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2009年12月11日(金)
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●書籍 | |||||||||
瀬下耽探偵小説選 論創ミステリ叢書42 瀬下耽 | |||||||||
11月30日初版第一刷 論創社 A5変型判 カバー 342ページ 本体2800円 著:瀬下耽 叢書監修:横井司 |
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マイクロフォン | |||||||||
随筆篇 > エッセイ p319−321 |
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マイクロフォン
瀬下耽 マイクロフォン(八月号増刊「陰獣」を中心として) 「陰獣」を拝見すると、当然の事ですが、大谷崎のにおいが、ぷんと鼻にきます。そして氏は甲賀氏とくらべて、何と際だった対象的位置に立つ存在かと驚かされるほどです。両者は、全然東と西です。あらゆる江戸川氏の作品の素晴らしさは、実は、その中の探偵的事実に対する興味よりも、あのねばっこい感覚的な行文の妙味が、附随的なもろもろの面白きものが、人目を眩惑するのではないでしょうか。その故か、私は、氏の作品の中で、探偵的素地の露骨でないものほど、所謂探偵趣味の濃厚でなければないほど、その作品が好きになれます。(これは氏一人の作品のみならず、総ての他の作品についてもそうなのです)そして今後探偵小説の進むべき方向を幽かに香わされたように、私には思われるのです。 (『新青年』第九巻第一二号、一九二八年一〇月) |
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