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2009年10月24日(土)

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10月19日 読売新聞社
古民家で劇「乱歩・暗黒星」★
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古民家で劇「乱歩・暗黒星」★

 旧梶谷家住宅 観客、邸内移動し犯人捜し

古民家を舞台に推理劇を披露する劇団員ら(河内長野市の旧梶谷家住宅で)

 18世紀中頃の建築とされる河内長野市滝畑の古民家「旧梶谷家住宅」を舞台にした推理劇「滝畑ミステリ劇場 江戸川乱歩・暗黒星」が、11月7、8両日に開かれる。観客らは、案内人の誘導で移動しながら、目の前で起こる殺人事件の犯人捜しに参加できるというユニークな内容。兵庫県尼崎市の劇団が企画し、地元の官民12の文化施設でつくる地域振興ネットワーク「河内長野ミュージパークネット」の協力で実現した。

 市によると、茅葺(かやぶ)き屋根の旧梶谷家住宅は、近くの滝畑ダム建設に伴い1982年、今の場所に移設された。周辺の民家は、山あいの傾斜地でも出入りできるよう、玄関の位置を工夫するなどした「妻入横割型」と呼ばれる間取りが特徴。市指定文化財で、市が「滝畑ふるさと文化財の森センター」として管理、一般開放する。

 劇団は「G―フォレスタ」(丸尾拓代表)で、数年前から「洋館ミステリ劇場」と題し、神戸市の古い洋館などを舞台に昭和初期の推理小説をもとにした劇を披露。同ネットに加わる河内長野市文化振興財団が「旧梶谷家住宅のような『山荘』は、ミステリーの舞台にぴったりでは」と、劇団に場所の提供を持ち込んだ。

 今回の作品は、資産家宅での殺人事件を描いた江戸川乱歩の「暗黒星」がベース。原作の舞台は洋館だが、山あいの日本家屋に合わせて丸尾代表が脚色し、「昭和初期、西洋化にあこがれる大富豪宅」という、オリジナルの設定にした。

 公演チケット(計4回、160枚)は、ほぼ完売といい、丸尾代表は「どんな舞台装置も、本物にはかなわない。古き良きものを現代によみがえらせ、観客を異空間に誘いたい」。財団の宮地泰史さん(37)は「これを機に、新しい河内長野の魅力を発信できれば」と期待を寄せている。

(2009年10月19日 読売新聞)

 
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