2008年3月
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いやどうも、どうもすっかりご無沙汰してしまいました。お元気でいらっしゃいましたか。先月20日の伝言を最後として、一か月以上も更新をお休みしてしまいました。パソコンの不調で更新できなかったときを除けば、かくも長きブランクはかつてなかったと記憶いたします。もしかしたらご心配をおかけしていたかもしれません。ひとえにお詫び申しあげます。 積もる話は数々あれど、復帰一日目のお知らせは犬のことをおいてほかにありません。あるものですか。昨年5月21日、名張人外境番犬ニコライ・フセヴォロドヴィチ・スタヴローギンが十三歳と十か月で永眠いたしましたおりには、掲示板への投稿やメールによって温かいご厚志をたまわりましたこと、いまもって感謝に堪えぬ次第ですが、あんときゃほんとにまいりました。 コンラート・ローレンツは『人イヌにあう』(小原秀雄訳、至誠堂)にこんなことを書いています。
引用しているだけで沈み込んでしまいそうになりますが、老いてゆく犬を見るのはつらいものです。可愛がってきた犬の老病苦死をまのあたりにするのはじつにつらいことです。飼い主の遠くない晩年を犬が先取りしているように見えてきたりした日には、これはもう切実につらい明け暮れとなってしまいます。だから犬が死んだあと、また犬を飼おうという気にはとてもなれません。 去年5月に犬が死んで、そのすぐあとだったと思うのですが、地域の名門三重県立名張高等学校の事務室で野暮用を済ませていたときのこと、先生方の立ち話が耳に入ってきました。子犬のように耳をそばだててみたところ、学校のなかに子犬が迷い込んできたのだがさてどうしたものだろう、みたいな話柄であると知れました。こーりゃいかん、そんな子犬と眼が合ってしまったら、たぶん貰って帰らずにはいられなくなるだろうと思ってわけもなく狼狽し、そそくさと用事を済ませて鞄を小脇に追われるごとく事務室を飛び出してしまったこともあったのですが、とにかく犬を飼う気にはなれませんでした。いまから犬を飼ったりしたらどっちが先にくたばるかわからんぞ、というのもその理由のひとつだったのですが。 復帰一日目の伝言は、リハビリといいますか慣らし運転といいますか、とりあえず以上でとどめます。ではまたあした。 といったところで思いつきました。掲示板「人外境だより」の件、ご存じのとおり欧文のスパム投稿で埋めつくされているのですが、対策を講じるのもなんだか面倒なので、とりあえずブログのエントリを代用することにいたしました。コメントをご投稿いただければ、掲示板としてご利用いただけます。アドレスは下記のとおり。 http://nabarimachinaka.blog.shinobi.jp/Entry/358/ それではまたあした。 |
3月もきょうを入れてあと五日となりました。4月1日には犬との散歩を開始することにしているのですが、その前日、3月31日を最後に、これはプログでは以前からお知らせしていたことなのですが、名張市立図書館との縁を切ることにいたしました。なぜか、とお尋ねの諸兄姉には、名張市に愛想が尽きたから、とお答えするしかない次第なのですが、こんな返答では身も蓋もないかもしれません。もうちょいくわしいことを記しておくことにいたします。 少し以前からの事実を確認しておきますと、まず昨年5月、犬が死にました。泣けた泣けた、こらえきれずに泣けました。 昨年6月、名張市の定例会で江戸川乱歩文学館なるものの断念が発表されました。議事録は名張まちなかブログ3月16日付エントリ「市議会の乱歩 2007」に引用。 昨年7月、名張市の監査委員に対して住民監査請求を行いました。請求書の文面は「名張市長に対する措置請求書」(PDF)、添付した参考資料は「僕の住民監査請求 第一部 迷走篇」「僕の住民監査請求 第二部 惑乱篇」「僕の住民監査請求 第三部 猜疑篇」「僕の住民監査請求 第四部 零落篇」(いずれもPDF)でお読みいただけます。 