【そ】

曾呂利物語

怪談集 寛文3年(1663)開板 編著者不詳 五巻

 巻二
  二 老女を猟師が射たる事

 伊賀の国南張といふ所より、辰巳にあたりて山里あり。かの所に夜な夜な人ひとりづつ失せぬ。「如何なる事にか」と、皆人不審しあへり。

  • 底本 『江戸怪談集(中)』岩波文庫、平成元年(1989)4月、岩波書店、編・校注=高田衛/p.30
  • 採録 1999年10月21日

 ●略解

 曾呂利物語は五巻五冊。外題は「曾呂利快談話」だが、曾呂利物語の内題で通称される。桃山時代のユーモリスト曾呂利新左衛門の談に仮託するが、編著者不詳。
 掲出の話は諸国百物語「伊賀の国名張にて狸老母にばけし事」の原話。
 底本脚注で「南張」を「現在三重県志摩郡」とするのは誤り。名張は「なんばり」とも表記された。

 参照 【】諸国百物語「伊賀の国名張にて狸老母にばけし事」


掲載 1999年10月21日  最終更新 2002年 9月 20日 (金)