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エッセイ集
米国同時多発テロ事件について

 脳外傷とは直接関係ないが、大変重大な事件なので一言

歴史から学ばない怠慢と愚があの事件を招いた

やはり、とうとう起こってしまいました・・・。マグマに溜まり溜まったエネルギーがついに爆発してしまった、という感じです。

私は、山崎豊子作品「二つの祖国」を読んで感じたこと、山崎豊子作品に切望するもの(Friday, December 15, 2000)として以前次のように書かせて頂きました。

「もし、私が欲したような二つの文化の融合が見事に描かれていたならば、また、物事の本質をもっと追求していたならば、その作品はただ単に日系人に対する人種差別、社会の矛盾をさらけ出しただけでなく、後世の人々に大きな希望、指針を与えたことでしょう。80年代に起きた日米貿易摩擦や、その後の経済戦争も止められたかもしれません」

これは日米二国間について述べたものですが、イスラム圏、キリスト教圏、仏教圏など、様々な文化圏の融合という点についても全く同じです。

米国同時多発テロ事件については連日テレビ・新聞といったメディアが報道し続け、専門家といわれる方々が種々意見を述べておられるので、ここでは同じことは繰り返しません。脳外傷問題と同じく、全く素人の視点から一言。

私が言いたいことは、「社会に宿題を残すな!歴史から学べ!同じ失敗をいつまでも繰り返す愚を止めよ!」ということです。

アメリカは時代遅れの一人勝ち主義を捨てよ
一部の国家がやりたい放題できる時代はもう終わった!!

まずは、6000人を越える犠牲者、行方不明者を出した被害の当事者アメリカについて。大変不幸な事件に遭遇してしまい、心からお悔やみ申し上げます。ただし、私は加害者のテロリストを擁護するつもりはありませんが、彼らの言うようにアメリカは余りにも自国の利益を優先し過ぎました。今回の事件はアメリカの利己主義が招いたものです。仏教でいう「因果応報」です。自国の利益を追求するのは良いのですが、手段を選ばぬ利己主義が度を越していました。

日本人にわかりやすいように言えば、あのバブル経済形成と崩壊後の経済混乱。いまだに大きな傷を残し、引きずっています。アメリカの外圧と日本の政治家の無能さ、時代遅れの政策、国民無視の派閥主義、そして国民の無関心が招いたものです。またさらに範囲を広げれば、3、4年前のアジア経済危機。これらはもう経済活動というよりは、アメリカが仕掛けた経済戦争です。

過去に植民地主義が終焉を迎えたのと同様、一人勝ち国家の時代、他の人々を踏み台、犠牲にして反映を築く時代はもう終わったのです。植民地主義時代はあからさまに「力」による支配、今は情報と金融を中心とした経済による支配。単に外見が変わっただけです。もう相手の隙に乗じて経済支配を画策するなどという小ずるいマネは止めましょう。でないと、民主主義という言葉が色あせてしまいます。せっかく封建主義が倒され、一部の権力者による支配が終わったのですから。そのために数多くの人々の血が流されたのですから。

主体性の無い、情けない日本!!
主権国家としての日本の独自性は一体何処にある!?
私は余りの情けなさに涙が流れた!!


日本の政治家はいつもいつも、アメリカの圧力に対して弱すぎます。自国の利益よりもアメリカの利益を優先しています。最近のテロ事件に対する小泉首相や田中外相の対応を見ても、涙が出るほど情けなくなるのは私だけでしょうか?。

彼らは自分の意見というものを持っていません。各国が事件の直後に見せた素早い対応に比べれば、24時間後、小泉首相の声明は原稿の棒読み。時間をかけた割には、各国首脳が即座に出した声明をオウムのように繰り返した内容の無いもの。阪神大震災の時と同じく、危機に対する反応の遅さと主体性の無さを露呈してしまいました。

時代遅れ(600年は遅れている)の政教一致国家
イスラム国家は多くの矛盾を抱えている
このままでは国が持たない
イスラム国家は即、政教分離を実施せよ!


そして今度は加害者のテロリストに対して一言。「あなた達は狂っている」と言いたい。問題の解決法を明らかに間違っています。暴力は新たな暴力を生み出すだけです。金輪際、テロ活動を止めなさい。

イスラムの教えを護るための「聖戦」ということですが、何時アラーの神が罪の無い人達の殺人を許したのでしょうか?もしイスラムの教えがテロを許しているとすれば、明らかにイスラム教は邪教ですから即刻脱退しなさい。

イスラム国家に多いと言われる女性の自殺、発狂
その意味するものに気づかなければならない!