昨年8月、名張市教育委員会に対して「名張市教育委員会の職掌内において、江戸川乱歩への言及があるすべての公文書」の公開請求を行い、「公文書不存在決定通知書」(GIF)を受領しました。 昨年9月、名張市監査委員から「名張市長に対する措置請求の監査結果について」の通知がありました。全文は名張まちなかブログ9月21日付エントリ「住民監査請求棄却」に掲載。 いやー、なんとめくるめくような日々であったことか。ていうか、われながら何ばかなことやってたんだろうと感心したりもしてしまいますが、すべては避けて通ることのできぬ愚挙であったとお思いください。すべてについていちいち説明するのは大変ですから、本質的な問題だけを簡単に記したいと思います。 本質的な問題は、名張市はいったい乱歩をどうするのという一点に尽きます。しかし実際には、どうするもこうするもありません。名張市はそんなことを何も考えておりません。四十年ほど前からたまに思い出したみたいにして、乱歩文学館だか乱歩記念館だかをつくろうかな、といったうわごとを口走るしか能がありません。いちばん最近のうわごとは乱歩生誕地碑が建つ桝田医院第二病棟の寄贈を受けたことに端を発したものでしたが、上に記したとおりあっさりぽしゃってしまいました。 私が名張市立図書館に乱歩資料担当嘱託として迎えられたのは1995年10月のことでしたが、乱歩なんとか館なんかつくってんじゃねーぞこの低能自治体、ということは当初から公言しておりました。そんな気のふれたようなこといってないで、これまで地道に収集してきた資料を活用すればいいではないか、というのが私の一貫した主張であって、資料活用の一環として『乱歩文献データブック』『江戸川乱歩執筆年譜』『江戸川乱歩著書目録』と江戸川乱歩リファレンスブック三部作をつくり、ひきつづいて2004年には『子不語の夢 江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』を刊行することもできましたので、そろそろ乱歩シーンから引退する潮時かな、と考えないでもなかったのですが、2004年には桝田医院第二病棟の寄贈を受けたこともあり、それからもうひとつ、やっぱ『江戸川乱歩年譜集成』をまとめておいたほうがいいだろうなという気にもなりましたので、市立図書館との関係を継続することにいたしました。 それからがまあひどかった。2005年にまとめられた名張まちなか再生プランとかいうのがじつにひどいもので、名張のまちにある細川邸という旧家を歴史資料館として整備するという構想には乱歩の名も記されておりましたから知らぬ顔もしておられず、関係者にあれこれ助言忠言をくり返してもこれがいっこうに聞き入れられない。ばかというのはほんとにどうしようもないものだなと閉口しているあいだに2006年が過ぎ去ってしまい、2007年つまり去年2月のことですが、名張市役所で名張まちなか再生委員会の乱歩関連施設整備事業検討委員会なるものが開かれました。招かれましたから顔を出したのですが、話なんかまとまるはずはありません。そんなことはいいとして、ご出席だった名張市教育委員会の教育次長から聞き捨てにならない発言がありましたので、私は驚いてしまいました。 以下、教育次長に送信したメールの内容を転載。
最後のメールに添付した画像がこれ。 いやもうひどいものです。こちらのしつこさは筆舌に尽くしがたいものですが、相手のかたくなさも相当なものです。かたくなに何も返答しないまま、けさの新聞報道によりますとこの教育次長は春の異動で総務部長に就任されるそうなのですが、責任回避と思考停止を重ねていればそれで何もなかったかのように過ぎてゆく。お役所というのはなんと恐ろしいところなのかということはさておいて、教育次長が答えようとしないのであればしかたありません。上に記しましたとおり公文書公開請求を行ったところ、「公文書不存在決定通知書」なるものが届けられました。