新青年

昭和7・1932年

編輯だより J・M
◇随筆中の「我が読者へ」五篇は、短文でありながら、各々の作家がその創作態度を明らかにして諸君に訴へてゐるのは嬉しい。殊に、近来「新青年」とは大分御無沙汰になつてゐる江戸川乱歩氏が、いよゝゝ他雑誌の続き物が済み次第、畢生の力作を本誌に寄せる事を快諾して、「陰獣」以来の大歓呼を受ける事になつたから、本号の氏の一文こそは云はゞ一種の宣言である。実現は多分本年の六月号あたりになる事と思はれるが、是非とも期待して置いて頂きたいと思ふ。
初出・底本:新青年 昭和7・1932年新春増刊号(13巻3号)
掲載:2009/05/31

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