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2009年11月27日(金)

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11月25日 朝日新聞社
黒幕内に乱歩の世界 前田智
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黒幕内に乱歩の世界

2009年11月25日

黒テントが出現する予定の乱歩生誕地碑広場=名張市本町

◇◆21面相風にミステリー?◆◇

 名張市で生まれた作家江戸川乱歩の世界を黒テントの中で表現しようと、市内のグループが準備を進めている。乱歩生誕地碑広場(同市本町)に、大きな黒い色のテントを数日間出現させ、非日常的な空間で乱歩にちなんだ紙芝居や演劇を上演していくという。スタートとして来年3月ごろ、推理小説作家の講演会などを計画している。(前田智)

◆名張・生誕地碑広場にテント設営へ◆

 取り組んでいるのは、乱歩の顕彰や乱歩を核とした地域づくり活動をしている市民グループ「乱歩蔵びらきの会」。05年に発足し、会員約35人で、青少年や地域の人に乱歩作品に親しんでもらおうと乱歩劇の公演や朗読会などを開催している。今年2月には同市新町のやなせ宿で、乱歩原作の映画のポスターや乱歩が生誕地碑の除幕で名張を訪れた時の写真、生家復元模型などの展覧会を開いた。

 今年7月、県が実施している「美し国おこし・三重」事業のパートナーグループに登録され、事業への補助を申請。審査を通り、県と市を合わせて150万円の補助がこのほど認められ、「乱歩黒テントの世界」と名付けた今回のイベントを企画した。同会の的場敏訓代表によると、黒テントにしたのは、70年代演劇のあやしくアングラで懐かしい雰囲気と重なり、乱歩が描いた見せ物小屋などの世界と通じると感じたからという。テントの大きさは10メートル四方高さ5メートルほどで、約100人程度収容可能。壁も黒色にして、非日常の空間を名張に出現させることを目指す。

 推理作家による講演を手始めに、来年度以降は、市内で活動する芸術関係者にも連携を呼びかけ、乱歩作品の演劇や紙芝居、朗読などの公演を年に数回程度開催。市民に乱歩の世界を目や耳を通して感じてもらい、乱歩の本の世界にも触れるきっかけになればという。

 「乱歩の顕彰のためにと市に寄贈された乱歩生誕地碑広場を生かす」ことも目的の一つと的場代表。「感受性が鋭い小中学生ら子どもにも興味を持ってもらえる内容にしたい。ゆくゆくは津市や鳥羽市など、乱歩ゆかりの他の町とも情報交換しあい、市民のネットワークづくりにつながれば」と話している

 
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