「江戸川乱歩に関係する資料の将来的活用や政策的方向性について、長期的展望を示した公文書」はどうよと求めたのに対し、「教育委員会において、上記公文書は作成されていない」との回答があったわけです。 むろんそんなのは最初からわかっていたことであって、だから私は図書館の嘱託として資料活用の道をわかりやすく示したつもりなのですが、教育次長はそんなことは知らんという。おまえが示したことを100%受け容れるつもりはないという。それならそれでいいけれど、だとしたら教育委員会はいったいどう考えているのかと尋ねたところ、教育次長はいっさい答えず、教育委員会の公文書を調べてみても「不存在」という答えしか返ってこないありさまで、むろんそんなのは最初からわかっていたことであって、だから私は資料活用の道をわかりやすく示したつもりなのですが、と堂々めぐりに陥ってしまうしかありません。 ですからわかりやすくごく簡単に、しかしなんだかいじけたようなことを記してしまいますと、ああ、おれは必要とされてないんだな、と私は思ったわけです。おれがやったことはお役所的には意味のないことだったんだな、と思ったわけです。だったらおさらばするしかないわけだ、図書館とはきれいさっぱり縁を切り、あとはひとりの市民としてこの名張市とかいう低能自治体をぼこぼこにしてやるだけさ、とまで思っているのかどうかは自分でもよくわかりませんが、とにかく名張市立図書館とおさらばするの弁、本日はこれまでとしてあすにつづきます。 |
名張市立図書館とおさらばするの弁は勝手ながら中断いたしまして、といったってたいした理由もないのですが、手許にたまっている乱歩関連情報のめぼしいところを取り急ぎ総ざらいしておきたいと思います。 まず雑誌。 掲示板「人外境だより」(おニューのほうです)で古畑拓三郎さんからもお知らせいただきましたが、「サライ」4月3日号は「追跡。日本の名作ミステリー」を特集しております。もちろん乱歩も登場。オフィシャルサイトはこちら。 つづきまして、2ちゃんねるミステリー板「【緑衣の鬼】 江戸川乱歩 第十一夜」にも律儀な報告が投稿されておりますが、「ビジネスジャンプ」増刊の「ビージャンこん」40号は東元さんの連作「赤い部屋」の一篇「人でなしの恋」を掲載。オフィシャルサイトはこちら。 つづいて書籍。 論創社から2月に出た本ですが、論創海外ミステリ73は A・M・ウィリアムスンの『灰色の女』、論創ミステリ叢書33は『森下雨村探偵小説選』。前者は乱歩の「幽霊塔」の元ネタだった黒岩涙香の「幽霊塔」の原作。後者は長篇二作を収録し、あわせて収められた評論や随筆も貴重です。さてオフィシャルサイトはと見てみたら新刊の内容紹介はすべてアマゾンへのリンクで済まされておりますので、それに準ずることにして前者はこちら、後者はこちら。 お次もアマゾンへのリンクでご紹介することにして、アメリカで刊行されたアンソロジー『Modanizumu: Modernist Fiction from Japan, 1913-1938』がこちら。乱歩作品は「二銭銅貨」「押絵と旅する男」「芋虫」の三作を収録。ほかの収録作家は村山槐多、稲垣足穂、尾崎翠、川端康成、伊藤整などといったあたりのことはまたあらためて。 つづいて催事。 これも「人外境だより」で古畑拓三郎さんから教えていただいたものですが、あさって3月30日に東京古書会館地下ホールで平井憲太郎さんと渡辺憲司さんのトークイベント「乱歩は和本のコレクター !?」が催されます。「神保町さくらみちフェスティバル〜春の古本まつり〜」併催イベントのひとつ。オフィシャルサイトはこちら。 最後は新聞。いずれも本日「RAMPO Up-To-Date」に録したものです。 まずは毎日新聞の「お気楽 SAMPO:名張の旧市街地、散策しませんか 参加者募集──7、8日 /三重」。わが名張市で江戸川乱歩生誕記念碑などをめぐるイベントが行われるという記事で(もう終わりましたけど)、ほんとにお気楽でどうもすいません。 