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10月11日 産経新聞社、産経デジタル
【手帖】乱歩賞贈呈式開かれる
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【手帖】乱歩賞贈呈式開かれる

2009.10.11 08:15

第55回江戸川乱歩賞を受賞した「プリズン・トリック」著者の遠藤武文さん=9月30日、東京・内幸町の帝国ホテル

 多くの著名な推理作家を輩出している江戸川乱歩賞(日本推理作家協会主催)の第55回受賞作となった遠藤武文さんの『プリズン・トリック』(原題「三十九条の過失」)。9月30日、東京・内幸町の帝国ホテルで開かれた贈呈式には多数の作家や出版関係者らが駆けつけ、新人作家の門出を祝った。

 壇上に立った遠藤さんは「(受賞して)生活が変わったかとよく聞かれるが、ほとんど変わっていない。ただひとつだけ、(インターネット上の匿名掲示板)2ちゃんねるを怖いので見なくなった」と笑った。

 刑務所内部を舞台にした密室トリックに、交通事故の加害者と被害者の対峙(たいじ)や報道被害などの社会性ある叙述を織り交ぜた内容が評判を呼び、増版が相次ぐなど売れ行きも好調とか。

 遠藤さんは「自分で書いていながら主人公が誰だか分からなくなることもあったが、1つの筋をめぐる周りの人間を描きたいという思いがあった」と振り返り、「次は名探偵に謎を解決させるオーソドックスな小説を書いている」と次作の構想を明らかにした。

 選考委員を代表して、作家の内田康夫さんが「刑務所内部のことが実に細やかに描けており、密室トリックもよく練られている」と講評。「私自身は受賞できなかったが、遠藤さんくらいの年のころ、初めて書いた小説を乱歩賞に応募したことがあった」というエピソードを披露し、似た境遇の後輩にエールを送った。

 
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