伊勢志摩PO-NPO-N通信
中村 元の、ぽんぽん道楽

episode 「ウルトラ警備隊の時代



 今日もウルトラ警備隊は散々でした。
 いくら戦っても、宇宙怪獣は手強くて勝てないのです。 ウルトラQの時とは違って、今じゃ、ウルトラセブンが出てこなくては決着がつかないのですから、どうしようもありません。

 子供たちは、弱いウルトラ警備隊が戦っている間はゲームをしています。 「どうせさ、ウルトラセブンが3分間でやっつけてくれるんだもん」

 若者たちもウルトラ警備隊に入隊しようなんて思いません。 それどころか、「戦っても意味ないんだからさあ、遊びに行こうよ」とアンヌ隊員をナンパする始末です。
 そこでついに、キリヤマ隊長は、ウルトラ警備隊の解散を決意しました。

 解散の翌日、また宇宙怪獣がやってきました。 さあ今回は最初からウルトラセブンの出番、3分で決着は付くはずです。
 ところが、待てど暮らせどウルトラセブンは出てきません。 あわてもののダン隊員がお約束通り、変身用のウルトラアイを谷に落としてしまったからです。

 やっとのことで変身した頃には、街はズタズタに壊されていました。 その上、怪獣の弱点も知らないウルトラセブンでは、なかなか勝てません。
 結局、3分経っても勝てずにウルトラの星M78へ帰ってしまったのでした。
 (おしまい) 

  まちづくりのウルトラセブンは、政治や行政の力です。 とても強い力を持っていますが、それは最後の必殺技であり、私たちの暮らしを守ったり、社会の弱点を見つけたり、あるいは怪獣が悪い怪獣か善良な怪獣かを見分けるような時間もありません。 3分間でてきぱきといろんなことを片づけなくてはならないのですから。
 ウルトラ警備隊の力は、NPOの力です。必殺技はないけれど、ウルトラセブンと協働をすることによって、地球を守れます。 なによりも頑張れば誰だって警備隊に入ることができるのです。
 ポンポン警備隊も2年目に入りました。 基地もできたことだし、みんなの知恵と力を合わせて怪獣と戦いながら、優秀なポンポン警備隊員を増やしていきましょう。

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(C) 2000 Hajime Nakamura.