奥美濃 日野川 春の祭典
The Rite of Spring in Hino river,Oku-Mino
大河内集落への林道にて
奥美濃、日野川奥の春を、なんと表現すればいいのだろう...  こころ濯われる春が、いままさに往かんとす

  雪の季節が去り、桜も散った。いま、山は春の恵みの祭典のただ中にある。
 Kさんのガイドで日野川の奥へ入る。
詳しい場所は、写真を見てわかる人ならわかるだろうし、 わからない人は入るべきではない。
下る道も自分で切り開くことのできる人だけに、日野川の奥は開かれている。

 大河内集落跡をすぎるとすぐ、土砂崩れで車は入れない。たいへんいいことだ。このまま土砂を取り除かないでほしいものだ。林道終点から本流へ下る。
 春の奥美濃の谷を甘く見てはいけない。雪解けで谷は水量が豊富だ。滝も威勢よく噴き出していて、落ちれば凍えるほど冷たい水だ。すぐにゴルジュとなって、やわらかそうなギボウシがあちこちに生えている。今夜は酢みそあえだな。
 長トコの出合で左の谷へ入る。ここからは小さいが楽しい滝が連続する。ほとんど直登できるか小さく巻くことができるが、けっこう細かい部分もある。神戸のあまご姐御はKさんの後をほいほい登って行くが、こちらはあれこれホールドを探したりしてまごつくわけである。ロープは出してくれないのね、やっぱり自己責任なのよね。
大河内から国境稜線を望む
大河内谷本流
 神戸A:すごーいウツクシイやんか
 枚方K:魚が居そうにおまヘン
 名張T:全山これテンプラの材料でんな!
 名張T:うわあ足冷てー
 神戸A:あんたちゃんと渓流靴はいて来なハレ
 枚方K:魚、さっぱりおりまヘン
連瀑帯を行く
 枚方K:ちょっとショッパイとこもあるで
 神戸A:どっちゅうことアリマセン
 名張T:ちょっとまってクダサイマセ
 枚方K:上にええホールドあるやろ
 神戸A:うるさいな、そんなもんいらんワ
 名張T:ロープ出しくれへんの?
 楽しい滝が一段落すると、谷は雪で埋まってくる。そこから左手の尾根へ逃げ、下降路を探すのだが、Kさんおすすめの谷を下ることにする。背後には残雪をいただいた笹ヶ峰の北面が大きい。
 尾根の上は、薮が濃いがKさんが知っている仕事道の跡があるので救われる。あたりはブナの巨木が立ち並び、心が濯われるようだ。道跡が不明瞭になるあたりから右手の薮沢へ下る。名ガイドKさんのおかげで、滝もなく、草さがしをしながら元来た日野川(大河内川)本流に降り立つ。
 さあ、すこしばかり春の菜のおすそ分けを探してみよう。(04.4.25歩く)

  楽しんだ人:枚方のK仙人、神戸のあまご姐御、名張の万年テント番

委細構わず、どんどん登る
笹ヶ峰を見上げながらブナの尾根を下る
薮の沢は春真っ盛り
どんどん下り、元来た本流へ降り立つ
目もくらむような大河内の春なんです
ソバと相性のよいアブラナ科も花盛り
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