年度
大正12・1923年  2月10日
大正13・1924年  2月11日
大正14・1925年  2月20日
大正15・1926年  2月23日
昭和2・1927年  2月26日
昭和3・1928年  2月28日
昭和4・1929年  3月24日
昭和5・1930年  3月30日
昭和6・1931年  4月5日
昭和7・1932年  5月31日
昭和10・1935年  2月24日
昭和16・1941年  4月4日
昭和33・1958年  3月12日
昭和34・1959年  3月12日
昭和40・1965年  3月13日

 人物
岡戸武平 探偵小説と江戸川乱歩(4月4日)不木・乱歩・私(3月24日)
佐野洋 ミステリーとの半世紀(3月12日)
喜多村緑郎 喜多村緑郎日記(2月25日)
須藤憲三 乱歩先生の「少年もの」(2月24日)
科学画報 研究室大会(質問回答)(2月23日)
苦楽 休載二篇お断り(2月23日)
岩田貞雄 東京本郷「伊勢栄旅館」の夜(2月16日)
春日野緑 乱歩君の印象(2月15日)
川口松太郎 江戸川乱歩と美少女(2月15日)
読売新聞 ゴシップ(2月15日)一日一傑 大衆作家列伝 第八回(2月14日)
宇野浩二 日本のポオ──江戸川乱歩君万歳(2月14日)
小酒井不木 江戸川氏と私(2月14日)
新青年 編輯だより(5月31日)編輯だより(5月31日)編輯だより(5月31日)編輯だより(5月31日)編輯だより(5月31日)編輯だより(5月31日)戸崎町風土記(4月5日)戸崎町風土記(3月30日)戸崎町風土記(3月30日)戸崎町だより(3月24日)戸崎町だより(3月24日)戸崎町だより(3月24日)陰獣 完結篇(2月28日)編輯局より(2月28日)編輯局より(2月28日)編輯局より(2月28日)編輯局より(2月28日)編輯局より(2月28日)編輯局より(2月28日)陰獣 江戸川乱歩(2月27日)編輯局より(2月27日)陰獣(第二回)編輯局より(2月27日)編輯局から(2月25日)編輯局から(2月25日)御挨拶(2月25日)近事一束(2月25日)編輯後記(2月12日)編輯局より(2月12日)編輯局より(2月12日)編輯局より(2月12日)編輯日誌(2月12日)編輯局より(2月11日)編輯局より(2月11日)編輯局より(2月11日)探偵小説を募集す──隠れたる作家の創作を慫慂す(2月10日)春季増大号予告(2月10日)編輯局から(2月10日)編輯局から(2月10日)
横溝正史 大正十四年四月十二日付葉書(2月14日)初対面の乱歩さん(2月14日)陰獣縁起(2月9日)「ユリエ殺し」の記(2月9日)散歩の事から(2月8日)ノンキな話(2月8日)『二重面相』江戸川乱歩(2008年4月14日)田舎者東京を歩かず(4月12日)横溝正史の秘密(4月9日)横溝正史探偵小説講座──序にかえて(4月5日)
西田政治 乱歩さんと私(2月14日)二人旅四日太平楽(2008年4月15日)
ROOS 文豪の里を行く 江戸川乱歩ゆかりの地を訪ねて(2008年4月14日)
都筑道夫 推理作家の出来るまで(2008年4月11日)
小林信彦 小説世界のロビンソン(2008年4月10日)
報知新聞 名士の家庭訪問記 文壇人訪問記 死に絵と「死の島」 怪奇な装飾品に囲まれて (江戸川乱歩篇)(2008年4月8日)
J. C. オカザワ 江戸川乱歩 はちまき 身元不明の白身が揚がる(2008年4月7日)
自遊人 文士の愛した神田神保町 江戸川乱歩(2008年4月7日)
大坪直行 乱歩編集『宝石』を支えた男──大坪直行インタビュー(2008年4月6日)
波多野完治 体験的古本屋論(2008年4月5日)
春山行夫 本を浚われた話(2008年4月5日)
双葉十三郎 ぼくの特急二十世紀(2008年4月5日)
 Another Entry File 人外境主人残日録 
 書籍
 綺想礼讃 松山俊太郎大乱歩の潜在能力 Entry2月8日) RAMPO Up-To-Date 2009
 右か、左か 心に残る物語──日本文学秀作選 沢木耕太郎人間椅子 江戸川乱歩あとがき──右か、左か 沢木耕太郎 Entry(1月15日) RAMPO Up-To-Date 2010
 江戸川乱歩 徹底追跡 志村有弘 Entry(1月12日) RAMPO Up-To-Date 2009

