恐怖美術館

【 番犬敬白 】1999年10月21日

 「人間に恋はできなくとも、人形には恋ができる。人間はうつし世の影、人形こそ永遠の生物」……。人形と呼ばれた人外を、乱歩はことのほか愛しました。その乱歩が人形になったとしたら、という奇想天外なアイディアを実現されましたのが、人形作家にして写真家の石塚公昭様でございます。本物よりも本物らしい乱歩フィギュア全九点、とくとご覧くださいませ。

石塚公昭
Ishizuka Kimiaki

 1957年、東京生まれ。東京デザイン研究所陶磁器科に学ぶ。陶芸のかたわら人形を制作し、とくにジャズ、ブルースの黒人ミュージシャンの人形で知られる。'82年、初個展「ブルースする人形展」を開催。'87年「アフターアワーズ」、'93年「BLUE NOTE東京」で作品を展示。'97年、サントリーホワイトのテレビCMに人形が起用され、話題に。同じ年、乱歩、足穂、潤一郎、鏡花、荷風ら、鍾愛する作家の人形とその写真を展示した「夜の夢こそまこと展」を開き、好評を得た。最近は油性絵具を使用した古典的な写真技法、オイルプリントに新境地を見出している。

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掲載 1999年10月21日