新青年

昭和3・1928年

編輯局より  延原生
◇さて、本号は初めての編輯ではあり、時日が切迫してから引受けたので、成績の程を気にしてゐたが、見らるゝ通りのすばらしい出来栄となつた。
◇第一が創作の十五篇、堂々二百六十余頁にわたつてずらりと並べたところは、本誌ならではといふところ、どれといつて駄作めいたものゝないのが誇りである。何しろペンを折つたのかと思はれてゐた江戸川乱歩氏が一年ぶりで大作を発表したのであるから、読者間に起した以上のセンセーションを作家側に起さしめたため、この盛大を至したわけである。
初出・底本:新青年 昭和3・1928年10月号(9巻12号)
掲載:2009/02/28

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