 雑誌
 ハヤカワミステリマガジン 2月号 幻島はるかなり 翻訳ミステリ回想録 紀田順一郎 Entry(2月2日) RAMPO Up-To-Date 2010
 ハヤカワミステリマガジン 1月号 幻島はるかなり 翻訳ミステリ回想録 紀田順一郎 Entry(1月25日) RAMPO Up-To-Date 2010
 ウェブニュース
 asahi.com 発狂した宇宙 [著]ブラウン Entry2月7日) RAMPO Up-To-Date 2010
 毎日jp 伊賀学検定:初級に上野商高2年生が挑戦 総合学習で授業重ね──28日 /三重 Entry2月6日) RAMPO Up-To-Date 2010
 毎日jp みんな夢中:設立準備が進む、鳥羽郷土史会 /三重 Entry(2月2日) RAMPO Up-To-Date 2010
 asahi.com ベルリン映画祭 コンペに若松監督「キャタピラー」 Entry(1月22日) RAMPO Up-To-Date 2010
 MSN産経ニュース 双葉十三郎氏(映画評論家) Entry(1月16日) RAMPO Up-To-Date 2010
 中日新聞 CHUNICHI Web 伊賀学検定挑戦を 来月へ新公式ドリル Entry(1月9日) RAMPO Up-To-Date 2010
 徳島新聞 Web 「知の希求者」足跡展示 佃實夫資料展始まる Entry(1月9日) RAMPO Up-To-Date 2010
 YOMIURI ONLINE 没後50年 葦平展 Entry(1月9日) RAMPO Up-To-Date 2010

 人事
 双葉十三郎 Entry(1月16日) RAMPO Up-To-Date 2009
 書籍
 龍馬の天命 坂本龍馬 名手の八篇 阿井景子、安部龍太郎、大岡昇平、北原亞以子、新宮正春、津本陽、伴野朗、隆慶一郎 Entry2月6日
 シャーロック・ホームズに愛をこめて ミステリー文学資料館 Entry(1月22日)

 雑誌
 CHARADE NEUVE 7号 蒼井上鷹特集 Entry2月7日
 催事
 ピカソ ノ カルメン 1月18日−30日 Entry(1月10日)
 今野勉講演会 2月21日 Entry(1月7日)

 人事
 北森鴻 Entry(2月2日)
乱歩はいかにして安定を取り戻したのか
2010年2月8日(月)

 「日本探偵小説の系譜」の結びを見ておきます。木々高太郎との探偵小説論争に触れたあと、乱歩はこんなふうに記して筆を擱いています。

 したがって、今のところ、論争はまったくの抽象論なのだが、抽象論であるかぎり、いつまでやっていても、どちらかが兜を脱ぐはずもなく、これ以上議論をつづけていると、泥仕合になりそうなところも見える。そこで、抽象論はこの辺で打切りにして、私としては木々君のいわゆる純文学本格探偵小説が発表される日を待つことにしたい。
 これに対して、私の方では英米ベスト・テン級の作品に敬意を表しているのだから、あらためて見本を示す必要はないのだが、しかし、やはり私としても、私流の新機軸の本格長篇を書いてみたい気持はある。木々君の劃期的作品を期待するとともに、私もまた、なるべく早い機会に、私の長篇探偵小説を仕上げたいと思っている。

 現在ただいまは実作せざる第一人者であるけれど、まだ完全にリタイアしたわけではないという寸法です。横溝正史にお墨付きを与え、木々高太郎に実作を所望し、自分には長篇を仕上げる心づもりがあると打ち明けて、なんかもう余裕綽々で擱筆したという印象です。事実、「日本探偵小説の系譜」を書いた昭和25年前後には、乱歩の精神状態は一時に比べてずいぶん安定していたのではないかと思われます。一時というのはいつのことかといいますと、たとえば昭和22年、「宝石」2・3月合併号に「本陣殺人事件」評を発表するにあたってその原稿を横溝正史に郵送し、正史に「短刀を送りつけられたように感じ」させたころ、乱歩は探偵作家として、あるいは探偵小説の第一人者として、かなり不安定な精神状態にあったのではないかと推測されます。

 同じ昭和22年の「ロック」2月号に掲載された「一人の芭蕉の問題」あたりでも、「ああ、探偵小説の芭蕉たるものは誰ぞ。好漢木々高太郎果して芭蕉の惨苦を悩むの気魄ありや否や」と芝居がかっているといっていいほどの切り口上で結ばれていて、それはまあ木々高太郎から売られた喧嘩を買うかたちで執筆されたものですから喧嘩腰めくのも無理からぬところでしょうけれど、そこには不安定な精神状態も投影されていたのだと見えないでもありません。

 さらにその少しあと、昭和22年の11月に疎開先の正史を訪問した当時にも、正史が「『二重面相』江戸川乱歩」に「乱歩はおそろしく戦闘的になり強引になり、権柄ずくになり、昔から人を引っ張っていく力を持っていた人物なのだが、その引っ張りかたに以前のような当りの柔かさが欠け、強引一方になっていたらしい」と記していたところから判断いたしますに、乱歩の精神状態は決して安定していなかったといっていいでしょう。

 それが昭和25年にはすっかり余裕が出てきて安定感たっぷり、「日本探偵小説の系譜」には第一人者としての揺るぎない自負が示されていると思われる次第ですが、こうした安定は何によってもたらされたのか。「探偵小説三十年」の執筆を開始したからではないかというのが私の推測です。余はいかにして第一人者となりしか。それを克明に跡づける自伝を書き始めたことによって乱歩は安定を取り戻し、第一人者としての自負をたしかなものにし、戦後の探偵小説界にいよいよ君臨していったのではなかったか。

神奈川近代文学館
大乱歩展図録
B5判 72ページ
1000円 送料290円
入手方法
 
名張人外境  開設日:1999年10月21日木曜  開設者:中 相作 NAKA Shosaku  E-Mail:stako@e-net.or.jp
最終更新 ● 2010年 2月 8日 (月)