でもくらしちずん 通信 vol.2 1997年8月8日発行 |
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■でもくらしちずんな皆さんへ!■ 次回は8月22日です。 暑いですね。みなさんは、いかがお過ごしでしょう? 観光業の多い鳥羽市ですが、私の勤務先である水族館も、今が一番のかきいれどきです。 ところが、私の仕事場である企画室というところは、通常の仕事での忙しさはピークを過 ぎています。 夏の誘客のための仕事(TV番組の制作、雑誌への紹介、PR活動、特別展示など)は、 夏休みまでにすべて終えていなくてはならないからです。 しかし、だからといって私の部署が夏休みだけは、接客や売店の手伝いをしているとい うわけではありません。 この夏休みの間は、次の企画や仕事へ着手するための大切な準備段階なのです。来年の 企画や新たに始めることを、今この時期に進めておかなければ、気が付いたときには次の 打つ手がなくなってしまいます。 仕事にはこれで終わりという区切りはありません。そしてそれと同じく、私たちのまち づくりにも終着点はないのです。 日々、夢を達成する努力をするとともに、次のステップへの新たな夢を更新していくこ とが大切だと思います。 そんな気持ちでスタッフ一同、暑さに負けず、後半の『でもくらしちずん』運営に向け て企画を組んでいます。 8月22日に、またみなさんとお会いできるのを楽しみにしながら・・・。 ■講師の話■ 8月は日本JC会頭、村岡 兼幸氏 8月の講師である村岡兼幸氏は、私の友人の中では、今年最も忙しい人です。 家は秋田県の本荘市というところにあるのですが、そこに帰るのが毎月数日しかないと いうほどの忙しさ。 先日来、新聞や雑誌でちょっとした話題になっていますが、「地方分権実現のために全 国3232市町村を341市に再編成」という提言を出し、NPO社会の実現のためにイ ギリスに何度も足を運んで、NPO法案の進んだ形を提言し、それぞれを橋本首相に直接 渡しています。 また、市民参加のまちづくりの実践を全国的に推進するために、「小さなデモクラシー」 という理念の下、全国各地の青年会議所での講演活動を行っています。 今回は特に、村岡氏の造詣の深い、イギリスの現代民主主義を、グラウンドワークトラ ストなどのボランタリーな組織とその社会システムの実態を取り上げて、お話しいただく ことになっています。 *特別プレゼントのご案内* 次にご紹介するように、8月講師の村岡兼幸氏著作によるまちづくりの本が、8月末に 出版されます。 村岡氏のご厚意で、8月期の例会に出席された塾生の方にはもれなく進呈させていただ くことになりました。 なんと!1000円の参加費で、1400円の本がプレゼントされるのです。しかもその本には 鳥羽のまちづくり塾のことや、三重県知事との対談なども記載されています。 ちょと足が遠のいていた方も、これを機会にどうぞいらして下さい。 ■塾長近況■ 『めだかネット』 ワークショップグループ この数ヶ月間、8月講師の村岡兼幸氏が執筆している著書のお手伝いをしていました。 本の題名は『大変革、夜明け前〜メダカたちのデモクラシー〜』で、パロル舎という出 版社から発行されます。 内容は、地方分権・行政改革・グローバルスタンダードなどから、市民参加・NPOな ど、システムの変革と私たちの意識改革の必要性を分かりやすく解き、さらにそれを行動 に移す指針について、今最も新しい情報が満載された、まちづくり読本です。 私は、編 集のお手伝いの他、本の中の挿話を書いていたのですが、副題の「メダカたちのデモクラ シー」はその挿話の一つの題名です。 実は私たちは、村岡氏の提案で、前回の講師白石氏らとともに、「めだかNET」という、 NPOをネットワークしたワークショップグループをつくっています。 まちづくりや社会づくりを、行動に移すためには、実践者間の情報交換や意見交換が不 可欠であるとの考えと、各地の異なる活動をつなげて、より社会性の強い運動として国な どに提言をするという、市民参加(国民参加)の社会づくりにはなくてはならないネットワ ークです。 めだかNETには他に、大蔵省エリート官僚を辞して「構想日本」という国への提言セクタ ーを始めた加藤秀樹氏、白色度70%の再生紙を使う社会的なリサイクルシステム「オフ ィス町内会」をつくった半谷栄寿氏というお二方が、参加してくれていて、実に興味深い 話しを聞かせてくれます。 村岡氏の著書は、そんな活動の中から、生まれたのです。 めだかNETでの刺激は、『でもくらしちずん』での刺激に似ています。 ■ 人 ■ 佐賀県鹿島市長の税外税 5年ほど前から会員になっている「地球市民の会」という、NGO団体(民間ボランテ ィアによる国際協力の団体)の集まりで、佐賀県鹿島市の市長、桑原市長と知り合いにな りました。 桑原市長は、もとは様々な団体を巻き込んで、市民によるまちづくりを実践し「ガタリ ンピック」という干潟での泥んこスポーツ大会を開催されていた、まったく政治色のない 方でした。 しかし、そんな活動がきっかけとなって仲間から市長選に出てくれと談判され、7年前、 当時の貯金300万円という軍資金で出馬。2人の本命候補を押さえて、本人曰くマグレ で市長になった方です。 もともと市民が頑張らねばまちはよくならないというのが持論の方ですから、市長にな ってからも、「役所に頼ってもいかんよ。市民はプロの市民として責任果たさにゃ」と言 い。税金以外のまちに対する自主的な税金「税外税」を説いておられます。 「税外税」とはお金とは限りません。まちをよくするために、労力や知力など、なんでも いいから持ち寄って、まちづくりに関わって欲しいということなのです。 古いタイプの行政は、民間利益団体や業者とは組んでも、市民と一緒になんて絶対にや りたがらないし、情報を出すことさえ嫌がります。鹿島市がうらやましいですね。 6月にお話した、市内の中学校で福祉教育を行うことを条例にしているまちとは、この 鹿島市のことです。 (詳しくは、「大変革 夜明け前」を読んで下さい) さて、この桑原市長に、鳥羽市での講演をお願いしたところ、来ていただくことはでき るそうです。秋にでも、『でもくらしちずん』による、公開講演会を開けないかなと思案 中です。 ■NEWS■ 講師と一緒に飲んで語る。 懇親会に参加しませんか? 毎回例会終了後に、講師を囲んで会費2千円程度の懇親会を開いています。 今までスタッフだけで行っていましたが、前回から、塾生のみなさんにもお越しいただ いています。 10時半からなので、時間が遅くなってしまうのが辛いのですが、打ち上げ飲み会では なく、いつも講師に対しての突っ込んだ質問やスタッフ同士の意見交換で盛り上がります。 時間のある方は、ぜひご参加下さい。
でもくらしちずん通信に何かメッセージがあれば、表題に『でもくら通信』と書いてお送り下さい。