サルにもわかるファミリーハイキングの法則

ファミリーハイクは子供には迷惑な時も、おおいにありうるという、あたりまえのハナシ

 子供たちがまだ小さかった頃、ベビーキャリアなるものを利用して、ファミリーハイキングのマネごとをしたことがある。

 子供達の友だちも一緒に、明神岳や紅が岳、室生の竜鎮渓谷など近場をうろついたものだ。
 台高の白屋岳に登った時には、下の子(当時保育園)に怪我をさせてしまった。急な所を下って、ハーネスに結んでいた猿回しのロープを解くと、突然走り出し転倒。額を3針縫う傷を負わせてしまった。まあ、こんなことはよくある失敗だけれど、口で「走るな」というだけではダメなんだと、つくづく思ったものだ。

 その後、「**町怪しい探検隊」を結成し、老幼入り乱れた友人達と穂高岳沢から前穂、剣沢定着(平蔵谷から本峰)、大台東の川シオカラ谷、毛勝山(阿部木谷)など、あちこちと行ったものだ。その我がお子様達は今、社会人と大学生になっている。しかし、小学校の高学年になったころから、子供達は「ジリツ」し始め、山へ行こうとはしなくなった。あまつさえ、今では山は大嫌いだ、行く奴の気がしれない、などととほざいている。

 親が山好きだから、子供が山好きになるとはかぎらない。少なくとも一例、我がファミリーがそれを証明している。彼らは「都会大好き」ニンゲンなのだった。子供の頃も大自然が好きで私に付き合ったのではサラサラなく、山へ行った日は、参加者で夕食会をするのが楽しくて、それを目当てに行っていた、と言ってのけてくれるのだ。なるほど、よくわかりました。
 ことほど左様に、ファミリーハイキングをしようという人は、「山」の趣味は個人的なものだ、といこうことをまずもって肝に銘じておくことだ。

 てなことをついうっかり口にしたら、「そんなこと、いちいちことわるまでもない。
世間のジョーシキや。あんたがいちばんモノわかりが悪いで」と連れ合いに言われちまった。まったくおっしゃるとおり。返す言葉もござんせん。いたく反省。

岳の洞
劔 平蔵谷 さすがにこの時ばかりはもう一人助っ人を頼んでマンツーマンに...
毛勝 阿部木谷
後日談

つい最近「どこか山行きたい」と、実家へ戻ってきたご息女がのたまった。仲間との約束もなかったので、そんじゃ暑いから鈴鹿の神崎川へ泳ぎに行くか、ということになった。すると、連れ合い様も参加するという。図らずもファミリー部隊ご出動とあいなったわけ。次の機会には、私の足腰がマトモかどうか、保証の限りではないのだよ、娘さん。という意味で、実に感慨もひとしおの山行ではあった。

神崎川'03夏

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