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2009年1月10日(土)
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●書籍 | ||||||||||||||||||
江戸川乱歩の推理試験 ミステリー文学資料館 | ||||||||||||||||||
1月20日初版1刷 光文社 光文社文庫 A6判 カバー 376ページ 本体648円 編:ミステリー文学資料館 編集委員:新保博久 監修:ミステリー文学資料館(権田萬治、山前譲) |
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昨年9月に出た『江戸川乱歩の推理教室』の姉妹篇。出題、解答、編纂、監修など、乱歩が何らかの形で関わった犯人当て小説が集大成されました。 | |
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新保博久さんの解題から仰天のエピソードを引用。「週刊明星」昭和34年6月7日号に掲載された「日立電気冷蔵庫が当る大懸賞つき推理試験」にまつわるものです。 | |
解題 犯人当て小説の系譜
新保博久 この企画に関連して、佐野洋は江戸川乱歩の度量と発言力を示すエピソードを披露している。「週刊明星」編集長に対して乱歩が、「クイズは普通の小説より難しいのだから、原稿料はその分、はずんでくれなければ困る。わたしの場合は、累進課税でほとんどを税金に取られてしまうのだから、その分を書き手の諸君に回すとして、みんな一律、一枚三千円ということでどうだろう」と言ったという。「私は驚いて乱歩さんの顔を見た。『宝石』の原稿料は、やっと三百円になったばかりである」(「ミステリーとの半世紀」第十六回、「本の窓」二〇〇四年十一月)。ところが編集長は即答で承知し、あとで佐野洋が友人にその話をすると一枚三千円とは三島由紀夫並みだと驚かれたそうだ。執筆陣も張りきり甲斐があっただろう。 |
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▼光文社:江戸川乱歩の推理試験 |