磯ップ物語−9
3羽のペンギン、グー・フー・ウー 地球流民
素直なグー、頭のいいフー、しっかり者のウー。3羽のペンギンたちは、そろそろ自分の家を作らなくてはなりません。 素直なグーは海鳥の糞でできた柔らかい土に穴を掘って家にしました。おかげで家は1日でできてしまいました。 それを見ていた、フーとウーは言います。 「ダメだよグーそんな家じゃ。狼が来たら一瞬で踏みつぶされちゃうよ」 でも、グーはニコニコするばかり、家を建て替えようとはしませんでした。 頭のいいフーは、森の中で木を集めて家を建てることにしました。海から森は遠かったし、木は重いので、家ができるまで一週間かかりましたがフーはとても満足です。 それを見ていたしっかり者のウーは言いました。 「ダメだよフーそんな家じゃ。狼に火をつけられたら燃えてしまうよ」 でもフーは、木の家が気に入っていたので、建て替えようとはしませんでした。 しっかり者のウーはつぶやきます「みんなどうしたんだろう? 学校で"3匹のこぶた"の絵本を読んで勉強したのに・・・」 ウーは、堅い断崖に穴を掘り始めました。しっかり者のウーの穴を掘る音は1ヶ月も聞こえ、ついに、たいそう立派な石の家ができました。 これなら何が来ても大丈夫です。 ウーの石の家を見たフーは、感心して言いました。 「ウーは偉いなあ。絵本の勉強もよくしたし、それに努力家なんだよね」 でも糞の家のグーはやっぱりニコニコするばかり。だって、あの3匹のこぶたの話は、遠いところにある争いの絶えない国の物語で、この島には狼なんていないんですから。 ![]() ほら、フーとウーが時間をかけて家を作っている間に、グーには素敵な彼女ができて、家からヒナの鳴き声も聞こえてきますよ。 |