2009.2.23 01:59

　江戸川乱歩が生まれた名張市に生誕地碑広場が整備されたのを記念して、同市新町の案内施設「やなせ宿」で２２日、乱歩と名張とのかかわりを紹介する特別展「写真で見る乱歩と名張」が始まった。広場の完成式が行われる２８日まで、ゆかりの写真やポスター、模型を飾っている。

　見学無料。同施設の中蔵を使っている。

　写真は、乱歩が晩年の昭和３０年に生誕地碑の除幕式のために同市を訪れた際の白黒写真が大半。除幕式を８ミリ撮影機で録画する乱歩の姿や名張小学校での講演、名勝の香落渓を訪ねた様子などが写っている。

　ポスターは、乱歩の小説を原作にした映画の宣伝用。悪役の怪人二十面相が登場する推理小説の名探偵明智小五郎シリーズなど７枚が壁にかけられている。

　模型は、乱歩の生前の東京の家と生家。内部も見られる精巧な造りに仕上げられている。

　乱歩が昭和９年に本名の平井からペンネームの江戸川に変更する前後の名刺や乱歩の生家の見取り図も展示。生家の土蔵や乱歩が津市の寺院に建てた平井家の石碑の写真もある。乱歩にまつわる話や近くの関連地を紹介した「少年少女乱歩手帳」も配布している。

　広場は市民の寄贈をもとに市が同市本町に整備。完成式は２８日午前１１時から行い、特別展は同日午後１時に閉じる。