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2009年11月7日(土)
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●書籍 | |
アジアの怪奇譚 アジア遊学125 | |
8月30日初版 勉誠出版 A5版 カバー 186ページ 本体2000円 企画:志村有弘 |
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江戸川乱歩の異界──アイデンティティの鏡像 小松史生子 | |
評論 p160−163 |
江戸川乱歩の異界──アイデンティティの鏡像
小松史生子 江戸川乱歩のこのような物語世界は、アジアの幻想怪奇小説の系譜上ではどのような位置にあると言えるだろうか。アジア圏における、たとえば、乱歩自身も熱心な愛読者であった中国の志怪小説などに見られる神仙が住む桃源郷のたたずまい、或いはインドの広大な土地を背景に繰り広げられる抽象的で哲学的な時空間──種々の言語が飛び交い他文化構造が複雑に入り乱れ合うアジアの大陸が紡ぎ出す幻想世界のただ中に乱歩作品を置いてみてそこに見えてくるもの、それは〈閉塞感〉がもたらす愉楽といったものではなかろうか。 |
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▼勉誠出版:アジアの怪奇譚 |