また、私は強く提案します。イスラム諸国は「政教分離」を実施しなさい。そうすればこんな事件は無くなる。かつてあなた達はキリスト教圏の十字軍と戦いました。そのしこりは今でも残って、各地で宗教紛争が絶えません。かつて愚かにも聖戦と称してイスラム圏に戦いを挑んだキリスト教圏の人達の多くは、宗教で政治を取り仕切ることの誤り、危険性に気づき、政教分離の原則に従って国を建てました。

宗教の呪縛から解き放たれた人達は自由を取り戻し、芸術は息を吹き返し、ほとんど止まっていた科学の進歩が再び始まりました。15世紀から16世紀、ルネッサンス時代にその流れは始まり、フランス革命、アメリカ独立宣言へと続いて行きます。

それはその後の産業革命へとつながり、今日の文明を築きました。もし、ローマ教皇の「世界はどこまで行っても平らなのだ、我々の大地は不動なのだ」という説を信じ、全ての新しい発見を神の教えに反するとして握りつぶしていたとしたら、随分と不自由な世界になっていたでしょう。

あなた達も大至急「政教分離」を実施しなさい。そして女性に社会進出の機会を与えなさい。そうすれば、余りの戒律の厳しさ、自由の無さに発狂したり自殺する女性の数はうんと減ります。アメリカの経済封鎖の圧力も無くなります。物が流通し、経済も活発化します。石油があれば金持、無ければ貧乏、という貧富の差も無くなります。自由なものの発想は、人々を生き生きとさせ、科学の進歩も促します。日本から製品を輸入するしかなかったのが、技術革新により製品を輸出できる国も生まれるでしょう。そうすれば石油が無くても大丈夫。豊かな国が中近東を始めどんどん誕生します。

近年、日本も政教一致国家を建てて大失敗をした
にもかかわらず日本人は過去の歴史から何も学んでいない!

「政教分離」を行わないことによって日本は大失敗をしています。明治から昭和20年の敗戦に至るまでの歴史は「政教分離」の大切さを教えています。国を挙げて天皇を神と奉り、国民だけでなく近隣諸国を植民地化して強制した結果、他のアジア諸国からはいまだに日本に対する恐怖の念が消えません。「神」の名の下にあらゆる失政、蛮行が正当化され、一旦始まるとブレーキが効きませんでした。

アジア、中近東の人々はイギリスを始めとするヨーロッパの列強諸国に植民地化され、搾取され続けました。その結果、彼らは列強諸国のことを大嫌いになりました。そこへ現れたのが日本です。しかし、日本は二番煎じで出かけていって列強を追い出したまでは良かったのですが、列強と何ら変わりない搾取・支配を続けたため、列強以上に他のアジア諸国から嫌われる羽目になりました。そして、長年ヨーロッパ列強が行った罪を代わりに日本が背負い侵略者としての汚名を一身に引き受けることになってしまいました。いまだに慰安婦問題や、強制労働問題で賠償請求をされ、特に中国・韓国の人々には深い傷を残しています。

それなのに、小泉首相の靖国神社参拝には国民の8割が賛成だったとか。「ああ、日本人は過去の歴史から何も学んでいない・・・」というのが私の感想でした。あれは完全に日本国憲法に定められた「政教分離」の原則に完全に背くものです。アメリカに急ごしらえで作ってもらった、消化不良の憲法だから無理も無いのかもしれませんが。「アメリカのブッシュ大統領だって神の名において大統領に就任したのだから良いではないか」という人がいますが、何もアメリカがすることだから正しいとは限らないでしょう。私は今回のテロに対する報復についても、ブッシュ大統領が頻繁に「神」の名を出すのでヒヤヒヤしているのです。何故なら、彼が「神」という言葉を出すとき、それは明らかにキリスト教の神を意味するからです。まさか彼がアラーの神の名において述べているはずはないでしょう。彼も物事の本質が余り分かっていない。あんなことを言ったら、11世紀末から13世紀末まで約200年間に渡って続いたあの十字軍の戦いの再現という意味合いを今回の戦争に与えることになってしまい、それこそ人類始まって以来の大戦争になります。第二次大戦どころではない、最大規模の最終戦争になってしまいます!!

