木屋谷川支流 ワサビ谷
右又出合  檜塚奥峰への最短谷コースとして、ワサビ谷は快適なルートを提供している。ただ、ここ10年あまり、谷の中間部を林道が横切るようになり、興醒めさせられるようになった。林業の山だから仕方がないとはいえ、残念ながら以前の静かな山の雰囲気はここでは失われてしまった。
 木屋谷林道の明神平コース起点の橋のたもとから、奥山谷へ向かう右岸の一般路をたどると、最初に渡る谷がワサビ谷。木屋谷との出合いには10mほどの滝があるので迷うことはない。ここから一般路は谷を渡って山腹の杉の植林帯の中へ入ってゆくが、これを見送りそのまま谷をつめる。下部は小滝がいくつか連続するが、右手を簡単に捲くことができる。
林道上の小滝。右岸の岩を簡単に越えられる
右又出合  一旦平流になると、中間部の林道を横切る。土埃で汚れていないのが救いだ。
 林道から上は自然林が多くなり、谷の雰囲気はよい。涸れた谷をつめると、3mの滝が谷を塞いでいるが。すぐ左手を小さく捲くことができる。次に、また5mほどの水量の少ない直瀑があり、直登は避けて右手のルンゼを捲く。
 谷は源流となり、秋なら開けて明るく、気分が良い。水量の少ないルンゼ状の谷を辿り、最後にガレ場の横の丈の低い笹薮を急登すれば、檜塚奥峰すぐ西側の按部に飛び出す。

源流帯。秋は落ち葉を踏みしいて静かな気分が味わえる

右又出合  出発点へ戻る場合は、檜塚の北尾根一般路を下るのが一番てっとり早い。時間があれば、明神岳へなだらかな稜線を行き、明神平の小屋脇から奥山谷へ下ると充実した山行を味わうことができる。ただしこのコースは整備されてはいないので、体力的、時間的に充分な余裕が必要だ

(所要時間:入口から稜線まで約1.5時間)

檜塚の稜線直下から谷を振り返る