江美国境 金糞岳北面 八草川(上半)
紅葉前線を追っての〜んびり川歩き '04/11/6
八草峠上から見下ろす八草川。右手上はホハレ峠、その右手の鋭峰は蕎麦粒山
 先週果たせなかった、八草川上流部を行く。今回はK仙人が一緒だ。土曜の朝はトラックがたくさん走っていて、集合地点の出口土倉まで時間がかかり、予定時刻より20分の遅刻。あまご姐御も一緒だったが、朝になってカゼ気味だということで自重してもらうことになり、八草峠まで車で行く。 今日も良い天気だけど、出発が遅い。いつものことながら果たして上まで行けるのかどうか、どうにも心もとない。

 先週這い上がった林道をさらに終点まで歩く。なぜかそこには仮設の橋がかかっていて、向かいの金糞北尾根の斜面に道が続いている。林道も最近使われているようだし、この道は何の用があってつけられたんだ?結論の欲しい我が隊は、新しい送電鉄塔でも作るんだろ、ということにして谷に踏み込む。標高700mほどのこのあたりが、今や最高の紅葉地帯だ。晴れがましく明るい谷は、何やら心浮き立って喜ばしい。

本流に降り立つと明るくて何やら嬉しい
うららかな上流部、まさしく川!
奥の二股で昼メシね
 ここからの八草川上流部は下部に比べて穏やかで、小春日和の遡行に相応しい。「これは立派な川や!」とK仙人のいつものセリフが飛び出す。わしゃ、急な谷より川がすきなんですわ、急なスキー滑降よりもタラーとした雪原歩きが好きなんと同じヤ!と私。釣り師のふみ跡が目立つ川筋は、山師より、釣り師の多いことを伺わせる。この谷、悪場もないし、林道はあるし、釣り師向きの川やね、と言う間に上の二股に着く。左をとれば直接金糞へ突き上げるが、帰り道の確保が不明なので、ここは右又をとる。あまご姐御に頼まれた熊の食糧(どんぐり)を出合にバラ捲く。上の林道の方が熊が見つけやすいけれど、林道に餌をばらまけば、他の人の顰蹙を買う事間違い無しなので、ここに捲く。アマゴ姐御のおごりです、うまく見つけて冬眠前にたんと食べて下さい!
油断大敵、ゴルジュ出現
もう終わりかと思えば滝が...
またまた滝が(^^;

 二股からは谷の傾斜がやや強まり、釣り師の踏みあとも消える。K仙人によれば「うん、谷らしくなった」とのこと。いくつかの滝と、谷のスケールからは立派と言えるゴルジュも備えている。キノコが出ていないか、目を泳がせるが、北面で日当たりが悪く、見かけない。明日の土倉谷に期待しよう。水量が減って右の尾根が近くなると、谷は左へ折れて白倉の頭へ突き上げる。我々はここで谷と別れ、右の尾根へ続くルンゼを登る。100mも登れば、国境稜線に立つことができた。信じられないくらい立派な切り分け道がある。八草峠から上の林道に繋がっているようだが、何の用があって切り分けたのだろうか?ここから花房尾の分岐までは手の届く距離にあり、無雪期にこの切り分けを使えば、金糞岳への北からのよいルートになる。

もう谷は結構ですな、暗くなる前に尾根へ
尾根に出るとすぐそこが花房尾分岐
国境稜線の西側にある林道に降り立つ
 帰りの道が確保されたことがわかったので、気楽になった我々は、ドウダンツツジやミズナラの紅(黄)葉愛でつつ、ルンルン尾根道を下る。999mピークのあたりで西側へ少し下って八草峠への林道に出る。

*あまご姐御が八草峠で工事の人に聞いたところによれば、林道と切り分け道は、八草川に建設を予定されて、最近になって中止が決まったダム工事のためのもののようだ。何はともあれ、八草川のダム計画が中止になったことはめでたい。

'04.11.6 歩く 時間:八草峠10:30-遡行開始点11:00-上の二股12:35-屈曲点(遡行終了)14:54-尾根上15:15-八草峠16:20)