2002年5

5月17日(金)番犬敬白 

探偵講談二銭銅貨

 旭堂南湖さんの講談会「名探偵ナンコ」第五回は、3月の「魔術師・序」につづく乱歩作品「二銭銅貨」が登場いたします。入場者には名張名物二銭銅貨煎餅(山本松寿堂謹製)を一袋ずつプレゼントするという太っ腹企画もございます。どちらさまもお誘い合わせてにぎにぎしくご来場いただきますようお願い申しあげます。

第五回「名探偵ナンコ」 ─よみがえれ!探偵講談─
 日時5月26日(日)午後6時開場/6時30分開演
 会場Team 火の車稽古場(地図
    デジタルエイト(旧関西テレビ)地下一階
     *午後6時を過ぎると正面玄関が閉まりますので、
     右横にある守衛口からお入りください。
    JR 大阪駅・地下鉄梅田駅下車徒歩15分/北区西天満6-5-17
 料金1500円(二銭銅貨煎餅付き)
 出演旭堂南湖「長講 探偵講談 二銭銅貨」(原作・江戸川乱歩)
        「雷電の初相撲」(寛政力士伝)
 ゲスト芦辺拓(作家)「対談・探偵講談と探偵小説あれこれ」

 上方講談師・旭堂南湖 HP「正直南湖」

2002年4

4月4日(木)番犬敬白 

海野十三忌講演会

 徳島県の「海野十三の会」(山下博之会長)が手がけます恒例の海野十三忌講演会、今年の講師は日下三蔵さんでございます。詳細のお問い合わせは、同会理事の小西昌幸さん(電話088・698・2946)へどうぞ。

 日時5月12日(日)午後2時−4時
 会場阿波観光ホテル四階ホール 徳島駅から徒歩1分
    徳島市一番町3−16−3/電話088・622・5161
 入場料無料
 主催海野十三の会
 後援出版芸術社、筑摩書房、『新青年』研究会、朝日新聞徳島支局、徳島新聞、毎日新聞徳島支局、NHK徳島放送局、四国放送、エフエムびざん

 演題海野十三・再々評価に向けて
 講師日下三蔵(くさか・さんぞう)SF・ミステリ研究家、フリー編集者。日本推理作家協会会員、日本SF作家クラブ会員。1968年2月、川崎市生まれ。専修大学文学部卒。現在「SFマガジン」「小説推理」で日本SF論と書評を担当。共著に『日本ミステリー事典』(新潮社)、『江戸川乱歩99の謎』(二見文庫)など。

 日下三蔵さんのメッセージ
 
海野十三の読者を大別すると、次の三つの世代に分類できると思う。(1)戦前から戦後にかけて、海野の発表する作品をリアルタイムで読んでいた世代、(2)昭和40年代のリバイバル・ブームの際に復刊された作品で海野作品を知った世代、(3)それ以降、アンソロジー収録作や古本、三一書房版の全集などで海野作品を知った世代。
 もちろん、この区分は厳密なものでなく、中間に位置する読者もいるだろうが、おおよそこうした経緯をたどって読者が推移してきたことは間違いない。当然のことながら、これまでの海野十三評価のほとんどは、第一、第二世代の読者によって行われてきた。しかし、海野作品がさらに永く読み継がれていくためには、第三世代以降の――即ち「今の目で見た」――作品評価が不可欠であろう。第三世代の読者を代表して、次の世代に伝える海野作品の魅力を検証してみたい。

 主催者のメッセージ
 
講師の日下三蔵氏は気鋭のSF・ミステリ研究家で、昨年ちくま文庫から出た『海野十三集 三人の双生児』を編集し解題も執筆した。講演では、海野十三が生前交流した江戸川乱歩、横溝正史、小栗虫太郎、蘭郁二郎など探偵作家たちとの友情などに触れつつ、海野の作品集出版の動向と、没後五十年の歳月の中で作品評価がどう推移してきたかを検証。新たな視点から海野十三の魅力に迫る。

