でもくらしちずん
通信  vol.6 
 1997年12月16日発行


■でもくらしちずんな皆さんへ!■
次回は12月20日です。

 先月のワークショップでは、『でもくらしちずん』の活動について、いろいろとご意見をいただいたのですが、あとで聞くとちょっと誤解があったようなので、改めて説明をします。
 『でもくらしちずん』を今後、市民活動支援組織にしていくことは、前回述べた通りですが、今行っている「まちづくり塾」そのものや、参加いただいているみなさんを組織化しようというのではありません。
 あくまでもスタッフメンバーたちが、そういった事業を起こしていきたいと思っているということなのです。
 つまり、『でもくらしちずん』のスタッフが、今行っている「まちづくり塾」を今後もみなさんに提供していくと同時に、ファシリテーターの派遣や、市民活動支援組織としても活動していきたいと考えているわけなのです。
 もちろん、それらの新しい活動に参加いただける方がいらっしゃるのなら、大歓迎ですが、「まちづくり塾」はまちづくり塾として、みなさんと楽しんでいきたいので、今後も「まちづくり塾」への参加が基本であると思っていただいて結構です。
 ただ、私たちスタッフの新しい活動に意見をいただきたくて、現在のワークショップを行っているのです。
 次回からも『でもくらしちずん』の行方に、さまざまなご意見をいただければありがたいと思っています。

■講師の話■
『鳥羽の地域文化』 目崎 茂和教授

 私は今、三重大人文学部の非常勤講師を勤めさせていただいているのですが、私なんかを採用してくれた滅茶苦茶な方が、今回の講師、目崎教授です
 目崎教授は、三重大に来られる前には琉球大におられて、アジアからの文化伝来という専門的な分野はもちろんのこと、実際に海に潜っての環境調査などに著名な先生で、歴史ある海のまち鳥羽にはたいへん興味をもっておられます。
 特に伊勢神宮と鳥羽との関係や、鳥羽の各地に伝わる祭りなどの研究に関しては当代一。神島沖の「鯛の島」沈没について研究発表もされています。
 まちを語り、まちの特性を考えるときには、まちの歴史的シチュエーションを正しく理解することは必須であるといえますが、かつて目崎教授がおっしゃっていた、「伊勢神宮が今の地に鎮座したのは、常世の波の寄せる海が鳥羽にあったからだ」という言葉が今も記憶に残っています。
 日出づる東方から波が寄せると同時に、貢物として献上する海産物の採れる豊かな海。それを擁するのが私たちの鳥羽の地であると考えれば、私たちは神が選んだ土地に住んでいるということです。
 私は、よその土地からたまたまこの地に住むようになったのですが、そのたまたまに今は誇りを持っています。

■NEWS■
大里本町の都市計画にワークショップ。
『でもくらしちずん』からファシリテーター派遣

 これは大変なことになってきました。
 前にもちょっと申し上げたのですが、大里・本町の都市計画を、住民の側から進める会議が、来年からワークショップを取り入れて行うことが、先日会議出席者全員の総意で決定したのです。
 しかもそのファシリテーターは、『でもくらしちずん』のスタッフから派遣することになりました。
 私たちは、まちづくり塾として皆さんと一緒に学習するとともに、ワークショップを通じて、今後の市民参加に必要になってくるファシリテーターのボランティアを養成するべく勉強を重ねてきました。
 しかしながら、それが実際に使われるのはまだまだ先の話しだと思っていたのです。
 それがこんなに早く実現してきたのは、このまちづくり塾に、積極的に参加しただいている行政の方が何人かいたからに他なりません。
 まちづくりプロ集団の自負がある行政から、何人もの方がお越しいただいているだけでも、エキサイティングなことですが、それで得た知識を、都市計画の会議に活かそうとされた気骨には、さらにありがたく感じました。
 都市計画が最もやっかいだとさえ言われている大里・本町ですが、私たちスタッフはこの機会を十分に活かすべく、ファシリテーター養成講座なども新たに考えていくつもりです。
 意識ある鳥羽市行政マンの方々に対して、皆さんもぜひエールを送っていただければありがたく思います。
 また、自分もファシリテーターやってみたいと考えておられる方は、どうぞご連絡下さい。
 自治会や職場の会議などでも使えますから、おそらく色んな場面で活用されることができるはずです。ファシリテーター、やってみて損はないと思いますよ。

■ 人 ■
答志中学をサポートする
山本輝久氏

 今回は身近に鳥羽在住の方です。答志島で趣味を楽しみながら、まちづくりに参加されている方を紹介させていただこう思います。
 山本さんは、答志出身の現在41才、雑貨屋さんの家業を継ぎながら、鳥羽市を発信するインターネットのホームページを作ったり、小説を書いたりしてパソコンを楽しんでいます。
 そこで、答志中学とアメリカの中学とのインターネット交流実験事業の、パソコン指導ボランティアとして、お願いしたところ、快く引き受けてくださいました。
 実は山本さんは、脳性麻痺によるハンディキャップを持っているのですが、そんなことは微塵も見せずに、今や答志中学の事業にはなくてはならない存在となっています。
 山本さんは皇學館大學卒業後も、三重大の特殊教育特別専攻科を修了されたそうで、彼のホームページにも、この地域の施設の、ハンディキャップ対応度などの情報も掲載されています。
山本さんは、今後、パソコンネットワークによるバリアフリーについて取り組みたいとのこと。答志中での事業サポートボランティアが、多くの人とのつながりを広めるきっかけとなったと、授業のある日を楽しみにされています。
○山本さんのホームページ
「しおさいクラブ」
 http://www.tcp-ip.or.jp/~siosai/

■NEWS−2■
新居浜市に行ってきました

 あのパワフル講師、白石氏のまちづくりを視察に、四国の新居浜市に行ってきました。
 聞きしにまさるパワフルぶりで、民間と行政のまさしく第三セクターで、ケーブルTVを立ち上げたり、そのインテリジェントビルを建てたり、しかもその中に市民活動団体のための24時間使える無料事務局を入れたりと、頑張っている様子がありありと見ることができました。
 また、NPO支援NPOとして立ち上げた「good will」も、さびれかけた商店街の中に(といっても立派なアーケード街でしたが)出来ていて、市民パワーを見せつけられました。
 そして、こんな風にさまざまな形で市民パワーを出せるのは、何故かと言うこともおぼろげながら分かりました。
 それは、彼ら市民がやる気のある行政マンを支えているからです。行政に頼ったり責めたりするのではなく、やる気のある行政マンを支援するという構図が、市民と民間参加のまちづくりにたいへん役立っています。
 当日は祭日だというのに、私たちを案内してくれたのも、その後の懇親会に参加してくれたのも、行政の人たちでした。
 幸いにも、『でもくらしちずん』にも、やる気のある行政の方々が多く参加していただいています。
 このみなさんを、大いに盛り上げていくことが、私たちの目指す市民参加・市民主導のまちづくりに繋がることだと思います。



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(C) 1996 Hajime Nakamura.