小泉首相には、折角アメリカまで行ってブッシュ大統領に会ってきたのですから、その言葉遣いの誤りを厳重に注意するくらいの度量が欲しかったところですが、靖国問題で右往左往している首相には無理な注文です。彼の側近にもそれだけの人材がいないのでしょうね。寂しい話です。税金返して欲しいな。

私のテロ問題解決策

アメリカの人々へ

アメリカは政策の方向転換をするべきです。利己主義を捨て、多くの様々な国の人々に公平にチャンスを与えるべきです。今までのアメリカのやり方は余りにも汚な過ぎました。

例えば、年間数兆円という多額の資金を要する諜報活動によって得た各国指導者の弱みを最大限に利用して経済的にその国をコントロールするといやり方です。

日本の一部の政治家にCIAから資金援助がなされていることは既に新聞でも報道されました。またある巨大宗教団体がその巨額の資金を悪用してコカイン密輸に手を染め、日本の政治を壟断しているというような情報がアメリカの経済専門家から寄せられました。そういった重大な情報については、日本国民にちゃんと公開してください。そのような悪をのさばらせているから日本の国が良くならない。引いては経済をダメにし、それはアメリカにも跳ね返って行くのです。

アメリカさん、あなたのやり方はもう時代遅れです。

イスラム原理主義テロリストの人達へ

イスラムの教えには良い部分もあるかもしれない。しかし、女性の教育、社会進出教育を禁じるとか、イスラム法による裁判は全くの時代遅れ。偶像崇拝禁止、ということで映画、テレビ・ビデオ・写真は禁止、子供のおもちゃも禁止、というところまでくると、もう常軌を逸している。そんな教えで世の中が治まるはずがない。子供でもわかることです。もう、物の怪に取り憑かれているとしか言いようがない。

ある事件がきっかけでイランを脱出してスペインに逃れた父・母・娘の家族がいます。ご主人はイランである会社を経営していましたが、使用人が交通事故を起こして、相手は片足の膝から下を切断する重傷を負いました。イスラム法による裁判の結果、経営者であるそのご主人の責任ということになり、同じく片足を切断するという判決が出ました。

その判決の直後、ご主人とその一家はスペインに逃れました。一体何がどう転んで経営者の責任になったのかは知りませんが、それにしても被害者と同じく片足を切断するなどという判決は余りにも常軌を逸していると言わざるをえません。

また、女性の自由について。女性も男性も人間として同等の権利を有するべきです。女性にも学問をする自由を与えるべきです。イランのハタミ首相はイスラム国家での女性の自殺・発狂の確率が相当に高いと述べていましたが、さもありなん。幼年期、少女期は座敷牢のような生活。結婚したら家族のための奴隷のような生活というのでは、希望も持てず自殺したり発狂しても何の不思議もありません。

あなた達がそういう時代遅れの生活をしているから、過去にはヨーロッパ列強諸国にバカにされ、付け入るスキを与えたのです。まず誰もが平等に自由を享受できる社会を築きなさい。そうすれば産業は活発になり、必ずしも石油などの一次産品の輸出に頼らずとも生活できる国にきっとなりますよ。

テロというやり方は最低の行いです。何の解決にもなりません。憎しみは新たな憎しみを生むだけです。そして、そういう方法しかとれない最低のヤツらだ、と世界中から軽蔑されます。実際太平洋戦争当時、真珠湾をだまし討ちしたとして米軍兵士は日本軍兵士の死体の首を皆で蹴りあうなどしてもて遊び、挙げ句の果て頭蓋骨にペンキを塗って部屋に飾ったという話が伝わっています。パールハーバーをだまし討ちするような最低の奴等は人間としての扱いをする必要は無し、という訳です。恐らく、今回のアフガンへの侵攻でも同じことが繰り返されるでしょう。20数年以上もの内戦を経て、国土全体が難民キャンプのように疲弊してしまっている上に、またしても残虐な殺戮が繰り返されるのです。

日本の人達へ

アメリカの政府高官から、日本の国旗を見せてください、と言われたからと言って何も憲法を変えてまで自衛隊を派遣する必要はありません。日本には日本独自の外交ができます。日本がすべきことは戦争の手伝いではなく、その独自の立場を利用して世界経済の混乱を鎮めること。そして、あわよくばこの逆境を逆手に取って国際経済での指導者に躍り出ることです。

アフガニスタンの人達はアメリカが大嫌いです。イギリスのことも大嫌いです。過去の植民地政策と石油のメジャー支配のトラウマがまだ取れていない上に、アフガン戦争後の冷たい仕打ち、そして今回の侵攻となったからです。

