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2009年4月23日(木)

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4月21日 産経新聞社、産経デジタル
【名作の舞台・埼玉県庁】質実剛健 重厚さが人気のロケ地 高橋裕子
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【名作の舞台・埼玉県庁】質実剛健 重厚さが人気のロケ地 (1/2ページ)

2009.4.21 10:41

埼玉県庁本庁舎を国土交通省に見立てた5月放送開始のTBSのドラマ「MR. BRAIN」の撮影で、玄関前に警察官役がずらり=18日午後3時35分、さいたま市浦和区

 裁判所、警察署、検察庁。数々の映画やドラマでお堅い庁舎のロケ地として利用されてきたのが埼玉県庁本庁舎だ。昭和20年代の建設時、「流行を追わず、平凡なものの中から庁舎として永久にあきの来ない美観と威厳を追求」(庁舎建設工事報告書)したという質実剛健な雰囲気が、半世紀を経た今、映像製作者たちに好まれているようだ。

 本庁舎の廊下や玄関は平成16年、映画「半落ち」に裁判所として登場した。また、昭和時代を描く作品で使われることも多く、平成19年には江戸川乱歩の「陰獣」を原作にした仏映画「INJU」(日本未公開)では、出版社として階段などが利用された。ロケを誘致する県観光課によると、フランス人の監督からは「レトロな建築様式がいい。特に階段がいい」と評されたという。

 本庁舎は木造の旧庁舎が昭和23年に火災で焼失した後に建てられた。4つの工期に分けて建設され、26年に最初にできた南側と、その2年後にできた東側が撮影に主に利用されている。重厚な大理石ふうの床や階段は実は人造石。これも建設当時の考え方から、簡素で耐久性があるものとして選ばれた。

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 頑丈につくられた本庁舎だが、現在の耐震基準は満たしていない。築58年目の今年、大がかりな耐震工事が始まる。外観の一部にジャングルジム状の構造物を付け、外壁には御影石ふうの吹きつけが施される予定だ。内部や南側はほとんど変わらず、庁舎管理をする県管財課は「重厚な雰囲気を残すようにした」とする。

 観光課は「質実剛健で華美でないところが評価され業界では広まっている。工事後も需要はあるだろう」としている。(高橋裕子)

 
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