母の事故後の精神異常    

以下は裁判所と医療機関に提出した母の日常生活について述べた文書です。いくつかのものをまとめました。

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 事故のけがにより、意味不明なことを口走り、妄想が出てきている。

妄想1: ドラ猫、不良猫、飼い猫・・・

姉のことをドラ猫と母(T子)が姉に向かって言うので、姉はドラ猫じゃないと私が注意すると、「タバコを吸っているのでおまえは不良猫だ」と叫びだす。

訳を聞くと、ノラ猫がいつも家の中に入ってきて、食べ物を盗むので、悪いことをする者はドラ猫、不良猫だと分類している。だからタバコを吸っている(女性が喫煙することに嫌悪感がある)姉は不良猫で、私はタバコを吸ったりしないので、飼い猫(飼い猫は悪いことをしない)となる。世の中の人はみんな猫と言っている。

妄想2: 私は天使

 私と話をしている時、突然自分は天使だと言いだし、訳を聞くと、臨死体験をして天国の世界を見てきたとのこと。

「そのときに天使の少年がいて、その中の綺麗なお兄ちゃんが『としちゃん遊ぼうよ』と言ってきて、しばらくその場所にいたとき美佐の声が聞こえて気がついたら、元の世界に戻っていた」

「もう一度天国に戻らなくては、天使のお兄ちゃんが待っている。私は天使だから、天使のお兄ちゃんが『今の世界にとしちゃんがいては可哀想早く天国においで』と言っている」

と訳の分からないことを口走ります。

妄想3: 私はいたいけなシンデレラ

 母が夕御飯の後片づけをしているとき、

「皿を拭かされるのは虐められているからだ。」と言うので、

「誰が虐めているの?」と聞くと、

「長女に虐められている、私はいたいけなシンデレラ」と言い、

私が「普通の人間やろ」 と言うと、

「シンデレラだったんよ知らなかった?」

と言う始末で、何か物事を頼んで気に入らないと、童話にでてくるシンデレラの様だと思うらしいのです。自分の娘たちのことを意地悪な継母だと言う。

妄想4:  物語と現実の区別がつかない

 私のことを熊くん、というので私は熊じゃないと返すと、「白熊だ」と言い、私のことを熊だと思うときがある。

「天使のお兄ちゃんのところにもどりたい」と言い、「今の生活を天使のお兄ちゃんが天国から見ていて、としちゃん可哀想と天国で泣いている」と言いだし、「天国に早く帰ってきてと言っている」と言い張る。 「悪魔みたいな娘たちから早く逃げないと・・・」

「本当に天使のお兄ちゃんいたの?」と聞くと「本当にいた」と言い、「でも美佐はいけない世界だ天使の私でなければ・・・」(意味不明)と言う。

 姉や私のことを名前で呼ばず、「猫りん」、「くまっこさん」、「ぽん太ちゃん」、「猫さん」と呼び、例をあげれば、外から電話をすると前だったら、美佐と言うのですが、「猫さんから電話がかかってきた」と言う始末です。外に連れていても、2時間位たつと、人がいる前でも「猫さん」、「みさらっち」と言い出します。又、デパートで欲しいものを買わないと人の前でも怒りだし、なだめても怒りが治まらないことがあります。全く、子供みたいな状態です。

妄想5: 祖父に対してのいじめについて

 前は祖父の面倒もみていたのに事故後は、「父は私をこの家に縛りつけている、監禁している」と言いだし、それから「私が幸せになれないのは、この家に縛りつける父がわるい、父がいるかぎり、幸せになれない」と興奮状態になり、祖父が言ってもいないことを言ったとかで怒りだし、それ以来ぜんぜん口もきかず、祖父が部屋に入ってくると、逃げてしまう。

夏に台風がきたとき、家が風に吹き飛ばされないように祖父が作業をしているとき、母がいきなり「台風の日に板を打っている家はいない」といいだし、興奮状態になり、祖父が言ってもいないのに、「アホはこの家にいなくてはいけない、おまえはどこもいけないと囁いた」(意味不明)と言ったと言い、何もしていないのに「早く死んでしまえ」と叫び、自分が持っていた櫛を何かにとりつかれたように叩き、祖父がその場所を立ち退かないので、「早く死んでしまえと」叫びながら、櫛をなげつけました。祖父に当たりもう少しでケガをするところだった。

