RAMPO Entry 2009
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2009年7月12日(日)

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7月6日 産経デジタル
【DVDナビ】「K-20 怪人二十面相・伝」 市橋一穂
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【DVDナビ】「K−20 怪人二十面相・伝」

「夢を叶えるのに俺は権力なんかいらない」

 待っていました怪人二十面相! 中学生のときに読んだ江戸川乱歩「少年探偵シリーズ」おなじみの登場人物が、映画の中でよみがえった。

 遠藤平吉がいかにして怪人二十面相となったのか。その真相を想像豊かな解釈で痛快冒険活劇にして描いている。

 少年のとき絶対欲しいと思った、手首に付けると細いワイヤが飛び出す装置。あれも出てきてうれしくなる。

 舞台は第2次世界大戦を回避した仮想日本の帝都。すでに巷では怪人二十面相が騒ぎを起こしていた。

 サーカスの曲芸師・遠藤平吉(金城武)は、その二十面相にだまされ、二十面相にさせられてしまう。ぬれぎぬを晴らすために、二十面相が狙っている強奪物の究明に乗り出すが…。

 彼を追う名探偵・明智小五郎(仲村トオル)、彼を支える財閥令嬢・羽柴葉子(松たか子)ら絢爛豪華な登場人物とともに、地を走り空を飛び、平吉は二十面相に戦い挑むのだ。平吉は二十面相にこのセリフを言った。男も至難を乗り越えていけば、いっぱしのセリフを吐くようになる。

 「良家の子女のたしなみです」とオトボケお嬢様役の松の演技が、無味乾燥になりかねないアクションシーンに花を添えている。

 ほどよい笑いに、テンポのあるアクション。妙にカラッと明るく、江戸川乱歩ワールドとはまた違い、それがいい。

 あの帝都で同じ人物を使ってぜひ続編が見たいものだ。そのときは怪盗ルパンを敵役にしてほしい。

 ともあれ最近での傑作!(市橋一穂)

 2008年12月公開、本編2時間17分。発売・販売:バップ。3990円(通常版)。

ZAKZAK 2009/07/06

 
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