しかし、日本は違います。事の善悪は別として、アメリカに対して唯一ケンカを売った小さな島国日本に対しては、むしろ尊敬の念をもってみています。中近東、アジア諸国が軒並み欧米列強の植民地としての支配を受ける中、日本だけは近代国家としての発展を遂げ、敗戦の廃墟の中から奇跡の復興を遂げました。そして、今なお世界第二の経済大国としての地位を築いていることは彼らにとっては大きな驚きであり、畏敬の念を抱かずにはおれないのです。

決してマネをして欲しくなかったのはあの自爆テロですが、あれも日本の神風特攻隊を真似たものです。日本のヤクザ映画も上映されていて人気があります。このように、日本のアラブ世界への影響は大変大きいのです。

このような下地があるわけですから、これを使わない手はありません。欧米に比べ、日本はアラブ世界での外交でずっと有利な立場にあるのですから。

今後長期的には、アラブ世界の若者達の心をつかむような外交を展開しなさい。彼らの多くはイスラムの教えに矛盾を感じています。宗教に束縛されない自由な生活を望んでいます。そして彼らを日本に留学生として招き、多くの親日家を育てて行きなさい。それが10年後、20年後の外交に必ず役に立ちます。いつか彼らがそれぞれの国の中枢をしめる地位に就くようになったとき、イスラム原理主義者によるテロは陰を潜め、自由を謳歌するすばらしい国ができているはずです。

アメリカはイランで折角チャンスがあったにもかかわらず、双方の国の特定の人々の利益を優先し過ぎたためイラン国民の大反発を買ってしまいました。結局はホメイニ師によるイラン革命を引き起こし、イランの民主化は遠のいてしまったのです。キューバでの失敗は生かされませんでした。

世界唯一の超大国アメリカの外交ですら、このようにボロボロの破れ目だらけ、お粗末なものです。日本はそんなアメリカにペコペコしてばかりいてどうするのですか?情けない!!まあ、靖国神社参拝に国民の8割が賛成しているような状態では国際社会のリーダーとなる日は程遠いでしょう。

1192(いい国)つくろう鎌倉幕府、等と覚えて○をもらうことが歴史を学ぶことでは決してありません。歴史を学ぶことは、過去の成功と失敗の真の原因を知ることです。そのことを今一度よく考えて欲しいのです。今回の事件で、日本が主導的な役割を果たせず、唯他の国に追随するだけの、主体性の無い情けない姿は、私を大変悲しくさせました。

Wed. Sep. 26, 2001

追記(その1)

日本は国際貢献のあり方を勘違いしている!
野党も判で押したように自衛隊派遣に反対するだけではダメ 
この国は与党も野党もこんなに能力の無い人達の集まりなのか!?


Show the flag と言われたからといって、何も武装した自衛隊を派遣することはないでしょう。いくら後方支援のみで戦闘の行われている地域には行かないとは言っても、兵站ということは明らかに重大な軍事行動の一つではないですか!?第二次大戦を始め、敵の補給路を断つということは最も重要な戦略の一つではなかったでしょうか。

戦いは長引くとは言っても、いつかは終わります。人類がその愚かさに気づいた時に。そして例え戦争は終わったとしても、人々の心には深い傷を残します。多くの脳損傷者を始め、新たに障害者が発生します。また、被害を受けた人々から恨みの感情を消し去ることは数十年できないでしょう。

そのときに光るのは、あくまで戦争回避に努力し、最前の策を尽くした人々と国です。日本は幸い憲法で自衛以外の戦闘行為が禁じられています。それを口実にして、と言えば語弊があるかもしれませんが、今こそ外交で国際舞台に躍り出るチャンスです。西欧列強とイスラム世界は、千年を超える宗教戦争と植民地の支配者・被支配者という血生臭い歴史を持っています。世界の大国の中では唯一、日本だけがその点では手が汚れていません。

今こそ、皆で国際貢献策を考えよう!

今、旅行業界は大変深刻な打撃を受けている。この業界を救うことも日本の国際貢献策の一つです。ハワイのワイキキ海岸からはめっきり日本人観光客の数が減ったそうです。このようなときこそ、旅行業界に救いの手を差し伸べ、世界経済を支えるべきです。

ハイジャックが起きる都度、乗客からは素朴な提案、「日本人は空手を習っているのだから日本人にテロリストの乗っ取りを防止してもらったら良いじゃないか」、が寄せられます。格闘技の有段者は国に登録し、航空機のボディガードとして働いてもらうとか、搭乗券を無料にするとかしたら面白いのではないでしょうか?

とにかく、国民も政治家も、もっと知恵を絞るべきです。

Tue. 2, October, 2001