事故後の母は、祖父をいたわるやさしさが喪失してしまい、祖父が話かけたりすると興奮状態になる。私たちが祖父と話をしていたり、世話を焼いていると、怒りだし「そんな人相手にするな」と言う。「ごはんも少なくせい!」と言い出す始末。祖父も85才なので体も弱ってきているが、あまりの状態のひどさに祖父も「なぜ、自分のことが憎むのかわからない」と悩んでいる。

事故の前は祖父の3人の子供の中で、一番頭も良く、人の世話もちゃんとし、心のやさしい娘だったのに、今は一言ものを言うだけで「私はこの家から出ていくで、あんたとは話をしたくない」と言い、「私のこと馬鹿にして、私のやることみんな気にいらんのやろ」と勝手に叫び、物をなげて、祖父を追い出す始末。

祖父は以前、病気で入院していたが、退院してから、「祖父がテレビやこたつの電気を付け放しだった」と祖父に言いにいき、祖父が「私は入院していたから知らない」と言うと、「付け放しだった」と言い張る。私が宥めて部屋に連れていきました。前はこんなことで怒ったりしませんでした。

仏壇の花の水を替えているとき。少しぐらいしか水を出さないのに「あの人は花の水を替えるとき、水をたくさん出しすぎる。毎日水を替えるのはやめてくれ」と祖父の日常の行動にケチをつけ、勝手に想像し、ぶつぶつなにか祖父に対して文句を言う。

初めの頃はそれで収まっていたのが、「祖父が人にもらってきた食べ物は腐っている」と言いだした。この頃は、新鮮な食べ物も「腐っている」と言い張って、「捨てろ」と言い、私が捨てないと、興奮状態になり自分でゴミ箱に投げ捨て、「祖父からもらった食べ物を食べて、美佐が食中毒をおこし、病院通いをしたじゃないか」と言いだす。実際には私は食中毒になっていないし病院にもいっていないので、「違うじゃない」と言っても「娘のM子は食中毒になり、病院に行った」と言い張ります。祖父が食べ物をもってくると賞味期限も切れていないのに切れていると言い、食中毒になると言って、ゴミ箱に投げつけてしまう。

 2年間祖父と話をせず、挨拶もせず、祖父がくると違う部屋に逃げ、祖父のいない部屋で、「私が幸せになれないのは祖父が私をこの家に縛りつけ、監禁している」と言い出す始末です。近くを通っただけでも、いやがり襖を締めてしまいます。わたしが目を光らせていないと、祖父に何をするか、わかりません。

 いまは祖父は母と顔会わせないように、遠慮して生活を送っています。こんな行動をしていても自分はおかしいと自覚はなく、気に入らない物は自分の勝手な想像がでてきて止まらなくなる。物に当たり、子供みたいな状態になり、わがままもわがままだと理解できなくなつている。事故の後遺症だと思います。

生活状態の変化1

前は子供の名前もちゃんと言えたのに事故後は、「猫りん」,「くまっこさん」、「ぽん太ちゃん」とかアニメのキャラクターの名前や、世の中を騒がした犯人、「鬼薔薇聖徒」などの名前で、私たちを呼び、注意してもなおらず、困っています。挙げ句のはてには「私も鬼薔薇ちゃんみたいに駄目な娘たちの首を家の近くの幼稚園の門の上に飾ろうかな」と冗談としてはとれない言動をし、訳の分からないことを口走り、テレビにてでくるものと現実が理解できなく、「としちゃんは頭脳明晰、私は天才あんたらとは一緒にしないで」等と言っています。 前は母として、子供を叱り、一家の大黒柱として長い間働いて、家族の面倒も見ていました。事故後の母は、おかしな場面でもないのに、笑っていたり、家族とコーヒーを飲みながら、話をしていると、話の途中から「ねこさんやから」とかいって話が脱線してしまって、「天使の世界では、食べなくてもいい、掃除はみんな天使のお兄ちゃんがやってくれた」とか 何かにつけ、天使のお兄ちゃんのことしか言わず。としちゃんは「天国では人気もの、お兄ちゃんらにモテモテ」だといいます。

