RAMPO Entry 2009
名張人外境 Home > RAMPO Entry File 2009 > 03-01
2009年6月12日(金)

雑誌
あじくりげ 3月号
3月1日 東海志にせの会 621号
B6判 60ページ 200円
乱歩先生と昆布 〜RAMPO〜 内藤理恵子
エッセイ p52−53
連載〈シネマ食堂内藤亭〉第2回

 「あじくりげ」は名のとおり“味”をテーマにしたタウン誌で、拠点は名古屋。版元の東海志にせの会は東海地方で“食”に携わる老舗で組織され、「あじくりげ」も会員の店で配付されています。創刊は昭和31年6月で、創刊号には乱歩がエッセイ「海草美味」を寄せているのですが、以来五十年以上の日月を閲して、乱歩の死後十年以上たってから生まれた女性の手になる返歌が寄せられました。
 
乱歩先生と昆布 〜RAMPO〜

内藤理恵子  

 さて、乱歩先生が「あじくりげ」の創刊号に寄せられたエッセイは、意外にも「海草」の話でした。少年期に食べた駄菓子屋のコンブ菓子や、先生の奥様の出身地である鳥羽の海草について詳しく書かれています。昆布業界は、大正末期から昭和の統制経済までが最盛期だったそうで、時代的な背景も影響していたかもしれません。
 乱歩先生が少年期に、しきりに食べたとされるコンブですが…コンブに多く含まれるグルタミン酸は、イマジネーション能力の向上に役立つとされています。乱歩先生の戒名は…「智勝院幻城乱歩居士」です。
 今も多くの人を魅了する乱歩先生の幻想城の世界が、どこの家の台所にもある「海草」から生まれたと考えると、楽しいですね。

 
 乱歩のイマジネーションに栄養学的にアプローチする試みは、たぶんこれが初めてだと思います。

 「あじくりげ」の連絡先をお知らせしておきます。

 編集発行事務局
  〒461-0004
  名古屋市東区葵3丁目24-2 第5オーシャンビル502
  東海志にせの会
  電話・FAX 052-936-0228