次も毎日新聞で「寄贈:名張 RC、6中学に2093冊を 名張・北中生徒ら感謝の言葉 /三重」。名張ロータリークラブが設立45周年を記念して六つの中学校に図書を寄贈したのですが、寄贈図書のなかには乱歩の全集が含まれていたというニュースです。ロータリークラブといえばライオンズクラブと並ぶ天下御免のスノッブ集団。スノッブにしては気のきいたことをやっていただいたものだと思います。 次もまた毎日新聞で「ワセダミステリクラブ:発足50周年迎え記念パーティー 280人が出席」。乱歩を顧問に迎えた発足から幾星霜、ワセダミステリクラブが五十周年を迎えたという記事です。 次はフリーペーパーなのですが、フリーペーパーも新聞として扱うことにして「ROOS」3月号の特集「文豪の里を行く〜江戸川乱歩ゆかりの地を訪ねて〜」。内容紹介は名張まちなかプログの3月20日付エントリ「文豪の里を行く」でどうぞ。 新聞の最後は山梨日日新聞の「「横溝正史館」開館1周年で式典」。山梨市にある横溝正史館のニュースですが、山梨市教育委員会は「今後は観光ルートとして定着するよう旅行業者に PR したり、企画展なども計画して来館者を増やしていきたい」としているそうです。えーっとまあ、がんばってください。 本日はこんなところで。 |
それでは僭越ながら名張市立図書館とおさらばするの弁、おとといのつづきに入ります。 おさらばするとなれば当サイト的にもっとも気になるのは、いうまでもなく当サイトはどうなるのかという一事です。当サイトのメインコンテンツである「江戸川乱歩著書目録」「江戸川乱歩執筆年譜」「乱歩文献データブック」は名張市立図書館が発行した三冊の江戸川乱歩リファレンスブックにもとづいたもので、著作権はもちろん同館に帰属しています。奥付にちゃんとそのように記載してあります。当サイトはその三冊のリファレンスブックの内容をまったく無断で勝手に好きなように掲載しているわけですから、サイト開設者は確信犯として著作権を侵害しているということになります。 ここで振り返っておくならば、当サイトの開設は1999年のことでした。1997年に『乱歩文献データブック』を、1998年に『江戸川乱歩執筆年譜』を刊行し、インターネットもかなり普及してきたことだから両書の内容を名張市立図書館のサイトに掲載するべきだろうと結論し、そのための予算を要求したところ名張市教育委員会はあっさり却下してくださいました。それならとりあえず自分でやってみるかとウェブサイト構築ソフトを購入し、半年ほどぼちぼち準備して名張人外境をお披露目するに至った次第です。 そのころ将来のことをどう考えていたのか、自分でもよく憶えていないのですが、おそらくはショートリリーフのつもりであったと思われます。いくら名張市教育委員会が世の趨勢というやつに疎くても、江戸川乱歩リファレンスブックのデータを市立図書館のサイトに掲載する必要性に気がつく日は遠からず訪れることだろうから、それまでの短いつなぎ登板のつもりでおりましたのともうひとつ、『江戸川乱歩著書目録』の編纂はネット上でデータを公開しながら進めたいなと先進的なことを考えてもおりましたので、とりあえず個人でサイトを開設することにして、しかしそのデータはいずれ市立図書館のサイトに移管することになるはずだと考えていたと記憶しております。 ところが2003年に『江戸川乱歩著書目録』を出したあと、そろそろいかがなものでしょうと再度予算を要求してみたところ、今度もまたノーという返事ではありませんか。さすがにそれはあるまいと思い、理由はどうよと尋ねてみたら、財政難のひとことでした。財政難なる言葉は天下御免の免罪符だという寸法だったわけですが、それですっかり腰が抜け、もうこんなの相手にしてらんない、モチベーションも一気にさがって、そろそろ乱歩シーンから身を引くかとも考えはいたしましたものの、ひきつづいて2004年には『子不語の夢 江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』を、といったあたりから3月27日付伝言「復帰三日目、図書館とおさらばするの弁」にリンクしてゆくわけなのですが、そのあたりの事情は事情としてとにかく当サイトはどうすればいいのか。