ジャンダルム飛騨尾根 86春
右又出合 腐れ山仲間のNとは、20年ちかくも組んで登ったろうか。その最後に近い山行が春のジャンダルム飛騨尾根だった。ギラギラした山行を続けていたNも、このころは枯れてしまって、私がまだ登っていないルートに付き合ってくれた。「末端を朝出たら日帰りコースやで」とはNの弁。寄るトシも忘れて、それを鵜のみにした私もN同様おめでたい奴。そんなマッチョなNも、望まぬ病に斃れ、今はこの世の人ではない。せめてアルプスの氷河を踏ませたかった

森林限界の登り

右又出合 :天気は穏やかで暑いくらいだった。ロープがどうしても必要なのは1ピッチだけ。ゼイゼイ言いながら登る

:ジャンの頭に立つと、すっかり日は傾いていた。こらあ、N、昔と同じ時間で登れると思うなよ!

右又出合 :奥穂への最後の登り。穂高山荘でビール、ビールと念じながら登る。ロバの耳の巻きは、5mのアプザイレン

:ジャンダルムを振り返る。もう、今日は下へは下れない。

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