鈴鹿 雨乞岳西面 奥ノ畑谷薮スキー '05.3.3

 昨年、様子を見に入った奥ノ畑谷へ入る。実は2月初めにも一度入ったのだが、小雪がチラつく寒い日で、奥ノ畑峠への最後の詰めの雪崩が心配で、出合(ユラバシ)から引き返している。雪が多かったこの冬だが、その後肝心の時期に何かと雑事に追われ、雨乞の雪を楽しめていない。雪の鈴鹿は今日が最後のチャンスになるだろう。
フジキリ谷周辺
奥ノ畑、上の雪原
 2月初旬は倒木と積雪で、フジキリ林道起点手前、歩15分の所までしか車が入らず、置車すぐに板を履く事ができたが、今日は雪がすっかり消えてしまって、林道起点まで車が入る。
 フジキリ林道も雪が続いておらず、仕方なく板を担いで歩き、履いたのは昨年と同じ奥ノ畑下の雪原からであった。
峠直下の雪崩発生地点。笹原が滑り面であることがよくわかる。 奥ノ畑峠から南雨乞岳。強風のためか、岩尾根が露出している。
 上の雪原の先で、谷は狭くなり、何度か板を脱いで徒渉させられるが、基本的に雪はよく締まっていて、歩きやすい。しかし、下部の雪原にくらべ、薮がやや密で、くねくねルートを取りながらの歩行となる。奥ノ畑峠への最後の出合からは、急登になり、板を履いて登れる傾斜ではなくなる。谷をまっすぐ詰め上がるのは危険なので、途中から右の尾根へ乗る。尾根から右手、西側の斜面を見て驚いた。稜線北側の笹原が滑り面となった、生々しい雪崩の跡が目に飛び込んでくる。奥ノ畑峠付近北側の笹の斜面は、積雪直後は危険な事が一目で理解できる。スキーで谷詰めすることはできない。
 北面のカンカンに締まった尾根をキックステップで奥ノ畑峠へ。
 ここから雨乞への稜線も、当初の期待を裏切るものであった。雪がたっぷり乗って、素晴らしい尾根を期待していたのだが、どうやら雨乞から清水の頭へ続く稜線は冬期、北西風の卓越する風衝地帯のようで、尾根の雪は吹き飛ばされ、笹原がむき出しになっている。楽しいスキーはうたかたの夢と消える。
峠から清水頭、綿向山(右)
清水の頭から雨乞岳南西尾根
 というわけで、雨乞へ向かっても、岩場の雪はみごとに吹き払われて、スキーは無理なので、下るルートを考える。清水の頭の峠寄りの尾根を歩いて下るしか、手はないようだ。笹の斜面を斜めにスキーで横切るのは自殺行為だ。
 結果的に、尾根を谷筋まで忠実に下り、広い谷へ出てようやくスキーを履く。林間滑降を楽しみながら、下の雪原でスキーを脱ぐ。千草越からフジキリ林道を歩いて下る。

('05/3/3) フジキリ林道起点置車10:30--ユラバシ11:35--奥ノ畑下の雪原12:00-12:30--最後の二股13:00--奥ノ畑峠13:20-13:50--清水の頭14:00--奥ノ畑谷出合15:20--置車16:25