名張市立図書館とかかわりがあったあいだはまだいいけれど、無縁になった人間が個人サイトで江戸川乱歩リファレンスブックの著作権を侵害しつづけていていいものかどうか。 いいわけがありません。もしも名張市立図書館から訴えられることにでもなったらどうなるのでしょう。たぶんめいっぱい返り討ちにしてさしあげることになると予想される次第なのですが、実際には訴えられる心配など万にひとつもありますまい。しかしこちらがいやである。いつまでも著作権を侵害しているのは不本意である。なにゆえあって著作権侵害の汚名を着つづけなければならぬのか。すっきりするためにはコンテンツをきれいに削除してしまえばいいのですが、さすがにそれはできません。 名張市のお役所関係者のみなさんには江戸川乱歩リファレンスブックのデータをネット上で公開することの必要性を全然理解していただけず、つまりは私個人もまったく必要とされていないわけなのですが、それは関係者のみなさんがあまりにもあれだからなのであって、乱歩を愛する人にとってそこそこ有益なデータであることには、サイト開設者本人がいうのもあれですけど疑いの余地などありゃしません。乱歩を愛する人ばかりでもありません。昨年秋に図書館の資料を活用するべく NPO でもつくるかなと声をばあげてみたところ、名張市はどうしてそれをしてこなかったのか、目録のデータをネット上で公開するというたいして予算もかからないことをなぜやろうとしないのか、と驚く市民が続々と、といったあんばいであったことを附記しておきたいと思います。 とはいえ、こんな個人サイトでぽつんと公開するよりは、所蔵資料と連動させたデータとして名張市立図書館のサイトで公開したほうが絶対いいに決まっているのですけれど、それはもう是が非でもそうするべきであるのですけれど、先述のごとく関係者のみなさんがあまりにもあれであるゆえをもって、ついでにいえば私が非力無力であったゆえをももって、残念ながら果たすことができませんでした。だからまあ、ないよりははるかにいいだろうといった感じのデータとして、当面は当サイトで著作権侵害を継続することにいたしました。 こんな話題は綴っているだけで悄然としてしまいますので、きょうのところはこのへんまでとして、犬とおはなしでもしてこようかな。犬とおはなしといったって、こっちが勝手に「小春ちゃん、萌えー」とかいってるだけなわけですから、まあばかっちゃばかです。とてもばか。 |
大手を振って著作権侵害を継続しながらきょうも行くわけですが、八年以上もウェブサイトを開設しているといろいろお直ししたいところが出てきます。しかしこれが結構難題で、たとえば「RAMPO Up-To-Date」におけるデータの記載方法ひとつとりましても、これはこういうふうにしたほうがいいなと変更を思いついたとしたら、過去に遡って最初から記載方法を変更する必要が出てきます。やんなっちゃう。あるいは変更以前に、もっとあちらこちら手を入れたり充実させたりしたいのであるがそのための時間がとれない、なんてことも日常的な問題として存在していて、あまりにも日常的であるせいでそのうちたいして気にならなくなる。つまり結果としてはほったらかしになってしまうわけです。やんなっちゃう。人これを驚異のサイトと呼ぶところの名張人外境にも、開設者自身には不備が眼につき不満が蓄積しているという寸法です。 一例、ブラウザのサイズをどうするか。当サイトはブラウザの幅を800ピクセルと想定しているのですが、最近は1024ピクセルでデザインしてあるサイトも少なくありません。従って私もブラウザの幅を1024ピクセルくらいにしてよそのサイトを閲覧しているわけですが、ひるがえって当サイトのこのページを眺めた場合、左にある人外告知板や最新情報はいいのですけれどこの伝言板のサイズがたらーっと横に伸び、一行がやたら長くなってなんとも読みづらくなってきます。