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2009年11月12日(木)

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11月11日 朝日新聞社
11月11日付朝刊第二神奈川面掲載
乱歩が半生記したスクラップ帳公開
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企画特集 1
【アート】
乱歩が半生記したスクラップ帳公開

2009年11月11日

江戸川乱歩=57年、東京・池袋の自宅土蔵

 日本の推理小説界の始祖、江戸川乱歩(1894〜1965)の人生と作品を紹介する「大乱歩展」が、横浜市中区山手町の神奈川近代文学館で開かれている。7年前に遺品や蔵書を寄贈された立教大で整理が進み、厳選された600点が展示される。

 見ものは乱歩が半生を記したスクラップ帳「貼雑年譜」全9巻。47歳ごろから作り始め、自らイラストを描き、様々な文書をはりつけて説明を加えた詳細なものだ。

 背景には戦時下の検閲制度がある。39年、傷痍軍人を主人公とした短編「芋虫」が反戦的だとして、警視庁が作品集から削除を命じた。執筆依頼も途絶え、休筆に追い込まれた乱歩が作製を思い立ったという。

 作家になる以前に転々とした編集者、新聞社の広告部、夜泣きソバ屋などの職業も紹介する。同館展示課の鎌田邦義さんは「おどろおどろしいイメージは作られたもの。現実的な実務家でもあった」と話す。15日まで。一般600円ほか。問い合わせは同館(045・622・6666)へ。

「貼雑年譜」から。20代の一時期、ソバ屋の屋台を引いた=立教大学図書館寄託

 
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