昔むかし、まだサンタクロースたちが、若いヤンキー聖人だった頃の話です。
サンタたちは、クリスマスにプレゼントを配るのを、もう止めようかと相談していました。 5年前にヤンキー仲間で、「ワルも飽きたしよー、いーかげんなんか聖人らしいことでもしてみっか?」と軽い気持ちで始めたのが、有名になってしまい、よい子は増えるばかりだし、イブの夜に彼女と過ごせないし、なんかもう面倒になってきたのです。 待ってるよい子たちへの責任がある…なんて意見もあったのだけど、即却下。 「オメー、あいつらよい子ですとかいってさー、悪ガキだったりするんだぜ。」 「オレなんか彼女イナイ歴5年だよ。今年はイブパーティーでゲットして即ニャンしてーよ」 「オレたちワルじゃん。人のためとか責任とかっておかしいね」 そんなノリで、ついにサンタの活動は休止することになったのでした。 イブの夜がやってきました。 サンタたちはそれぞれ、デートの準備をしたり、パーティーに行く服を着たり、改造ソリを磨いたりしていましたが、どうもソワソワ落ち着きません。 だって、そんなことをしながらも、無意識のうちに世界中のよい子からの手紙を手にして、ついつい読んでしまっているのですから。 でも、それは見知らぬ子どもたち、よい子だとウソをついている子どもたちなのかもしれません。 だから「人のことなんかより、自分のこと、自分のこと。」と自分を言い聞かせます。 ところが、時計が12時を告げる頃、無人のはずのサンタの館に灯がともりました。 サンタたちは、全員そろっていて、何もなかったかのようにソリの準備をしています。 サンタクロースの仕事は、人のためなんかではなく、自分の幸せのためだったんだと気づいたのです。 その時から彼らは、ずっとサンタクロースを続けています。 だからサンタはみんなおじいさんなんですね。 (おしまい) |
クリスマスの月に、ついにNPO法人になったぽんぽん団。 社会に責任が出来てしまったけれど、実はそれって、自分たちの気持ちに対する責任なんですね。 今までと変わらず、ゆったり楽しい満足を求めて活動を続けていきましょう。 |