もちろん読みづらさ以外にも、私のデザイン感覚がそれにだめ出しをしてしまうという事情もあります。右のほうに新しくスペースを設け、そこらのブログによくあるみたいに中央が伝言板、その両袖になにかしら別のスペースという配置にすれば伝言のテキストがのべたーっと横に長々しくなることは防げるわけですが、しかしこれを幅800ピクセルのブラウザで閲覧するってえと読みづらいことこのうえありません。というか、デザインそのものが壊れてしまいます。これはいったいどうしたものか。 とかなんとかぶつぶついいながら、人外告知板の記載スタイルをちょっとばかりいじってみました。これはこれでいいと思われるのですが、いちばん下の番犬情報、こちらはいったいどうしたものか。といいますのも、新しく犬が来れば自動的にそれが番犬になるはずだと思っておりましたところ、実際にコーギーの女の子を飼ってみるとこんな年端も行かぬお嬢に番犬を命じるなんてあまりにも酷ではないか、人間の横暴ではないか、男女共同参画なんか大反対だ、とかいろいろ思い惑うことが出てきて、それでもういいかと、名張人外境の番犬は去年5月に逝去したニコライ・フセヴォロドヴィチ・スタヴローギンただ一匹だということにしてしまうかと、あれはもう名張人外境名誉一代永世番犬なのだと決めてしまうかと、どうかひきつづいて天国から見守っていてくれんかと、そういう気持ちになってしまった次第です。ですから番犬情報というコンテンツ、これもいったいどうしたものか。いったいどうしたものかなあ。 どうでもいいような思案に暮れているうち、弥生3月もあすでおしまいということになってしまいました。当地はまだなんか肌寒い感じですけど。 |
まずは2ちゃんねるミステリー板「【緑衣の鬼】 江戸川乱歩 第十一夜」で教えてもらってきたホットニュース。小原愼司さんの「二十面相の娘」がテレビアニメになるそうです。詳細は番組のオフィシャルサイトでごらんください。 きのう話題にしたブラウザのサイズに関連して記すならば、このサイトでは「ENTER」「NEWS」などのメニューをクリックするとパソコン画面全体に別ウインドウが開く設定になっていて、アメリカあたりのアダルト系サイトでたまに遭遇する設定なのですが、これがすごく感じ悪い。人のパソコン勝手に支配してめいっぱいのさばってんじゃねーぞたこ、という憤りをおぼえてしまいます。 そんなことはどうでもいいとして、このサイトによれば『二十面相の娘』は全八巻で完結したらしいのですが、「RAMPO Up-To-Date」をチェックしてみると2005年8月に出た第五巻までしかフォローできておりません。三年前の夏といえば、いろいろあってモチベーションが低下していたころであったか。また注文しておかなければなと思うと同時に、いったいいつまでこんなことをやっておらなければならんのか、こんな雑事に忙殺されていては肝心の『江戸川乱歩年譜集成』のお仕事がちっとも前に進まぬではないか、とうっすら焦りを感じたりもしてしまう次第ですが、このあたりのことを考えると堂々めぐりに迷い込んでしまってどうしようもありません。堂々めぐりの実態は名張まちなかブログの3月24日付エントリ「五里霧中のままあすも行く」でお読みいただくとして、とにかく名張市立図書館とはきょうでおさらばとなります。 じつはおさらばのご報告かたがた過去にたまわったご高誼に対するお礼をはがきに印刷し、乱歩のことでお世話になってきた全国各地のみなさんにご挨拶を申しあげようかと考えていたのですが、それもなんだか大仰な感じですし、これからもひきつづいてお世話にならねばならぬわけですから、あえて区切りをつけるような真似はやめておくかと考え直した次第です。 そんなこんなで図書館とおさらばするの弁、本日でおしまいといたしますが、何はともあれ今後ともよろしくお願いいたします。 |