事故前の母は、普通の話もでき、時には冗談もいいましたが、天国の話はしませんでした。今はその場所があるがごとく言い張ります。人を子供みたいに「猫りん」、「くまっこさん」としか呼ばなくなり、あげくの果てには「としちゃんは母を放棄したの」と言うしまっである。
何か思い通りにならないと怒りだし、言ってもいないことをいったとか、してもいないことをしたとかで、勝手に想像し決めつけてしまい。イライラが止まらなくなります。時には思い通りにならないと時々、物をぶっけたりします。物忘れもしばしばあり、名前も忘れてしまい、誰に何をもらったかとかも忘れてしまうことがあります。

ストーブの付け忘れもあり、物事をするときも、「私、あれしたかな?」私に聞くしまつです。記憶障害があるのと感情をコントロールできないのと、火・刃物類の扱いについても、冷静なときは自分にとって火・刃物等が危険なものであることは認識できますが、少しでもストレスになるようなことがあると、ストーブをつけっ放しにしたり、刃物類を正しく扱えなくなり、周囲にとっても危険な存在になることがあります。こんな状態でありますから、誰か一人家にいて、母の面倒を見ていないといけません。一人にしておくと何をするかわかりません。

生活状態の変化2

 羞恥心がなく 家の裏が公民館と幼稚園なのですが、窓が開いていても平気で着替えたり、「外から見えるから、やめなさい」と注意していますが、全然聞きません。 服もだらしなく、肌着がでていても平気でいます。以前の母は肌着がでていてたら、すぐ気がつき直していました。

 又、失禁もあり、尿意、便意は感じて用を足そうするのですが、間に合わないことが時々あり、ところかまわず、家の敷地の庭や玄関前でしてしまいます。外に連れていっても、我慢できないと車が通る道や畑のすみで、なにも考えずにしてしまい。ズボンもたまにちゃんとはいていなく下着が見えていたりします。以前は決まった時間に起きて、仕度をし、仕事にいってましたが、事故後は今日は何時にコレをして、アレをして、明日はこうしようか短期間のスケジュール、長期間の目標などを自分できめて行動できなくなりました。薬を飲ん だことも忘れてしまったり、私に「本当に飲んだっけ」と聞くことがあります。

 あとコーヒーを飲もうとして、電子レンジに入れたのを忘れてしまうことが毎日あります。電話で応対するときも、名前を聞いてすぐ忘れてしまい、後で私が聞いても思い出せない様子です。計算についても、1+1、2+2などの簡単な1桁の計算ならできますが、4+9や3+6+8など、少し複雑になると間違えるようになりました。基本的に集中力がなくなっているので、少しでも情緒不安定な状態になるとどんな簡単な計算もできません。

生活状態の変化3

 叔母たちとも話をするのですが、時間にして10分位のもので、「体は大丈夫?」とか簡単な話なのですが、話しのテンポがおかしい為に叔母たちも話しにくい様です。その時に妹さんから髪飾りをもらったのですが、何日かすると髪飾りを誰に貰ったか忘れてしまい私に聞いてきます。事故をする前は叔母たちとしっかり話ができたのですが、今は電話で会話をしていても、母が一方的に話しをするだけで、会話になっていません。他の人も話をしても、挨拶程度の話はできるのですが、長話になると忘れてしまう所がでてきて、すごく疲れてしまい、トイレに行きたくなるみたいで、落ち込んでしまうみたいです。

 買い物とかも私の友達に一緒に連れていって貰ったりするのですが、遠い所ですと体が疲れるみたいで車で寝てしまいます。母が家族以外の人と話ししていると緊張しているせいか、「猫さん」、「くまっこちゃん」とか変な言動はないのですが、時間が長くなってくると「くまっこさん」と呼ぶようになってきて困ります。

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