からない。

交通事故はいつ出あうか分からない。地雷もその地域に足を踏み入れたらいつ踏んでしまうか分からない。

2) 被害の程度

対戦車地雷みたいな爆発力のつよいやつに出会うと死に至る。対人だと大人の場合膝関節まで失い、子供だと腰まで失う。交通事故も同じ。死ぬ場合と障害者として生き残る場合がある。

3) 社会の経済損失が非常に大きい。

 日本国内で年間約1万人が死に、その数十倍か数百倍か知りませんが、障害者として社会に復帰できない人達がいます。1960年代から70年代にかけてアメリカはベトナム戦争を行いましたが、その戦死者の数よりも米国内の交通事故死者の方がはるかに多かったのです。当時のジョンソン大統領はたまりかねて交通事故撲滅の声明を発表したほどです。

 今思いつくままにキーを打っているので残念ながら正確な統計は直ぐに出せませんが、一度交通事故による国の経済損失を計算してみると良いでしょう。莫大な数字になるはずです。

 実は対人地雷のそもそもの開発目的は人を殺すためでなく、人を障害者として社会に生かしておくことでした。爆薬の量はそのようにちゃんと計算されています。障害者を抱えた社会はその介助のため多大な労力・費用を消費しなければならなくなります。自然、経済的に疲弊し戦争を継続できなくなるのです。

 交通事故がこのように非常に重大な問題であるということが見過ごされているのは大変残念なことです。もっともっと学校教育で取り上げたり、テレビなどで特集を組んで放送するべきではないでしょうか。

私達はそこら中に地雷が埋まっている紛争地帯に生活しているのと同じなのです。そしていったん遭遇してしまうと取り返しはつきません。脳外傷のようにまだ認知されていない障害を負うと、その負担に耐えきれず家庭崩壊が待っています。多くの家庭の崩壊は社会の崩壊につながり、最後には国が崩壊してしまうでしょう。

Wed, Aug. 30, 2000