2002年3

3月12日(火)番犬敬白 

探偵講談魔術師・序

 明治時代に流行した探偵講談の復興を志す大阪の若き講談師、旭堂南湖さんの講談会「名探偵ナンコ」をご案内申しあげます。
 3月24日の第四回は、パンッ、いよいよ乱歩作品の登場でございます。パンパンッ。「魔術師・序」と銘打ちまして、パンッ、波瀾万丈の大活劇「魔術師」が、パンパンッ、堂々上演されることとあいなりました。パパンパンッ。開巻劈頭の「早業」から「名探偵の溺死」まで(創元推理文庫『魔術師』で申しますと19ページから86ページまで)、上演時間はおよそ五十分。執筆から七十年以上もの時を隔てまして平成14年の春弥生、パンパンッ、かの傑作長篇「魔術師」が初めて講談化される次第でございます。パパンパンッ。いったいどのような名調子が披露されますものか、興味は津々として尽きません。パンッ。どちらさまもお誘い合わせてお出かけくださいますよう、パパンパンッ、伏してお願いを申しあげます。パパンパンパンスッパンパンッ。
 以上、僭越ながら張り扇入りでお届けいたしました。パンパンッ。

第四回「名探偵ナンコ」 ─よみがえれ!探偵講談─
 日時3月24日(日)午後6時開場/6時30分開演
 会場Team 火の車稽古場(地図
    デジタルエイト(旧関西テレビ)地下一階 *午後6時を過ぎると正面玄関が閉まりますので、右横にある守衛口からお入りください。
    JR 大阪駅・地下鉄梅田駅下車徒歩15分/北区西天満6-5-17
 料金1000円
 出演旭堂南湖「長講一席 探偵講談 魔術師・序」(原作・江戸川乱歩)
    旭堂花鱗「幸助餅」
 ゲスト芦辺拓(作家)「対談・探偵講談と探偵小説あれこれ」

 旭堂南湖さんのメッセージ
 
講談には「軍記物」「世話物」などの他に「探偵講談」と呼ばれるジャンルがありました。明治に流行し、昭和初期まで探偵講談を盛んに読んでいる講談師がいたのですが、戦後、講談師の数の減少とともに、消えてしまい、今では探偵講談をやる者がほとんどいなくなってしまいました。あれだけ流行った講談も今では、既に滅んだ芸能と思われております。「コウダン」と言えば、「道路公団」と勘違いされたりします。それはあまりにも悲しく寂しいと思い、先人の遺産を復活させ、次世代に伝えようと思い、昨年度から「探偵講談の会」を立ち上げました。作家の芦辺拓先生にも御協力をお願いしながら、一生懸命喋っております。
 一回目は、明治時代の講釈師が創作した「夢の世界」という話を読みました。そして、二、三回目はルブラン原作「ルパン対ホームズ」を昭和初期の講釈師が講談化したものを連続物として読みました。四回目の今回は、遂に乱歩作品に挑戦することになりました。やはり、小説として完成されているものを、講談化する難しさはあります。講談は、朗読とは違いますので、一言一句小説のままを喋るわけではありません。しかし、乱歩先生も愛した講談独特のリズムで物語ることによって、何か新しい魅力を発見して頂ければ幸いです。
 さてさて、一体、如何なる波瀾万丈の物語が展開されるのでしょうか。それは……当日のお楽しみです。明智小五郎のモデルとなった、名人講釈師神田伯龍先生の足元にも及ばない駆け出しの講釈師ですが、末長く応援して頂ければ有難いと思います。
 最後に、『魔術師』の講談化を許して頂きました、江戸川乱歩先生のご子息である平井隆太郎先生に心より御礼を申し上げます。

 上方講談師・旭堂南湖 HP「正直南湖」 

2002年1

1月1日(火)番犬敬白 

企画展二件

 どちらさまもご健勝にて新春をお迎えのこととお慶び申しあげます。
 初春一番の番犬情報は乱歩に関わりのある企画展のお知らせでございます。

江戸川乱歩と横溝正史・大藪春彦・仁木悦子
 会場世田谷文学館
    東京都世田谷区南烏山1-10-10 TEL:03-5374-9111
 会期1月12日(土)−4月14日(日)

少年倶楽部展 甦る名作の世界
 会場講談社野間記念館
    東京都文京区関口2-11-30 TEL:03-3945-0947
 会期1月19日(土)−3月24日(日)

 一方は横溝正史生誕百年にちなみ、乱歩と交流のあった世田谷ゆかりの三作家を紹介、もう一方は「少年倶楽部」を飾った挿絵の原画を中心に、原稿や附録その他を展示する催しでございます。詳細は両館それぞれのオフィシャルサイトでご覧ください。

世田谷文学館 

講談社野間記念館